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アイソスタシー

カワウソ先生山脈(さんみゃく)は地殻(ちかく)が厚(あつ)いぶん、地下(ちか)にも深(ふか)い「根(ね)」を伸(の)ばして浮(う)いているんだよ。

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  1. 硬(かた)い**リソスフェア**が、やわらかい**アセノスフェア**の上(うえ)に、浮力(ふりょく)(新しいタブで開きます)と重力(じゅうりょく)がつり合(あ)った状態(じょうたい)で浮(う)いていることを**アイソスタシー**という。
  2. 山脈(さんみゃく)のように地表(ちひょう)が高(たか)い場所(ばしょ)ほど、その下(した)の地殻(ちかく)(新しいタブで開きます)は厚(あつ)く、深(ふか)い「根(ね)」を伸(の)ばして浮(う)いている。
  3. 最終(さいしゅう)氷(こおり)期(き)の氷(こおり)が溶(と)けて荷重(かじゅう)が減(へ)ったスカンジナビア半島(はんとう)では、アイソスタシーのつり合(あ)いを回復(かいふく)しようと、現在(げんざい)も大地(だいち)がゆっくり隆起(りゅうき)(新しいタブで開きます)し続(つづ)けている。

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詳しく

リソスフェアとアセノスフェアのつり合(あ)い

地球(ちきゅう)表面(ひょうめん)を覆(おお)う硬(かた)いリソスフェア(プレートに相当(そうとう)する地殻(ちかく)と上部(じょうぶ)マントルの硬(かた)い部分(ぶぶん))は、その下(した)にある、ゆっくり流動(りゅうどう)できるやわらかいアセノスフェアの上(うえ)に浮(う)いている。

この浮(う)いた状態(じょうたい)は、船(ふね)が水(みず)に浮(う)くときと同(おな)じように、リソスフェアを押(お)し上(あ)げる浮力(ふりょく)と、リソスフェアに働(はたら)く重力(じゅうりょく)がつり合(あ)うことで保(たも)たれている。この状態(じょうたい)をアイソスタシーという。

アイソスタシーが成(な)り立(た)つ場所(ばしょ)では、地表(ちひょう)が高(たか)いところほど、その下(した)に伸(の)びる地殻(ちかく)の「根(ね)」も深(ふか)くなる。山脈(さんみゃく)のように標高(ひょうこう)の高(たか)い場所(ばしょ)は、地殻(ちかく)の厚(あつ)さそのものも厚(あつ)いのだ。

アイソスタシー:山脈の下は地殻が厚く根が深いAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

スカンジナビア半島(はんとう)の隆起(りゅうき)

最終(さいしゅう)氷(こおり)期(き)には、スカンジナビア半島(はんとう)の上(うえ)に厚(あつ)い氷(こおり)床(ゆか)が乗(の)っていた。重(おも)い氷(こおり)の荷重(かじゅう)によって、その下(した)のリソスフェアはアセノスフェアに深(ふか)く沈(しず)み込(こ)んでいた。

約(やく)1万年(まんねん)前(まえ)に氷(こおり)期(き)が終(お)わり、氷(こおり)床(ゆか)が溶(と)けて荷重(かじゅう)が大(おお)きく減(へ)ると、沈(しず)み込(こ)んでいたリソスフェアは、アイソスタシーのつり合(あ)いを回復(かいふく)しようとして、ゆっくり浮(う)き上(あ)がり始(はじ)めた。

この隆起(りゅうき)は現在(げんざい)も続(つづ)いており、スカンジナビア半島(はんとう)の一部(いちぶ)では、今(いま)も年間(ねんかん)で1cm近(ちか)く大地(だいち)が持(も)ち上(あ)がっている場所(ばしょ)がある。

氷床が溶けたスカンジナビア半島は今も隆起中Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

アイソスタシーが成(な)り立(た)っていない場所(ばしょ)

アイソスタシーは、リソスフェアとアセノスフェアのつり合(あ)いが十分(じゅうぶん)な時間(じかん)をかけて実現(じつげん)された状態(じょうたい)を表(あらわ)す考(かんが)え方(かた)であり、常(つね)に瞬時(しゅんじ)に成(な)り立(た)っているわけではない。

スカンジナビア半島(はんとう)のように、氷(こおり)床(ゆか)が急(きゅう)に無(な)くなって荷重(かじゅう)が大(おお)きく変(か)わった直後(ちょくご)は、つり合(あ)いが崩(くず)れたままの状態(じょうたい)になる。アセノスフェアがゆっくり流動(りゅうどう)して形(かたち)を変(か)えるのに時間(じかん)がかかるため、隆起(りゅうき)が今(いま)も続(つづ)いているのはこのためだ。

このように、アイソスタシーが成(な)り立(た)っていない場所(ばしょ)の観測(かんそく)は、アセノスフェアがどれくらいの速(はや)さで流動(りゅうどう)するかを知(し)る手(て)がかりにもなる。

