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ルシャトリエの原理(げんり)と平衡(へいこう)の移動(いどう)

カメレオン先生平衡(へいこう)の移動(いどう)は「変化(へんか)をやわらげる方向(ほうこう)」と覚(おぼ)えればいい。濃度(のうど)を増(ふ)やせば減(へ)らす方向(ほうこう)、圧力(あつりょく)を上(あ)げれば分子数(ぶんしすう)が減(へ)る方向(ほうこう)、温度(おんど)を上(あ)げれば吸(きゅう)熱(ねつ)方向(ほうこう)に動(うご)くよ。

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  1. 平衡状態(へいこうじょうたい)にある系(けい)に外(そと)から変化(へんか)(濃度(のうど)・圧力(あつりょく)・温度(おんど)の変化(へんか))を与(あた)えると、その変化(へんか)をやわらげる方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する(ルシャトリエの原理(げんり))。
  2. 濃度(のうど)を増(ふ)やすとその物質(ぶっしつ)を減(へ)らす方向(ほうこう)、圧力(あつりょく)を上(あ)げると気体(きたい)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)の数(かず)が少(すく)なくなる方向(ほうこう)、温度(おんど)を上(あ)げると吸(きゅう)熱(ねつ)方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する。
  3. 触媒(しょくばい)は正反応(せいはんのう)(新しいタブで開きます)・逆(ぎゃく)反応(はんのう)の両方(りょうほう)の速(はや)さを同(おな)じ比率(ひりつ)で大(おお)きくするだけで、平衡(へいこう)が移動(いどう)する方向(ほうこう)には影響(えいきょう)しない(平衡(へいこう)に達(たっ)するまでの時間(じかん)が短(みじか)くなるだけ)。

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詳しく

ルシャトリエの原理(げんり):変化(へんか)をやわらげる方向(ほうこう)へ

平衡状態(へいこうじょうたい)にある可逆(かぎゃく)反応(はんのう)の条件(じょうけん)(濃度(のうど)・圧力(あつりょく)・温度(おんど))を変化(へんか)させると、平衡(へいこう)はその変化(へんか)をやわらげる方向(ほうこう)に移動(いどう)し、新(あたら)しい平衡状態(へいこうじょうたい)になる。この規則(きそく)がルシャトリエの原理(げんり)だ。

濃度(のうど)を変(か)える場合(ばあい):ある物質(ぶっしつ)の濃度(のうど)を増(ふ)やすと、その物質(ぶっしつ)を消費(しょうひ)する方向(ほうこう)(減(へ)らす方向(ほうこう))に平衡(へいこう)が移動(いどう)する。反対(はんたい)にある物質(ぶっしつ)を取(と)り除(のぞ)くと、その物質(ぶっしつ)を補(おぎな)う方向(ほうこう)へ平衡(へいこう)は動(うご)く。

圧力(あつりょく)を変(か)える場合(ばあい):気体(きたい)が関(かか)わる反応(はんのう)で全体(ぜんたい)の圧力(あつりょく)を上(あ)げる(体積(たいせき)を小(ちい)さくする)と、気体(きたい)分子(ぶんし)の総数(そうすう)(係数(けいすう)(新しいタブで開きます)の合計(ごうけい))が少(すく)なくなる方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する。圧力(あつりょく)を下(さ)げると、気体(きたい)分子(ぶんし)の総数(そうすう)が多(おお)くなる方向(ほうこう)へ動(うご)く。両辺(りょうへん)の気体(きたい)分子(ぶんし)の総数(そうすう)が等(ひと)しい反応(はんのう)(例(れい):H₂+I₂⇄2HI)では、圧力(あつりょく)を変(か)えても平衡(へいこう)は移動(いどう)しない。

例(れい):N₂+3H₂⇄2NH₃の平衡(へいこう)を圧力(あつりょく)と温度(おんど)で動(うご)かす

アンモニアの合成(ごうせい)反応(はんのう)N₂+3H₂⇄2NH₃(正反応(せいはんのう)は発熱反応(はつねつはんのう)(新しいタブで開きます))を例(れい)に考(かんが)えよう。反応(はんのう)式(しき)の左辺(さへん)は気体(きたい)分子(ぶんし)が1+3=4個(こ)、右辺(うへん)は2個(こ)なので、気体(きたい)分子(ぶんし)の総数(そうすう)は右(みぎ)へ進(すす)むほど少(すく)なくなる。

この平衡状態(へいこうじょうたい)の混合(こんごう)気体(きたい)の圧力(あつりょく)を上(あ)げると、ルシャトリエの原理(げんり)により気体(きたい)分子(ぶんし)の総数(そうすう)が少(すく)ない右側(みぎがわ)(NH₃が増(ふ)える方向(ほうこう))に平衡(へいこう)が移動(いどう)する。反対(はんたい)に圧力(あつりょく)を下(さ)げると、左側(ひだりがわ)(N₂・H₂が増(ふ)える方向(ほうこう))へ動(うご)く。

