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ジオイドと重力異常(じゅうりょくいじょう)

カワウソ先生重力(じゅうりょく)は、地球(ちきゅう)に引(ひ)かれる力(ちから)だけじゃなく、自転(じてん)の遠心力(えんしんりょく)も混(ま)じった合力(ごうりょく)だよ。

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  1. **重力(じゅうりょく)**は、地球(ちきゅう)の引力(いんりょく)と自転(じてん)(新しいタブで開きます)による遠心力(えんしんりょく)(新しいタブで開きます)の合力(ごうりょく)(新しいタブで開きます)で、緯度(いど)によって大(おお)きさが異(こと)なり、低緯度(ていいど)ほど小(ちい)さい。
  2. 平均(へいきん)海面(かいめん)を陸地(りくち)の下(した)まで延長(えんちょう)した、重力(じゅうりょく)の方向(ほうこう)に垂直(すいちょく)な仮想(かそう)の面(めん)を**ジオイド**という。
  3. 観測(かんそく)された重力(じゅうりょく)の値(あたい)と、地球(ちきゅう)楕円体(だえんたい)(新しいタブで開きます)から求(もと)めた理論上(りろんじょう)の重力(じゅうりょく)(正規(せいき)重力(じゅうりょく))との差(さ)を**重力異常(じゅうりょくいじょう)**といい、地下(ちか)の構造(こうぞう)の推定(すいてい)に使(つか)われる。

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詳しく

重力(じゅうりょく)とジオイド

地球上(ちきゅうじょう)のあらゆる場所(ばしょ)では、物体(ぶったい)は地球(ちきゅう)の中心(ちゅうしん)に向(む)かう引力(いんりょく)だけでなく、自転(じてん)による遠心力(えんしんりょく)も受(う)けている。この2つの力(ちから)を合(あ)わせた力(ちから)を重力(じゅうりょく)という。

遠心力(えんしんりょく)は赤道付近(せきどうふきん)ほど大(おお)きく働(はたら)くため、重力(じゅうりょく)は低緯度(ていいど)ほど小(ちい)さく、高緯度(こういど)ほど大(おお)きい。たとえば赤道付近(せきどうふきん)の重力(じゅうりょく)加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)は約(やく)9.78m/s²、極(きょく)付近(ふきん)では約(やく)9.83m/s²と、場所(ばしょ)によって値(あたい)が異(こと)なる。

平均(へいきん)海面(かいめん)を陸地(りくち)の下(した)まで延長(えんちょう)し、どこでも重力(じゅうりょく)の方向(ほうこう)に垂直(すいちょく)になるように描(えが)いた仮想(かそう)の面(めん)をジオイドという。ジオイドは地球(ちきゅう)楕円体(だえんたい)に対(たい)して、場所(ばしょ)によって最大(さいだい)で100m程度(ていど)のでこぼこがある。

重力=引力と遠心力の合力(低緯度ほど重力は小さい)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

重力異常(じゅうりょくいじょう)と地下(ちか)構造(こうぞう)の推定(すいてい)

地球(ちきゅう)楕円体(だえんたい)の緯度(いど)から計算(けいさん)される、理論上(りろんじょう)の重力(じゅうりょく)の値(あたい)を正規(せいき)重力(じゅうりょく)という。実際(じっさい)に測(はか)った重力(じゅうりょく)の値(あたい)と正規(せいき)重力(じゅうりょく)との差(さ)を重力異常(じゅうりょくいじょう)という。

たとえば、地下(ちか)に密度(みつど)(新しいタブで開きます)の大(おお)きい岩体(がんたい)があると、その真上(まうえ)では周囲(しゅうい)より重力(じゅうりょく)が強(つよ)く測定(そくてい)され、重力異常(じゅうりょくいじょう)は正(せい)の値(あたい)になる。逆(ぎゃく)に密度(みつど)の小(ちい)さい岩体(がんたい)の上(うえ)では重力異常(じゅうりょくいじょう)は負(ふ)の値(あたい)になる。