確認問題

問題 1 / 4「アイソスタシー」とはどのような状態(じょうたい)か。

確認問題(解答用紙)

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https://manazoo.com/science/isostasy/?from=print#quiz

  1. 「アイソスタシー」とはどのような状態(じょうたい)か。

    • ◯ リソスフェアがアセノスフェアに浮(う)き、浮力(ふりょく)と重力(じゅうりょく)がつり合(あ)っている状態(じょうたい)
    • ◯ 海水(かいすい)面(めん)の高(たか)さが世界中(せかいじゅう)で常(つね)に一定(いってい)である状態(じょうたい)
    • ◯ 地殻(ちかく)とマントルの温度(おんど)が常(つね)に等(ひと)しい状態(じょうたい)
    • ◯ プレートが全(まった)く動(うご)かずに固定(こてい)されている状態(じょうたい)

    正解:リソスフェアがアセノスフェアに浮き、浮力と重力がつり合っている状態
    硬(かた)いリソスフェアが、やわらかいアセノスフェアの上(うえ)に、浮力(ふりょく)(新しいタブで開きます)と重力(じゅうりょく)がつり合(あ)った状態(じょうたい)で浮(う)いていることをアイソスタシーという。

  2. アイソスタシーが成(な)り立(た)つとき、山脈(さんみゃく)のように標高(ひょうこう)の高(たか)い場所(ばしょ)の地殻(ちかく)はどうなっているか。

    • ◯ 地殻(ちかく)の厚(あつ)さは標高(ひょうこう)と無関係(むかんけい)である
    • ◯ 地殻(ちかく)が薄(うす)く、根(ね)がほとんどない
    • ◯ 地殻(ちかく)が厚(あつ)く、根(ね)が深(ふか)くなっている
    • ◯ 地殻(ちかく)がアセノスフェアより密度(みつど)が大(おお)きいため沈(しず)んでいる

    正解:地殻が厚く、根が深くなっている
    アイソスタシーが成(な)り立(た)つ場所(ばしょ)では、地表(ちひょう)が高(たか)いところほど、その下(した)に伸(の)びる地殻(ちかく)(新しいタブで開きます)の根(ね)も深(ふか)くなる。山脈(さんみゃく)は地殻(ちかく)が厚(あつ)く根(ね)が深(ふか)い。

  3. スカンジナビア半島(はんとう)が現在(げんざい)も隆起(りゅうき)し続(つづ)けているのはなぜか。

    • ◯ 新(あたら)しいプレートがその場所(ばしょ)で生(う)まれているため
    • ◯ 海水(かいすい)面(めん)が年々(ねんねん)下(さ)がり続(つづ)けているため
    • ◯ 氷(こおり)床(ゆか)が溶(と)けて荷重(かじゅう)が減(へ)り、つり合(あ)いを回復(かいふく)しようとしているため
    • ◯ 地下(ちか)のマグマが大量(たいりょう)に噴出(ふんしゅつ)しているため

    正解:氷床が溶けて荷重が減り、つり合いを回復しようとしているため
    最終(さいしゅう)氷(こおり)期(き)の氷(こおり)が溶(と)けて荷重(かじゅう)が大(おお)きく減(へ)ったため、アイソスタシーのつり合(あ)いを回復(かいふく)しようとしてリソスフェアがゆっくり浮(う)き上(あ)がり続(つづ)けている。

  4. アイソスタシーでつり合(あ)っているのは、どの2つの力(ちから)か。

    • ◯ 浮力(ふりょく)と重力(じゅうりょく)
    • ◯ 摩擦力(まさつりょく)と張力(ちょうりょく)
    • ◯ 磁力(じりょく)と重力(じゅうりょく)
    • ◯ 引力(いんりょく)と遠心力(えんしんりょく)

    正解:浮力と重力
    アイソスタシーは、リソスフェアに働(はたら)く浮力(ふりょく)と重力(じゅうりょく)がつり合(あ)っている状態(じょうたい)である。

単元のポイント

  • リソスフェア 地殻(ちかく)と上部(じょうぶ)マントルの硬(かた)い部分(ぶぶん)をまとめた、プレートに相当(そうとう)する層(そう)
  • アセノスフェア リソスフェアの下(した)にある、ゆっくり流動(りゅうどう)できるやわらかいマントルの層(そう)
  • アイソスタシー リソスフェアがアセノスフェアに浮(う)き、浮力(ふりょく)と重力(じゅうりょく)がつり合(あ)っている状態(じょうたい)
  • 地殻(ちかく)の根(ね)と隆起(りゅうき) 山脈(さんみゃく)の下(した)では地殻(ちかく)が厚(あつ)く根(ね)が深(ふか)い。荷重(かじゅう)が減(へ)った場所(ばしょ)ではつり合(あ)いを回復(かいふく)しようと隆起(りゅうき)する