温度(おんど)を変(か)える場合(ばあい):正反応(せいはんのう)が発熱反応(はつねつはんのう)なので、温度(おんど)を上(あ)げると熱(ねつ)を吸収(きゅうしゅう)する方向(ほうこう)(逆(ぎゃく)反応(はんのう)・NH₃が減(へ)る方向(ほうこう))に平衡(へいこう)が移動(いどう)し、温度(おんど)を下(さ)げると熱(ねつ)を放出(ほうしゅつ)する方向(ほうこう)(正反応(せいはんのう)・NH₃が増(ふ)える方向(ほうこう))に移動(いどう)する。つまりアンモニアを多(おお)く作(つく)るには、圧力(あつりょく)は高(たか)く、温度(おんど)は低(ひく)いほうが平衡(へいこう)の位置(いち)としては有利(ゆうり)だ。

圧力を上げると分子数が少ない側へ平衡が移動するAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ触媒(しょくばい)は平衡(へいこう)の位置(いち)を変(か)えないのか

触媒(しょくばい)は正反応(せいはんのう)・逆(ぎゃく)反応(はんのう)どちらの活性(かっせい)化(か)エネルギー(新しいタブで開きます)も同(おな)じように下(さ)げ、両方向(りょうほうこう)の反応(はんのう)の速(はや)さを同(おな)じ比率(ひりつ)で大(おお)きくする。平衡状態(へいこうじょうたい)では正反応(せいはんのう)と逆(ぎゃく)反応(はんのう)の速(はや)さがすでにつり合(あ)っているので、両方(りょうほう)が同(おな)じ比率(ひりつ)で速(はや)くなっても、そのつり合(あ)いの位置(いち)(平衡時(へいこうじ)の物質(ぶっしつ)量(りょう)の比(ひ))そのものは変(か)わらない。

つまり触媒(しょくばい)を使(つか)ってもK(平衡(へいこう)定数(ていすう)(新しいタブで開きます))の値(あたい)は変(か)わらず、平衡(へいこう)が移動(いどう)する方向(ほうこう)にも影響(えいきょう)しない。触媒(しょくばい)の役割(やくわり)は、平衡(へいこう)に達(たっ)するまでの時間(じかん)を短(みじか)くすることだけだ。

この性質(せいしつ)があるから、工業(こうぎょう)的(てき)にアンモニアを合成(ごうせい)するときも、平衡(へいこう)の位置(いち)(どれだけNH₃ができるか)は圧力(あつりょく)・温度(おんど)だけで決(き)まり、触媒(しょくばい)は反応(はんのう)を速(はや)く進(すす)めるためだけに使(つか)われる。この関係(かんけい)は次(つぎ)のページ「アンモニアの工業(こうぎょう)的(てき)製法(せいほう)(新しいタブで開きます)」でくわしく見(み)る。

触媒は正反応・逆反応を同じ比率で速くするだけAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

確認問題

問題 1 / 5ルシャトリエの原理(げんり)とはどのような規則(きそく)か。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/le-chateliers-principle-and-equilibrium-shift/?from=print#quiz

  1. ルシャトリエの原理(げんり)とはどのような規則(きそく)か。

    • ◯ 平衡状態(へいこうじょうたい)の系(けい)に変化(へんか)を与(あた)えると、その変化(へんか)をやわらげる方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する
    • ◯ 平衡状態(へいこうじょうたい)は決(けっ)して変化(へんか)しない
    • ◯ 触媒(しょくばい)を使(つか)うと平衡(へいこう)の位置(いち)が変(か)わる
    • ◯ 温度(おんど)を変(か)えても平衡(へいこう)は移動(いどう)しない

    正解:平衡状態の系に変化を与えると、その変化をやわらげる方向に平衡が移動する
    ルシャトリエの原理(げんり)は、平衡状態(へいこうじょうたい)の系(けい)に濃度(のうど)・圧力(あつりょく)・温度(おんど)などの変化(へんか)を与(あた)えると、その変化(へんか)をやわらげる方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)するという規則(きそく)である。

  2. 平衡状態(へいこうじょうたい)のH₂+I₂⇄2HIの混合(こんごう)気体(きたい)にH₂を追加(ついか)すると、平衡(へいこう)はどちらに移動(いどう)するか。

    • ◯ HIが増(ふ)える方向(ほうこう)(右(みぎ))
    • ◯ H₂・I₂が増(ふ)える方向(ほうこう)(左(ひだり))
    • ◯ 反応(はんのう)が完全(かんぜん)に止(と)まる
    • ◯ 移動(いどう)しない

    正解:HIが増える方向(右)
    ある物質(ぶっしつ)の濃度(のうど)を増(ふ)やすと、その変化(へんか)(濃度(のうど)の増加(ぞうか))をやわらげるようにその物質(ぶっしつ)を消費(しょうひ)する方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する。H₂を追加(ついか)すると、H₂を消費(しょうひ)する方向(ほうこう)、つまりHIが増(ふ)える方向(ほうこう)(右(みぎ))に平衡(へいこう)が移動(いどう)する。