この性質(せいしつ)を利用(りよう)して、重力異常(じゅうりょくいじょう)の分布(ぶんぷ)を調(しら)べることで、地表(ちひょう)からは見(み)えない地下(ちか)の構造(こうぞう)や、密度(みつど)の異(こと)なる岩体(がんたい)の分布(ぶんぷ)を推定(すいてい)できる。

重力異常の正負から地下の密度の違いを推定するAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

重力(じゅうりょく)が低緯度(ていいど)ほど小(ちい)さい理由(りゆう)

地球(ちきゅう)楕円体(だえんたい)の緯度(いど)に対(たい)する重力(じゅうりょく)の正規値(せいきち)を調(しら)べると、重力(じゅうりょく)の大(おお)きさは低緯度(ていいど)ほど小(ちい)さくなっていることがわかる。

これは、重力(じゅうりょく)が引力(いんりょく)と自転(じてん)による遠心力(えんしんりょく)の合力(ごうりょく)であり、遠心力(えんしんりょく)が地軸(ちじく)から最(もっと)も遠(とお)い赤道付近(せきどうふきん)で最大(さいだい)になるために起(お)こる。遠心力(えんしんりょく)は重力(じゅうりょく)の向(む)きと反対(はんたい)に働(はたら)くため、遠心力(えんしんりょく)が大(おお)きいほど差(さ)し引(ひ)かれる重力(じゅうりょく)は小(ちい)さい。

このように、重力(じゅうりょく)の分布(ぶんぷ)を資料(しりょう)から読(よ)み取(と)ることで、地球(ちきゅう)が自転(じてん)による遠心力(えんしんりょく)を受(う)けて回転(かいてん)楕円体(だえんたい)になっていることを見(み)いだせる。

確認問題

問題 1 / 4「重力(じゅうりょく)」とはどのような力(ちから)か。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/geoid-and-gravity-anomaly/?from=print#quiz

  1. 「重力(じゅうりょく)」とはどのような力(ちから)か。

    • ◯ 太陽(たいよう)と月(つき)の引力(いんりょく)を合(あ)わせた力(ちから)
    • ◯ 地球(ちきゅう)の引力(いんりょく)だけで、遠心力(えんしんりょく)は含(ふく)まれない
    • ◯ 地球(ちきゅう)の引力(いんりょく)と自転(じてん)による遠心力(えんしんりょく)の合力(ごうりょく)
    • ◯ 自転(じてん)による遠心力(えんしんりょく)だけで、引力(いんりょく)は含(ふく)まれない

    正解:地球の引力と自転による遠心力の合力
    重力(じゅうりょく)は、地球(ちきゅう)の引力(いんりょく)と自転(じてん)(新しいタブで開きます)による遠心力(えんしんりょく)(新しいタブで開きます)の合力(ごうりょく)(新しいタブで開きます)である。

  2. 「ジオイド」とはどのような面(めん)か。

    • ◯ 地球(ちきゅう)楕円体(だえんたい)の表面(ひょうめん)そのもの
    • ◯ 大気(たいき)と海洋(かいよう)の境目(さかいめ)の面(めん)
    • ◯ 平均(へいきん)海面(かいめん)を陸地(りくち)の下(した)まで延長(えんちょう)した、重力(じゅうりょく)の方向(ほうこう)に垂直(すいちょく)な仮想(かそう)の面(めん)
    • ◯ 海底(かいてい)の地形(ちけい)をそのまま表(あらわ)した面(めん)

    正解:平均海面を陸地の下まで延長した、重力の方向に垂直な仮想の面
    ジオイドは、平均(へいきん)海面(かいめん)を陸地(りくち)の下(した)まで延長(えんちょう)し、どこでも重力(じゅうりょく)の方向(ほうこう)に垂直(すいちょく)になるように描(えが)いた仮想(かそう)の面(めん)である。