出典・クレジット

  • 単元の構成:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」(新しいタブで開きます)(政府標準利用規約 2.0)
  • 学習指導要領の該当箇所:高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編 地学 (1)地球の概観 ア(ア)地球の形状・(イ)地球の内部(新しいタブで開きます)(解説p.162〜165。(1)地球の概観は(ア)地球の形状(㋐地球の形と重力:地球楕円体と地球表面における重力の資料から地球の形状と重力との関係を理解させる。内容の取扱いでジオイドと重力異常にも触れることを明記。㋑地球の磁気:地磁気の特徴とその働きを理解させ、内容の取扱いで地磁気の三要素及び磁気圏と太陽風との関連、地磁気の原因と古地磁気にも触れることを明記)と(イ)地球の内部(㋐地球の内部構造:地震波の伝わり方の資料から地球内部の構造を理解させる。内容の取扱いで走時曲線を扱い、地震波トモグラフィーにも触れることを明記。㋑地球内部の状態と物質:地球内部の温度・密度・圧力・構成物質の組成を理解させる。内容の取扱いでアイソスタシーも扱うこと、放射性同位体の崩壊など地球内部の熱源にも触れることを明記)で構成される。本単元では、㋐地球の形と重力を「地球楕円体と偏平率」(偏平率の計算)と「ジオイドと重力異常」の2ページに、㋑地球の磁気を「地磁気の三要素と磁気圏」と「古地磁気」の2ページに、㋐地球の内部構造を「走時曲線とシャドーゾーン」1ページに、㋑地球内部の状態と物質を「地球内部の境界面と温度・密度」と「アイソスタシー」の2ページに分けて扱い、計7ページとした。既存の高校「地学基礎」(1)地球のすがた ア(ア)惑星としての地球の、地球の大きさの測り方(measuring-the-size-of-the-earth)・地球の形(shape-of-the-earth:赤道半径約6378km・極半径約6357km・偏平率およそ298分の1・回転楕円体という定性的な説明まで)・地球内部の層構造(internal-structure-of-the-earth:地殻・マントル・外核・内核の区分とP波・S波で状態がわかること)・地球をつくる物質(materials-of-the-earth:岩石の密度の違い)、および中学理科「地震の波」(earthquake-waves:P波・S波・初期微動継続時間)で、地球が厳密には球でないこと、4層の区分、地震波で内部の状態がわかることは既に扱っているため、本単元ではそれより1段深く、偏平率を実際の数値で計算すること、ジオイドと重力異常(重力の正規値・地下構造の推定)、アイソスタシー(リソスフェアとアセノスフェアの浮力と重力のつり合い、スカンジナビア半島の隆起)、走時曲線の折れ曲がりとモホ面の深さの推定・P波とS波のシャドーゾーンが生じる理由、モホロビチッチ不連続面・グーテンベルク不連続面・レーマン不連続面という3つの境界面の名称と深さ・地下増温率と地殻熱流量・熱源としての放射性同位体の崩壊、地磁気の偏角・伏角・全磁力の三要素と磁気圏が太陽風と関連すること、地磁気の原因(外核の運動)と古地磁気・地磁気の逆転に絞って扱う。)
  • 事実データ:Wikidata の項目 Q188719(新しいタブで開きます)(CC0)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編」地学 (1)地球の概観 ア(イ)地球の内部 ㋑地球内部の状態と物質 p.164(新しいタブで開きます)
  • コトバンク「アイソスタシー」(新しいタブで開きます)
  • 本文:Manazoo 編集部
  • 図(リソスフェアがアセノスフェアに浮き、山脈の下で地殻が厚く根が深くなっている様子を示した図):Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図) / 出典(新しいタブで開きます)
  • 図(氷床が溶けて荷重が減ったスカンジナビア半島が現在も隆起し続けている様子を示した図):Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図) / 出典(新しいタブで開きます)
  • 最終確認日:

単元の並びは学習指導要領に沿って作り、年号や人物などの事実は公開データと照らし合わせています。誤りに気づいたら意見箱からお知らせください。確かめて直します。テストや受験の前には、教科書や先生の説明もあわせて確認してください。

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単元のポイント
  • リソスフェア 地殻(ちかく)と上部(じょうぶ)マントルの硬(かた)い部分(ぶぶん)をまとめた、プレートに相当(そうとう)する層(そう)
  • アセノスフェア リソスフェアの下(した)にある、ゆっくり流動(りゅうどう)できるやわらかいマントルの層(そう)
  • アイソスタシー リソスフェアがアセノスフェアに浮(う)き、浮力(ふりょく)と重力(じゅうりょく)がつり合(あ)っている状態(じょうたい)
  • 地殻(ちかく)の根(ね)と隆起(りゅうき) 山脈(さんみゃく)の下(した)では地殻(ちかく)が厚(あつ)く根(ね)が深(ふか)い。荷重(かじゅう)が減(へ)った場所(ばしょ)ではつり合(あ)いを回復(かいふく)しようと隆起(りゅうき)する