  3. 平衡状態(へいこうじょうたい)の2SO₂+O₂⇄2SO₃の混合(こんごう)気体(きたい)の体積(たいせき)を半分(はんぶん)にして圧力(あつりょく)を上(あ)げると、平衡(へいこう)はどちらに移動(いどう)するか。

    • ◯ SO₃が増(ふ)える方向(ほうこう)(右(みぎ))
    • ◯ SO₂・O₂が増(ふ)える方向(ほうこう)(左(ひだり))
    • ◯ 反応(はんのう)が完全(かんぜん)に止(と)まる
    • ◯ 移動(いどう)しない

    正解:SO₃が増える方向(右)
    左辺(さへん)の気体(きたい)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)の総数(そうすう)は2+1=3、右辺(うへん)は2なので、圧力(あつりょく)を上(あ)げると分子数(ぶんしすう)が少(すく)ない右側(みぎがわ)(SO₃が増(ふ)える方向(ほうこう))に平衡(へいこう)が移動(いどう)する。

  4. N₂O₄⇄2NO₂(正反応(せいはんのう)は吸熱反応(きゅうねつはんのう))の平衡状態(へいこうじょうたい)の混合(こんごう)気体(きたい)の温度(おんど)を上(あ)げると、平衡(へいこう)はどちらに移動(いどう)するか。

    • ◯ 移動(いどう)しない
    • ◯ N₂O₄が増(ふ)える方向(ほうこう)(逆(ぎゃく)反応(はんのう)の方向(ほうこう))
    • ◯ 必(かなら)ず正反応(せいはんのう)が完全(かんぜん)に進(すす)む
    • ◯ NO₂が増(ふ)える方向(ほうこう)(正反応(せいはんのう)の方向(ほうこう))

    正解:NO₂が増える方向(正反応の方向)
    温度(おんど)を上(あ)げると、その変化(へんか)(温度(おんど)上昇(じょうしょう))をやわらげる吸(きゅう)熱(ねつ)方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する。この反応(はんのう)は正反応(せいはんのう)(新しいタブで開きます)が吸熱反応(きゅうねつはんのう)(新しいタブで開きます)なので、NO₂が増(ふ)える方向(ほうこう)(正反応(せいはんのう)の方向(ほうこう))に移動(いどう)する。

  5. 触媒(しょくばい)を加(くわ)えると、平衡(へいこう)の位置(いち)(Kの値(あたい))はどうなるか。

    • ◯ Kの値(あたい)が2倍(ばい)になる
    • ◯ 変(か)わらない(平衡(へいこう)に達(たっ)する時間(じかん)だけ短(みじか)くなる)
    • ◯ NH₃が増(ふ)える方向(ほうこう)に移動(いどう)する
    • ◯ NH₃が減(へ)る方向(ほうこう)に移動(いどう)する

    正解:変わらない(平衡に達する時間だけ短くなる)
    触媒(しょくばい)は正反応(せいはんのう)・逆(ぎゃく)反応(はんのう)の速(はや)さを同(おな)じ比率(ひりつ)で大(おお)きくするだけで、平衡(へいこう)の位置(いち)(Kの値(あたい))は変(か)えない。平衡(へいこう)に達(たっ)するまでの時間(じかん)が短(みじか)くなるだけである。

単元のポイント

  • ルシャトリエの原理(げんり) 平衡状態(へいこうじょうたい)の系(けい)に変化(へんか)を与(あた)えると、その変化(へんか)をやわらげる方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)するという原理(げんり)
  • 圧力(あつりょく)による平衡(へいこう)の移動(いどう) 圧力(あつりょく)を上(あ)げると、気体(きたい)分子(ぶんし)の総数(そうすう)が少(すく)なくなる方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する
  • 温度(おんど)による平衡(へいこう)の移動(いどう) 温度(おんど)を上(あ)げると吸(きゅう)熱(ねつ)方向(ほうこう)、下(さ)げると発熱(はつねつ)方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する
問題を解く
単元のポイント
  • ルシャトリエの原理(げんり) 平衡状態(へいこうじょうたい)の系(けい)に変化(へんか)を与(あた)えると、その変化(へんか)をやわらげる方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)するという原理(げんり)
  • 圧力(あつりょく)による平衡(へいこう)の移動(いどう) 圧力(あつりょく)を上(あ)げると、気体(きたい)分子(ぶんし)の総数(そうすう)が少(すく)なくなる方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する
  • 温度(おんど)による平衡(へいこう)の移動(いどう) 温度(おんど)を上(あ)げると吸(きゅう)熱(ねつ)方向(ほうこう)、下(さ)げると発熱(はつねつ)方向(ほうこう)に平衡(へいこう)が移動(いどう)する