  3. 赤道付近(せきどうふきん)の重力(じゅうりょく)加速度(かそくど)を9.78m/s²、極(きょく)付近(ふきん)を9.83m/s²とすると、その差(さ)は何(なん)m/s²か。小数(しょうすう)で答(こた)えよう。

    答え:____________

    正解:0.05
    9.83-9.78=0.05m/s²となり、極(きょく)付近(ふきん)の重力(じゅうりょく)の方(ほう)が赤道付近(せきどうふきん)よりわずかに大(おお)きい。

  4. 重力異常(じゅうりょくいじょう)を調(しら)べることで何(なに)がわかるか。

    • ◯ 地下(ちか)の密度(みつど)の違(ちが)い(構造(こうぞう))
    • ◯ 地球(ちきゅう)の全周(ぜんしゅう)の長(なが)さ
    • ◯ 地磁気(ちじき)の偏角(へんかく)
    • ◯ その場所(ばしょ)の緯度(いど)

    正解:地下の密度の違い(構造)
    重力異常(じゅうりょくいじょう)の分布(ぶんぷ)を調(しら)べることで、地表(ちひょう)からは見(み)えない地下(ちか)の構造(こうぞう)や、密度(みつど)(新しいタブで開きます)の異(こと)なる岩体(がんたい)の分布(ぶんぷ)を推定(すいてい)できる。

単元のポイント

  • 重力(じゅうりょく) 地球(ちきゅう)の引力(いんりょく)と自転(じてん)による遠心力(えんしんりょく)の合力(ごうりょく)。低緯度(ていいど)ほど遠心力(えんしんりょく)が大(おお)きく働(はたら)き重力(じゅうりょく)は小(ちい)さい
  • ジオイド 平均(へいきん)海面(かいめん)を陸地(りくち)の下(した)まで延長(えんちょう)した、重力(じゅうりょく)の方向(ほうこう)に垂直(すいちょく)な仮想(かそう)の面(めん)
  • 正規(せいき)重力(じゅうりょく) 地球(ちきゅう)楕円体(だえんたい)を基準(きじゅん)に緯度(いど)から計算(けいさん)した、理論上(りろんじょう)の重力(じゅうりょく)の値(あたい)
  • 重力異常(じゅうりょくいじょう) 観測(かんそく)した重力(じゅうりょく)と正規(せいき)重力(じゅうりょく)との差(さ)。地下(ちか)の密度(みつど)の違(ちが)い(構造(こうぞう))を推定(すいてい)する手(て)がかりになる

