
アルカン・アルケン・アルキン
カメレオン先生アルカンは置き換わる、アルケン・アルキンは何かが付け加わる。反応の型が覚え方のコツだよ。
30秒でつかむ
- 鎖状の炭化水素は、単結合だけのアルカン、二重結合をもつアルケン、三重結合をもつアルキンに分けられる。
- 飽和炭化水素のアルカンは紫外線下でハロゲン(新しいタブで開きます)と置換反応を起こし、不飽和炭化水素のアルケン・アルキンは付加反応を起こしやすい。
- アセチレンは炭化カルシウムと水から得られ、酸素アセチレン炎は金属の溶接に使われる。
詳しく
飽和炭化水素と不飽和炭化水素
鎖状の炭化水素は、炭素原子間の結合がすべて単結合のアルカン(一般式CₙH₂ₙ₊₂)、二重結合を1つ含むアルケン(CₙH₂ₙ)、三重結合を1つ含むアルキン(CₙH₂ₙ₋₂)に分けられる。アルケンとアルキンは不飽和炭化水素、アルカンは飽和炭化水素と呼ばれる。
飽和炭化水素のアルカンは反応性が低く安定だが、紫外線を当てると塩素などのハロゲンと置換反応を起こし、水素原子(新しいタブで開きます)がハロゲン原子に置き換わる。メタンCH₄に塩素Cl₂を当てるとCH₄+Cl₂→CH₃Cl+HClのように進む。
不飽和結合をもつアルケン・アルキンは、二重結合・三重結合の一部が開いて他の原子・原子団が結合する付加反応を起こしやすい。臭素水を加えると赤褐色が消えることから、不飽和結合の有無を確かめられる。
例:エチレンの付加反応とアセチレンの製法
エチレン(新しいタブで開きます)(エテン)C₂H₄に臭素Br₂を加えると、CH₂=CH₂+Br₂→CH₂Br-CH₂Br のように付加反応が進み、臭素水の赤褐色が消える。ニッケルを触媒として水素H₂を付加させると、エタンC₂H₆が得られやすい。
アセチレンC₂H₂は、炭化カルシウムCaC₂に水を加えるCaC₂+2H₂O→Ca(OH)₂+C₂H₂という反応でつくられる。三重結合をもつため、酸素と混ぜて燃やす酸素アセチレン炎は約3000℃に達する高温になり、金属の溶接に使う。
アセチレンに触媒(硫酸水銀(Ⅱ)など)を使って水を付加させると、不安定なビニルアルコールを経てアセトアルデヒドCH₃CHOが得られる。炭素数2のアルキンに水1分子(新しいタブで開きます)が付加する、工業的に使われる製法だ。
反応性の違いが生まれる理由
アルカンが置換反応を起こしやすいのは、炭素原子間がすべて単結合(σ結合)で安定しており、紫外線で生じたラジカル(不対電子をもつ原子・原子団)が水素原子を引き抜いて新しい結合をつくるためである。
アルケン・アルキンが付加反応を起こしやすいのは、二重結合・三重結合のうち1本の結合(π結合)がσ結合より弱く開きやすいためで、開いた部分に他の原子・原子団が結合して飽和な構造に近づく。
アルカン・アルケン・アルキンはいずれも炭素数が増えるほど分子間力(新しいタブで開きます)が強くなり沸点(新しいタブで開きます)が高くなる。鎖が枝分かれすると分子どうしが密に集まりにくくなるため、同じ炭素数の直鎖状の化合物より沸点が低くなる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/alkanes-alkenes-and-alkynes/?from=print#quiz
アルカンの一般式として正しいものはどれか。
- ◯ CₙH₂ₙ₋₆
- ◯ CₙH₂ₙ
- ◯ CₙH₂ₙ₊₂
- ◯ CₙH₂ₙ₋₂
正解:CₙH₂ₙ₊₂
アルカンは炭素原子間がすべて単結合の飽和炭化水素で、一般式はCₙH₂ₙ₊₂。二重結合をもつアルケンはCₙH₂ₙ、三重結合をもつアルキンはCₙH₂ₙ₋₂である。メタンに紫外線を当てながら塩素を反応させたときに起こる反応はどれか。
- ◯ 置換反応
- ◯ 付加反応
- ◯ 縮合反応
- ◯ 中和反応
正解:置換反応
メタンCH₄に塩素Cl₂を当てるとCH₄+Cl₂→CH₃Cl+HClのように水素原子(新しいタブで開きます)が塩素原子に置き換わる置換反応が起こる。アルカンは反応性が低いが、紫外線下ではハロゲン(新しいタブで開きます)と置換反応を起こす。炭化カルシウムCaC₂ 64g(モル質量(新しいタブで開きます)64g/mol)に十分な量の水を加えて反応させた。発生するアセチレンは標準状態で何Lか。
答え:____________
正解:22.4
CaC₂の物質量は64÷64=1mol。反応式CaC₂+2H₂O→Ca(OH)₂+C₂H₂の係数(新しいタブで開きます)比1:1からC₂H₂は1molでき、22.4L/molをかけて1×22.4=22.4L。アセチレンに触媒を使って水を付加させると得られる物質はどれか。
- ◯ 酢酸
- ◯ エタノール
- ◯ アセトン
- ◯ アセトアルデヒド
正解:アセトアルデヒド
アセチレンに水を付加させると、不安定なビニルアルコールを経てアセトアルデヒドCH₃CHOが得られる。工業的なアセトアルデヒドの製法の一つである。
単元のポイント
- アルカン 一般式CₙH₂ₙ₊₂の飽和炭化水素。紫外線下でハロゲンと置換反応を起こす
- アルケン 一般式CₙH₂ₙの不飽和炭化水素。二重結合に臭素などが付加反応する
- アルキン 一般式CₙH₂ₙ₋₂の不飽和炭化水素。代表例はアセチレンC₂H₂
- アセチレンの製法 CaC₂+2H₂O→Ca(OH)₂+C₂H₂。酸素アセチレン炎は約3000℃に達し溶接に使われる