
ばね振り子と単振り子の周期
カンガルー先生単振り子では、重いおもりほど強く引きもどされるけれど、そのぶん動かしにくい。だから周期は質量で変わらないんだ。
30秒でつかむ
- ばね定数kのばねにつけた質量mのおもりは、弾性力F=−kxを復元力(新しいタブで開きます)として単振動する。周期(新しいタブで開きます)はT=2π√(m/k)で、振幅によらない。
- 長さLの糸につるしたおもりを小さく振らせる単振り子は、周期T=2π√(L/g)の単振動とみなせる。周期はおもりの質量や振幅によらない。
- 鉛直につるしたばね振り子も、つり合いの位置を中心に、水平の場合と同じ周期2π√(m/k)で振動する。重力は振動の中心をずらすだけだ。
詳しく
2つの振り子の周期
なめらかな水平面の上で、ばね定数のばねに質量のおもりをつけ、自然の長さからだけずらして放す。おもりに働く弾性力が復元力になり、おもりは単振動をする。これをばね振り子といい、周期はとなる。
長さの糸に質量のおもりをつけ、小さく振らせたものを単振り子という。振れの角が小さいとき、おもりはほぼ水平に単振動し、周期はと表せる。周期は糸の長さと重力加速度(新しいタブで開きます)だけで決まり、おもりの質量にはよらない。
振れが小さい範囲では、振り子の周期は振幅にもよらない。この性質を振り子の等時性といい、ガリレイが気づいたとされる。振り子時計は、この性質を使って一定の間隔で時を刻んでいる。
例題:周期を求める
例題1:ばね定数50N/mのばねに質量0.50kgのおもりをつけたばね振り子の周期は、0.63sになる。
例題2:長さ0.98mの単振り子の周期は、2.0sとなる。
例題3:例題2の糸を4倍の3.92mにすると、周期は倍の約4.0sになる。おもりを2倍の質量にかえても、周期は2.0sのまま変わらない。
なぜ単振り子は単振動とみなせるのか
糸が鉛直から角だけ傾いたとき、重力の円弧に沿った成分が、おもりを最下点へ引きもどす。角が小さいときは、最下点からの水平のずれをとしてとみなせるので、復元力はと書ける。
これは比例定数の復元力なので、周期はで、は分母と分子(新しいタブで開きます)で消える。重いおもりほど大きな復元力を受けるが、そのぶん動かしにくいので、2つの効果が打ち消し合う。
鉛直につるしたばね振り子では、つり合いの位置でばねがだけ伸びている。そこから下へずれたときの合力(新しいタブで開きます)はで、水平の場合と同じ復元力になるため、周期ものまま変わらない。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/spring-and-simple-pendulum-periods/?from=print#quiz
ばね定数80N/mのばねに質量0.20kgのおもりをつけたばね振り子の周期は何秒か。円周率を3.14とする。
答え:____________
正解:0.314
T=2π√(m/k)=2×3.14×√(0.20÷80)=2×3.14×0.050=0.314s。ばね振り子の周期を3倍にするには、ばねを変えずに、おもりの質量を何倍にすればよいか。
答え:____________
正解:9
T=2π√(m/k)より、周期(新しいタブで開きます)は質量の平方根に比例する。周期を3倍にするには、質量を3²=9倍にする。周期が2.0sの単振り子の糸の長さは何mか。重力加速度を9.8m/s²とし、π²は9.8とみなす。
答え:____________
正解:1
T=2π√(L/g)を変形するとL=gT²/(4π²)。L=9.8×2.0²÷(4×9.8)=1.0m。単振り子のおもりを、同じ大きさで質量が2倍のものにかえると、周期はどうなるか。振れは小さいものとする。
- ◯ √2倍になる
- ◯ 2倍になる
- ◯ 変わらない
- ◯ 半分になる
正解:変わらない
単振り子の周期T=2π√(L/g)には質量が入っていない。重いほど復元力(新しいタブで開きます)も大きくなるが、動かしにくさも同じ割合で増えるので、周期は変わらない。
単元のポイント
- ばね振り子の周期 T=2π√(m/k)
- 単振り子の周期 T=2π√(L/g)(振れが小さいとき)
- 振り子の等時性 振れが小さければ周期は振幅によらない
- 単振り子の復元力 F=−(mg/L)x