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原子核(げんしかく)の構成(こうせい)と核力(かくりょく)

カンガルー先生核力(かくりょく)は核子(かくし)どうしをすぐ近(ちか)くでだけ強(つよ)く引(ひ)き合(あ)わせる力(ちから)。遠(とお)くの陽子(ようし)どうしは電気(でんき)的(てき)に反発(はんぱつ)するだけだから、大(おお)きな原子核(げんしかく)ほど壊(こわ)れやすくなるよ。

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  1. 原子核(げんしかく)は陽子(ようし)(電荷(でんか)+e)と中性子(ちゅうせいし)(電荷(でんか)0)からできていて、まとめて核子(かくし)という。陽子(ようし)の数(かず)が原子(げんし)番号(ばんごう)Z、陽子(ようし)と中性子(ちゅうせいし)の数(かず)の合計(ごうけい)が質量数(しつりょうすう)A。原子核(げんしかく)はZAX{}_Z^AXの形(かたち)で表(あらわ)す。
  2. 核子(かくし)どうしには、核子(かくし)間(あいだ)のごく短(みじか)い距離(きょり)(10⁻¹⁵m程度(ていど))でだけ強(つよ)く働(はたら)く引力(いんりょく)の核力(かくりょく)がある。核力(かくりょく)は陽子(ようし)・中性子(ちゅうせいし)の種類(しゅるい)に関係(かんけい)なく働(はたら)き、クーロン力(りょく)(新しいタブで開きます)より強(つよ)いので、陽子(ようし)どうしの反発(はんぱつ)を抑(おさ)えて原子核(げんしかく)をまとめている。
  3. 核力(かくりょく)は届(とど)く距離(きょり)が短(みじか)いので、原子核(げんしかく)が大(おお)きくなると表面(ひょうめん)に近(ちか)い核子(かくし)ほど核力(かくりょく)で引(ひ)き合(あ)う相手(あいて)が増(ふ)えず、陽子(ようし)どうしのクーロン力(りょく)による反発(はんぱつ)は原子核(げんしかく)全体(ぜんたい)に及(およ)ぶ。これが大(おお)きな原子核(げんしかく)ほど不安定(ふあんてい)になりやすい理由(りゆう)。

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詳しく

原子核(げんしかく)の構成(こうせい)

原子核(げんしかく)は陽子(ようし)と中性子(ちゅうせいし)からできていて、この2種類(しゅるい)をまとめて核子(かくし)という。陽子(ようし)の数(かず)を原子(げんし)番号(ばんごう)Z、陽子(ようし)と中性子(ちゅうせいし)の数(かず)を合(あ)わせた数(かず)を質量数(しつりょうすう)Aといい、原子核(げんしかく)は元素(げんそ)記号(きごう)(新しいタブで開きます)Xを使(つか)ってZAX{}_Z^AXと表(あらわ)す。中性子(ちゅうせいし)の数(かず)はA−Zになる。

例(たと)えば鉄(てつ)の原子核(げんしかく)2656Fe{}_{26}^{56}\mathrm{Fe}は、陽子数(ようしすう)26、質量数(しつりょうすう)56なので中性子数(ちゅうせいしすう)は56−26=30個(こ)。同(おな)じ元素(げんそ)でも中性子数(ちゅうせいしすう)が違(ちが)う原子核(げんしかく)どうしを同位体(どういたい)というが、原子(げんし)番号(ばんごう)・質量数(しつりょうすう)・同位体(どういたい)の意味(いみ)そのものは「原子(げんし)の構造(こうぞう)と同位体(どういたい)」のページで扱(あつか)っている。

核子(かくし)1個(こ)の質量(しつりょう)はおよそ1u(統一(とういつ)原子(げんし)質量(しつりょう)単位(たんい)、1u≒1.6605×10⁻²⁷kg。炭素(たんそ)12の原子(げんし)1個(こ)の質量(しつりょう)の1/12)で近似(きんじ)できる。このuを使(つか)うと、原子核(げんしかく)の質量(しつりょう)をkgに直(なお)さずそのまま比(くら)べられる。

例題(れいだい):核力(かくりょく)とクーロン力(りょく)の届(とど)く距離(きょり)