出典・クレジット

  • 単元の構成:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」(新しいタブで開きます)(政府標準利用規約 2.0)
  • 学習指導要領の該当箇所:高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編 地学 (1)地球の概観 ア(ア)地球の形状・(イ)地球の内部(新しいタブで開きます)(解説p.162〜165。(1)地球の概観は(ア)地球の形状(㋐地球の形と重力:地球楕円体と地球表面における重力の資料から地球の形状と重力との関係を理解させる。内容の取扱いでジオイドと重力異常にも触れることを明記。㋑地球の磁気:地磁気の特徴とその働きを理解させ、内容の取扱いで地磁気の三要素及び磁気圏と太陽風との関連、地磁気の原因と古地磁気にも触れることを明記)と(イ)地球の内部(㋐地球の内部構造:地震波の伝わり方の資料から地球内部の構造を理解させる。内容の取扱いで走時曲線を扱い、地震波トモグラフィーにも触れることを明記。㋑地球内部の状態と物質:地球内部の温度・密度・圧力・構成物質の組成を理解させる。内容の取扱いでアイソスタシーも扱うこと、放射性同位体の崩壊など地球内部の熱源にも触れることを明記)で構成される。本単元では、㋐地球の形と重力を「地球楕円体と偏平率」(偏平率の計算)と「ジオイドと重力異常」の2ページに、㋑地球の磁気を「地磁気の三要素と磁気圏」と「古地磁気」の2ページに、㋐地球の内部構造を「走時曲線とシャドーゾーン」1ページに、㋑地球内部の状態と物質を「地球内部の境界面と温度・密度」と「アイソスタシー」の2ページに分けて扱い、計7ページとした。既存の高校「地学基礎」(1)地球のすがた ア(ア)惑星としての地球の、地球の大きさの測り方(measuring-the-size-of-the-earth)・地球の形(shape-of-the-earth:赤道半径約6378km・極半径約6357km・偏平率およそ298分の1・回転楕円体という定性的な説明まで)・地球内部の層構造(internal-structure-of-the-earth:地殻・マントル・外核・内核の区分とP波・S波で状態がわかること)・地球をつくる物質(materials-of-the-earth:岩石の密度の違い)、および中学理科「地震の波」(earthquake-waves:P波・S波・初期微動継続時間)で、地球が厳密には球でないこと、4層の区分、地震波で内部の状態がわかることは既に扱っているため、本単元ではそれより1段深く、偏平率を実際の数値で計算すること、ジオイドと重力異常(重力の正規値・地下構造の推定)、アイソスタシー(リソスフェアとアセノスフェアの浮力と重力のつり合い、スカンジナビア半島の隆起)、走時曲線の折れ曲がりとモホ面の深さの推定・P波とS波のシャドーゾーンが生じる理由、モホロビチッチ不連続面・グーテンベルク不連続面・レーマン不連続面という3つの境界面の名称と深さ・地下増温率と地殻熱流量・熱源としての放射性同位体の崩壊、地磁気の偏角・伏角・全磁力の三要素と磁気圏が太陽風と関連すること、地磁気の原因(外核の運動)と古地磁気・地磁気の逆転に絞って扱う。)
  • 事実データ:Wikidata の項目 Q185969(新しいタブで開きます)(CC0)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編」地学 (1)地球の概観 ア(ア)地球の形状 ㋐地球の形と重力 p.162〜163(新しいタブで開きます)
  • コトバンク「ジオイド」(新しいタブで開きます)
  • コトバンク「重力異常」(新しいタブで開きます)
  • 本文:Manazoo 編集部
  • 図(地球の引力と自転による遠心力を合成して重力になる様子を緯度ごとに示した図):Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図) / 出典(新しいタブで開きます)
  • 図(地下の密度の大きい岩体の上で重力異常が正に、密度の小さい岩体の上で負になる様子を示した図):Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図) / 出典(新しいタブで開きます)
  • 最終確認日:

単元の並びは学習指導要領に沿って作り、年号や人物などの事実は公開データと照らし合わせています。誤りに気づいたら意見箱からお知らせください。確かめて直します。テストや受験の前には、教科書や先生の説明もあわせて確認してください。

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単元のポイント
  • 重力(じゅうりょく) 地球(ちきゅう)の引力(いんりょく)と自転(じてん)による遠心力(えんしんりょく)の合力(ごうりょく)。低緯度(ていいど)ほど遠心力(えんしんりょく)が大(おお)きく働(はたら)き重力(じゅうりょく)は小(ちい)さい
  • ジオイド 平均(へいきん)海面(かいめん)を陸地(りくち)の下(した)まで延長(えんちょう)した、重力(じゅうりょく)の方向(ほうこう)に垂直(すいちょく)な仮想(かそう)の面(めん)
  • 正規(せいき)重力(じゅうりょく) 地球(ちきゅう)楕円体(だえんたい)を基準(きじゅん)に緯度(いど)から計算(けいさん)した、理論上(りろんじょう)の重力(じゅうりょく)の値(あたい)
  • 重力異常(じゅうりょくいじょう) 観測(かんそく)した重力(じゅうりょく)と正規(せいき)重力(じゅうりょく)との差(さ)。地下(ちか)の密度(みつど)の違(ちが)い(構造(こうぞう))を推定(すいてい)する手(て)がかりになる