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原子核(げんしかく)の崩壊(ほうかい)と半減(はんげん)期(き)の計算(けいさん)

カンガルー先生α崩壊(ほうかい)は質量数(しつりょうすう)が4・原子(げんし)番号(ばんごう)が2減(へ)る。β崩壊(ほうかい)は質量数(しつりょうすう)は変(か)わらず原子(げんし)番号(ばんごう)が1増(ふ)える。この2つの変化(へんか)量(りょう)だけ覚(おぼ)えれば、どんな崩壊(ほうかい)の列(れつ)も追(お)いかけられるよ。

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  1. α崩壊(ほうかい):原子核(げんしかく)がα粒子(りゅうし)(24He{}_2^4\mathrm{He}の原子核(げんしかく)、陽子(ようし)2個(こ)+中性子(ちゅうせいし)2個(こ))を放出(ほうしゅつ)する崩壊(ほうかい)。質量数(しつりょうすう)は4、原子(げんし)番号(ばんごう)は2減(へ)る。
  2. β崩壊(ほうかい)(β⁻崩壊(ほうかい)):原子核内(げんしかくない)の中性子(ちゅうせいし)1個(こ)が陽子(ようし)1個(こ)と電子(でんし)(β粒子(りゅうし))・反(はん)電子(でんし)ニュートリノに変(か)わる崩壊(ほうかい)。質量数(しつりょうすう)は変(か)わらず、原子(げんし)番号(ばんごう)が1増(ふ)える。γ崩壊(ほうかい)(γ線(ガンマせん)(新しいタブで開きます)の放出(ほうしゅつ))では質量数(しつりょうすう)・原子(げんし)番号(ばんごう)はどちらも変(か)わらない。
  3. 半減(はんげん)期(き)Tを使(つか)うと、時間(じかん)t後(ご)に崩壊(ほうかい)せず残(のこ)っている原子核(げんしかく)の数(かず)はN=N0(12)t/TN=N_0\left(\dfrac{1}{2}\right)^{t/T}で求(もと)められる。

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詳しく

α崩壊(ほうかい)・β崩壊(ほうかい)の核(かく)反応(はんのう)式(しき)

α崩壊(ほうかい)はα粒子(りゅうし)(24He{}_2^4\mathrm{He}の原子核(げんしかく))を放出(ほうしゅつ)する崩壊(ほうかい)で、質量数(しつりょうすう)が4、原子(げんし)番号(ばんごう)が2減(へ)る。ウラン238の崩壊(ほうかい)は92238U→90234Th+24He{}_{92}^{238}\mathrm{U}\to{}_{90}^{234}\mathrm{Th}+{}_2^4\mathrm{He}という式(しき)だ(238−4=234、92−2=90で計算(けいさん)が合(あ)う)。

β崩壊(ほうかい)(β⁻崩壊(ほうかい))は原子核内(げんしかくない)の中性子(ちゅうせいし)1個(こ)が陽子(ようし)1個(こ)・電子(でんし)・反(はん)電子(でんし)ニュートリノに変(か)わる崩壊(ほうかい)で、質量数(しつりょうすう)は変(か)わらず原子(げんし)番号(ばんごう)が1増(ふ)える。炭素(たんそ)14の崩壊(ほうかい)は614C→714N+e−+νˉe{}_6^{14}\mathrm{C}\to{}_7^{14}\mathrm{N}+e^-+\bar{\nu}_eと表(あらわ)せる。γ線(ガンマせん)だけの放出(ほうしゅつ)(γ崩壊(ほうかい))では質量数(しつりょうすう)・原子(げんし)番号(ばんごう)はどちらも変(か)わらない。

α崩壊とβ崩壊で質量数・原子番号がどう変わるかAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例題(れいだい):崩壊(ほうかい)の回数(かいすう)・半減(はんげん)期(き)の計算(けいさん)

