
ジオイドと重力異常
カワウソ先生重力は、地球に引かれる力だけじゃなく、自転の遠心力も混じった合力だよ。
30秒でつかむ
- **重力**は、地球の引力と自転(新しいタブで開きます)による遠心力(新しいタブで開きます)の合力(新しいタブで開きます)で、緯度によって大きさが異なり、低緯度ほど小さい。
- 平均海面を陸地の下まで延長した、重力の方向に垂直な仮想の面を**ジオイド**という。
- 観測された重力の値と、地球楕円体(新しいタブで開きます)から求めた理論上の重力(正規重力)との差を**重力異常**といい、地下の構造の推定に使われる。
詳しく
重力とジオイド
地球上のあらゆる場所では、物体は地球の中心に向かう引力だけでなく、自転による遠心力も受けている。この2つの力を合わせた力を重力という。
遠心力は赤道付近ほど大きく働くため、重力は低緯度ほど小さく、高緯度ほど大きい。たとえば赤道付近の重力加速度(新しいタブで開きます)は約9.78m/s²、極付近では約9.83m/s²と、場所によって値が異なる。
平均海面を陸地の下まで延長し、どこでも重力の方向に垂直になるように描いた仮想の面をジオイドという。ジオイドは地球楕円体に対して、場所によって最大で100m程度のでこぼこがある。
重力異常と地下構造の推定
地球楕円体の緯度から計算される、理論上の重力の値を正規重力という。実際に測った重力の値と正規重力との差を重力異常という。
たとえば、地下に密度(新しいタブで開きます)の大きい岩体があると、その真上では周囲より重力が強く測定され、重力異常は正の値になる。逆に密度の小さい岩体の上では重力異常は負の値になる。
この性質を利用して、重力異常の分布を調べることで、地表からは見えない地下の構造や、密度の異なる岩体の分布を推定できる。
重力が低緯度ほど小さい理由
地球楕円体の緯度に対する重力の正規値を調べると、重力の大きさは低緯度ほど小さくなっていることがわかる。
これは、重力が引力と自転による遠心力の合力であり、遠心力が地軸から最も遠い赤道付近で最大になるために起こる。遠心力は重力の向きと反対に働くため、遠心力が大きいほど差し引かれる重力は小さい。
このように、重力の分布を資料から読み取ることで、地球が自転による遠心力を受けて回転楕円体になっていることを見いだせる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/geoid-and-gravity-anomaly/?from=print#quiz
「重力」とはどのような力か。
- ◯ 太陽と月の引力を合わせた力
- ◯ 地球の引力だけで、遠心力は含まれない
- ◯ 地球の引力と自転による遠心力の合力
- ◯ 自転による遠心力だけで、引力は含まれない
正解:地球の引力と自転による遠心力の合力
重力は、地球の引力と自転(新しいタブで開きます)による遠心力(新しいタブで開きます)の合力(新しいタブで開きます)である。「ジオイド」とはどのような面か。
- ◯ 地球楕円体の表面そのもの
- ◯ 大気と海洋の境目の面
- ◯ 平均海面を陸地の下まで延長した、重力の方向に垂直な仮想の面
- ◯ 海底の地形をそのまま表した面
正解:平均海面を陸地の下まで延長した、重力の方向に垂直な仮想の面
ジオイドは、平均海面を陸地の下まで延長し、どこでも重力の方向に垂直になるように描いた仮想の面である。赤道付近の重力加速度を9.78m/s²、極付近を9.83m/s²とすると、その差は何m/s²か。小数で答えよう。
答え:____________
正解:0.05
9.83-9.78=0.05m/s²となり、極付近の重力の方が赤道付近よりわずかに大きい。重力異常を調べることで何がわかるか。
- ◯ 地下の密度の違い(構造)
- ◯ 地球の全周の長さ
- ◯ 地磁気の偏角
- ◯ その場所の緯度
正解:地下の密度の違い(構造)
重力異常の分布を調べることで、地表からは見えない地下の構造や、密度(新しいタブで開きます)の異なる岩体の分布を推定できる。
単元のポイント
- 重力 地球の引力と自転による遠心力の合力。低緯度ほど遠心力が大きく働き重力は小さい
- ジオイド 平均海面を陸地の下まで延長した、重力の方向に垂直な仮想の面
- 正規重力 地球楕円体を基準に緯度から計算した、理論上の重力の値
- 重力異常 観測した重力と正規重力との差。地下の密度の違い(構造)を推定する手がかりになる