例題(れいだい):原子核(げんしかく)の中(なか)で核力(かくりょく)が働(はたら)く距離(きょり)は約(やく)1×10⁻¹⁵m(核子(かくし)1個分(こぶん)の大(おお)きさ程度(ていど))で、クーロン力(りょく)は距離(きょり)が離(はな)れても1/r²で弱(よわ)まるだけで働(はたら)き続(つづ)ける。半径(はんけい)が核力(かくりょく)の届(とど)く距離(きょり)の何倍(なんばい)もある大(おお)きな原子核(げんしかく)では、核力(かくりょく)は隣(とな)り合(あ)う核子(かくし)どうしにしか働(はたら)かないが、クーロン力(りょく)はすべての陽子(ようし)の組(く)み合(あ)わせに働(はたら)く。

そのため陽子数(ようしすう)が多(おお)い大(おお)きな原子核(げんしかく)ほど、陽子(ようし)どうしの反発(はんぱつ)(クーロン力(りょく))の効果(こうか)が核力(かくりょく)の引力(いんりょく)に対(たい)して相対(そうたい)的(てき)に大(おお)きくなり、安定(あんてい)な同位体(どういたい)を保(たも)ちにくくなる。これが鉛(なまり)(Z=82)より重(おも)い元素(げんそ)に安定(あんてい)な同位体(どういたい)がほとんどなく、放射性(ほうしゃせい)崩壊(ほうかい)(新しいタブで開きます)を起(お)こす原子核(げんしかく)が増(ふ)える理由(りゆう)の一(ひと)つになっている。

核力(隣接する核子だけ)とクーロン力(すべての陽子の組)の届く範囲の違いAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ核力(かくりょく)が必要(ひつよう)なのか

陽子(ようし)はすべて正(せい)の電荷(でんか)を持(も)つので、クーロン力(りょく)だけなら原子核(げんしかく)の中(なか)の陽子(ようし)どうしは強(つよ)く反発(はんぱつ)し合(あ)い、原子核(げんしかく)はまとまっていられない。原子核(げんしかく)が壊(こわ)れずに存在(そんざい)できるのは、核力(かくりょく)というクーロン力(りょく)より強(つよ)い引力(いんりょく)が核子(かくし)どうしに働(はたら)いているからである。

核力(かくりょく)は中性子(ちゅうせいし)にも働(はたら)くので、中性子(ちゅうせいし)は陽子(ようし)どうしの反発(はんぱつ)を電気(でんき)的(てき)には増(ふ)やさずに核力(かくりょく)による引力(いんりょく)だけを増(ふ)やす役割(やくわり)をもつ。これが、陽子数(ようしすう)の多(おお)い重(おも)い原子核(げんしかく)ほど中性子(ちゅうせいし)の比率(ひりつ)が大(おお)きい同位体(どういたい)のほうが安定(あんてい)になりやすい理由(りゆう)にもつながっている。

確認問題

問題 1 / 3コバルト60の原子核(げんしかく) 2760Co{}_{27}^{60}\mathrm{Co} の中性子(ちゅうせいし)の数(かず)はいくつか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/nuclear-structure-and-nuclear-force/?from=print#quiz

  1. コバルト60の原子核(げんしかく) 2760Co{}_{27}^{60}\mathrm{Co} の中性子(ちゅうせいし)の数(かず)はいくつか。

    答え:____________

    正解:33
    質量数(しつりょうすう)(新しいタブで開きます)A=60、原子(げんし)番号(ばんごう)(陽子数(ようしすう))Z=27なので、中性子数(ちゅうせいしすう)はA−Z=60−27=33個(こ)。

  2. 核力(かくりょく)とクーロン力(りょく)の違(ちが)いについて正(ただ)しい説明(せつめい)はどれか。

    • ◯ 核力(かくりょく)は核子(かくし)間(あいだ)の短(みじか)い距離(きょり)でだけ強(つよ)く働(はたら)き、クーロン力(りょく)は距離(きょり)が離(はな)れても弱(よわ)まりながら働(はたら)き続(つづ)ける
    • ◯ 核力(かくりょく)は中性子(ちゅうせいし)どうしの反発力(はんぱつりょく)で、クーロン力(りょく)は陽子(ようし)どうしの引力(いんりょく)である
    • ◯ 核力(かくりょく)とクーロン力(りょく)はどちらも距離(きょり)に関係(かんけい)なく同(おな)じ大(おお)きさで働(はたら)く
    • ◯ 核力(かくりょく)は陽子(ようし)どうしにしか働(はたら)かず、クーロン力(りょく)は核子(かくし)すべてに働(はたら)く