例題(れいだい)1(崩壊(ほうかい)の回数(かいすう)):ウラン238(Z=92,A=238Z=92,A=238)はα崩壊(ほうかい)とβ崩壊(ほうかい)を繰(く)り返(かえ)して、最終(さいしゅう)的(てき)に鉛(なまり)206(Z=82,A=206Z=82,A=206)になる。α崩壊(ほうかい)とβ崩壊(ほうかい)はそれぞれ何回(なんかい)起(お)きたか。質量数(しつりょうすう)の減(へ)り方(かた)はα崩壊(ほうかい)でしか起(お)きないので、α崩壊(ほうかい)の回数(かいすう)は(238−206)÷4=8(238-206)\div4=8回(かい)。α崩壊(ほうかい)だけなら原子(げんし)番号(ばんごう)は92−2×8=7692-2\times8=76まで減(へ)るはずだが、実際(じっさい)は82なので、その差(さ)82−76=682-76=6は、β崩壊(ほうかい)で原子(げんし)番号(ばんごう)が増(ふ)えた回数(かいすう)と一致(いっち)する。よって答(こた)えはα崩壊(ほうかい)8回(かい)・β崩壊(ほうかい)6回(かい)である。

例題(れいだい)2(半減(はんげん)期(き)の式(しき)):半減(はんげん)期(き)14.3日(ひ)のリン32が57.2gある。57.2日後(にちご)に残(のこ)っているリン32は何(なん)gか。57.2÷14.3=457.2\div14.3=4半減(はんげん)期分(きぶん)なので、N=57.2×(1/2)4=57.2÷16=3.575N=57.2\times(1/2)^4=57.2\div16=3.575g。残(のこ)っているのは約(やく)3.58g。

例題(れいだい)3:半減(はんげん)期(き)8.0日(ひ)のヨウ素(そ)131がはじめの量(りょう)の1/32になるのは何日(なんにち)後(ご)か。(1/2)n=1/32(1/2)^n=1/32よりn=5n=5半減(はんげん)期(き)なので、8.0×5=408.0\times5=40日後(にちご)。

なぜ質量数(しつりょうすう)と原子(げんし)番号(ばんごう)の変化(へんか)だけで崩壊(ほうかい)の種類(しゅるい)がわかるのか

α崩壊(ほうかい)はつねに陽子(ようし)2個(こ)・中性子(ちゅうせいし)2個(こ)のまとまり(α粒子(りゅうし))を放出(ほうしゅつ)するので、質量数(しつりょうすう)は必(かなら)ず4、原子(げんし)番号(ばんごう)は必(かなら)ず2減(へ)る。β崩壊(ほうかい)は原子核(げんしかく)の中(なか)の中性子(ちゅうせいし)が陽子(ようし)に変(か)わるだけで核子(かくし)の総数(そうすう)(質量数(しつりょうすう))は変化(へんか)せず、陽子(ようし)の数(かず)(原子(げんし)番号(ばんごう))だけ1増(ふ)える。

この2つの変化(へんか)量(りょう)が決(き)まっているので、崩壊(ほうかい)前後(ぜんご)の質量数(しつりょうすう)と原子(げんし)番号(ばんごう)の差(さ)を見(み)れば、途中(とちゅう)で何回(なんかい)のα崩壊(ほうかい)・β崩壊(ほうかい)があったかを逆算(ぎゃくさん)できる。ウラン238から鉛(なまり)206までの崩壊(ほうかい)系列(けいれつ)のように、何段階(なんだんかい)もの崩壊(ほうかい)を経(へ)て安定(あんてい)な原子核(げんしかく)に落(お)ち着(つ)くことが多(おお)い。

N=N0(1/2)t/TN=N_0(1/2)^{t/T}の指数(しすう)が時間(じかん)tそのものではなくt/T(半減(はんげん)期(き)Tを単位(たんい)にした経過(けいか)時間(じかん))になっているのは、半減(はんげん)期(き)ごとに量(りょう)が半分(はんぶん)になるという性質(せいしつ)を使(つか)っているからである。tがTの整数(せいすう)倍(ばい)(1半減(はんげん)期(き)・2半減(はんげん)期(き)…)のときはそのまま(1/2)の整数(せいすう)乗(じょう)になるが、整数(せいすう)倍(ばい)でない経過(けいか)時間(じかん)でも同(おな)じ式(しき)がそのまま使(つか)え、半減(はんげん)期(き)の異(こと)なる原子核(げんしかく)どうしも同(おな)じ形(かたち)の式(しき)で量(りょう)を求(もと)められる。半減(はんげん)期(き)そのものの統計(とうけい)的(てき)な意味(いみ)は物理(ぶつり)基礎(きそ)「放射性(ほうしゃせい)崩壊(ほうかい)と半減(はんげん)期(き)」のページで扱(あつか)っている。

確認問題

問題 1 / 4トリウム232(90232Th{}_{90}^{232}\mathrm{Th})がα崩壊(ほうかい)とβ崩壊(ほうかい)を繰(く)り返(かえ)して鉛(なまり)208(82208Pb{}_{82}^{208}\mathrm{Pb})になるまでに、α崩壊(ほうかい)は何回(なんかい)起(お)きたか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/nuclear-decay-and-half-life-calculations/?from=print#quiz

  1. トリウム232(90232Th{}_{90}^{232}\mathrm{Th})がα崩壊(ほうかい)とβ崩壊(ほうかい)を繰(く)り返(かえ)して鉛(なまり)208(82208Pb{}_{82}^{208}\mathrm{Pb})になるまでに、α崩壊(ほうかい)は何回(なんかい)起(お)きたか。

    答え:____________

    正解:6
    質量数(しつりょうすう)(新しいタブで開きます)は232から208まで24減(へ)る。β崩壊(ほうかい)は質量数(しつりょうすう)を変(か)えないので、質量数(しつりょうすう)を減(へ)らすのはα崩壊(ほうかい)だけ。1回(かい)のα崩壊(ほうかい)で質量数(しつりょうすう)は4減(へ)るので、α崩壊(ほうかい)の回数(かいすう)は24÷4=6回(かい)。

  2. 半減(はんげん)期(き)5.3年(ねん)のコバルト60が80gある。26.5年後(ねんご)に残(のこ)っているコバルト60は何(なん)gか。小数(しょうすう)第1位(だいいちい)まで答(こた)えよ。

    答え:____________

    正解:2.5
    26.5年(ねん)は26.5÷5.3=5半減(はんげん)期(き)(新しいタブで開きます)分(ぶん)。残(のこ)っている量(りょう)はN=80×(1/2)^5=80÷32=2.5g。

  3. 半減(はんげん)期(き)30年(ねん)のセシウム137の量(りょう)が、はじめの量(りょう)の1/64になるのは何年(なんねん)後(ご)か。

    答え:____________

    正解:180
    (1/2)^n=1/64となるnは6(2^6=64)。半減(はんげん)期(き)6回分(かいぶん)なので、30×6=180年後(ねんご)。

  4. リン32(1532P{}_{15}^{32}\mathrm{P})がβ崩壊(ほうかい)すると生(しょう)じる原子核(げんしかく)はどれか。

    • ◯ 1732Cl{}_{17}^{32}\mathrm{Cl}(質量数(しつりょうすう)32・原子(げんし)番号(ばんごう)17)
    • ◯ 1328Al{}_{13}^{28}\mathrm{Al}(質量数(しつりょうすう)28・原子(げんし)番号(ばんごう)13)
    • ◯ 1428Si{}_{14}^{28}\mathrm{Si}(質量数(しつりょうすう)28・原子(げんし)番号(ばんごう)14)
    • ◯ 1632S{}_{16}^{32}\mathrm{S}(質量数(しつりょうすう)32・原子(げんし)番号(ばんごう)16)

    正解:\({}_{16}^{32}\mathrm{S}\)(質量数32・原子番号16)
    β崩壊(ほうかい)は質量数(しつりょうすう)は変(か)わらず原子(げんし)番号(ばんごう)が1増(ふ)える崩壊(ほうかい)。リン32(Z=15,A=32)がβ崩壊(ほうかい)すると、質量数(しつりょうすう)32のまま原子(げんし)番号(ばんごう)が16の硫黄(いおう)32になる。

単元のポイント

  • α崩壊(ほうかい) 質量数(しつりょうすう)−4・原子(げんし)番号(ばんごう)−2(\({}_2^4\mathrm{He}\)を放出(ほうしゅつ))
  • β崩壊(ほうかい) 質量数(しつりょうすう)は変(か)わらず・原子(げんし)番号(ばんごう)+1(中性子(ちゅうせいし)→陽子(ようし)+電子(でんし))
  • 半減(はんげん)期(き)の式(しき) \(N=N_0\left(\dfrac{1}{2}\right)^{t/T}\)
問題を解く
単元のポイント
  • α崩壊(ほうかい) 質量数(しつりょうすう)−4・原子(げんし)番号(ばんごう)−2(\({}_2^4\mathrm{He}\)を放出(ほうしゅつ))
  • β崩壊(ほうかい) 質量数(しつりょうすう)は変(か)わらず・原子(げんし)番号(ばんごう)+1(中性子(ちゅうせいし)→陽子(ようし)+電子(でんし))
  • 半減(はんげん)期(き)の式(しき) \(N=N_0\left(\dfrac{1}{2}\right)^{t/T}\)