    正解:核力は核子間の短い距離でだけ強く働き、クーロン力は距離が離れても弱まりながら働き続ける
    核力(かくりょく)は核子(かくし)間(あいだ)のごく短(みじか)い距離(きょり)でだけ強(つよ)く働(はたら)く引力(いんりょく)で、電荷(でんか)(新しいタブで開きます)の種類(しゅるい)に関係(かんけい)なく陽子(ようし)・中性子(ちゅうせいし)の間(あいだ)に働(はたら)く。クーロン力(りょく)(新しいタブで開きます)は陽子(ようし)どうしの反発力(はんぱつりょく)で、距離(きょり)が離(はな)れても1/r²で弱(よわ)まりながら届(とど)き続(つづ)ける。

  3. 陽子数(ようしすう)の多(おお)い重(おも)い原子核(げんしかく)ほど放射性(ほうしゃせい)崩壊(ほうかい)を起(お)こしやすくなるのはなぜか。

    • ◯ 中性子(ちゅうせいし)の数(かず)が増(ふ)えると核力(かくりょく)が消(き)えてしまうから
    • ◯ 核力(かくりょく)が重(おも)い原子核(げんしかく)では弱(よわ)くなるから
    • ◯ 核力(かくりょく)は隣接(りんせつ)する核子(かくし)だけに働(はたら)くのに対(たい)し、クーロン力(りょく)による陽子(ようし)どうしの反発(はんぱつ)はすべての陽子(ようし)の組(くみ)に働(はたら)くため、反発(はんぱつ)の効果(こうか)が相対(そうたい)的(てき)に大(おお)きくなるから
    • ◯ 重(おも)い原子核(げんしかく)では陽子(ようし)の電荷(でんか)が大(おお)きくなるから

    正解:核力は隣接する核子だけに働くのに対し、クーロン力による陽子どうしの反発はすべての陽子の組に働くため、反発の効果が相対的に大きくなるから
    核力(かくりょく)は届(とど)く距離(きょり)が短(みじか)いので隣接(りんせつ)する核子(かくし)どうしにしか働(はたら)かないが、クーロン力(りょく)はすべての陽子(ようし)の組(く)み合(あ)わせに働(はたら)く。原子核(げんしかく)が大(おお)きくなるほどクーロン力(りょく)による反発(はんぱつ)の総和(そうわ)が核力(かくりょく)による引力(いんりょく)に対(たい)して相対(そうたい)的(てき)に大(おお)きくなり、不安定(ふあんてい)になりやすい。

単元のポイント

  • 核子(かくし) 陽子(ようし)と中性子(ちゅうせいし)をまとめた呼(よ)び方(かた)
  • 核力(かくりょく) 核子(かくし)どうしの短距離(たんきょり)(約(やく)10⁻¹⁵m)で働(はたら)く引力(いんりょく)。電荷(でんか)の種類(しゅるい)に関係(かんけい)なく働(はたら)く
  • 原子核(げんしかく)の表(あらわ)し方(かた) \({}_Z^AX\)(Z=原子(げんし)番号(ばんごう)=陽子数(ようしすう)、A=質量数(しつりょうすう)=陽子数(ようしすう)+中性子数(ちゅうせいしすう))
問題を解く
単元のポイント
  • 核子(かくし) 陽子(ようし)と中性子(ちゅうせいし)をまとめた呼(よ)び方(かた)
  • 核力(かくりょく) 核子(かくし)どうしの短距離(たんきょり)(約(やく)10⁻¹⁵m)で働(はたら)く引力(いんりょく)。電荷(でんか)の種類(しゅるい)に関係(かんけい)なく働(はたら)く
  • 原子核(げんしかく)の表(あらわ)し方(かた) \({}_Z^AX\)(Z=原子(げんし)番号(ばんごう)=陽子数(ようしすう)、A=質量数(しつりょうすう)=陽子数(ようしすう)+中性子数(ちゅうせいしすう))