確率の基本性質
ゾウ先生余事象は「1から引く」の合言葉。面倒な数え上げを一気に簡単にしてくれるよ。
30秒でつかむ
- 起こりうる結果の全体を全事象、1つも結果を含まない集まりを空事象、これ以上分けられない結果を根元事象という。
- 同時には起こらない2つの事象を排反事象という。AとBが排反ならP(A∪B)=P(A)+P(B)が成り立つ。
- 事象Aが起こらない事象をAの余事象という。P(Aの余事象)=1−P(A)で求められ、全体から引く形で計算できる。
詳しく
公式
確率(新しいタブで開きます)を考えるときの土台を整理しよう。同じ条件でくり返せる実験や観察を試行といい、試行の結果として起こることがらを事象という。それ以上分けられない、起こりうる結果の1つ1つを根元事象という。
起こりうる結果全体の集まりを全事象といい、で表すことが多い。1つも結果を含まない集まりを空事象といい、で表す。確率にはという性質がある。さらに、も成り立つ。
事象と事象が同時には起こらないとき、2つを排反事象という。排反なとについては、和事象の確率を考えよう。これはという加法定理で求まる。
事象が起こらないという事象をの余事象という。とその余事象は排反で、合わせると全事象になる。だからが成り立つ。
例題
例題:さいころを1回投げる。事象を「4以下の目が出る」、事象を「奇数の目が出る」とする。との和事象の確率を求めよう。
なので。なので。とはどちらにも1と3が入っているので排反ではない。
共通部分はで。一般には、とが重なってもよい和事象の確率を考えよう。これはという公式で求められる。数値を当てはめよう。になる。計算するとになる。
なぜそうなるか
確率の求め方には、とが同時に起こらないかどうかで使い分けが要る。排反なら足すだけでよいが、共通部分があると、その部分を重複して数えてしまう。
との両方に入る根元事象は、の中で2回数えられている。だから1回分を引いてを差し引くと、正しい和事象の確率になる。
確率の求め方にも2通りある。根元事象が同様に確からしいときの比で求めるのが論理的な確率だ。試行を多数回くり返したときの相対度数(新しいタブで開きます)が近づく値で考えるのが頻度確率だ。さいころの目の出方は論理的な確率で、画びょうが上向きに落ちる確率のように理由から求めにくいものは頻度確率で考える。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/math/probability-basic-properties/?from=print#quiz
サイコロを1回投げるとき、次の2つの事象のうち、互いに排反であるものはどれか。
- ◯ 「2以下の目が出る」と「3以上の目が出る」
- ◯ 「偶数の目が出る」と「4以下の目が出る」
- ◯ 「3の倍数が出る」と「奇数の目が出る」
- ◯ 「5以上の目が出る」と「偶数の目が出る」
正解:「2以下の目が出る」と「3以上の目が出る」
2以下の目{1,2}と3以上の目{3,4,5,6}は共通の目がなく、同時には起こらない。これが排反事象。他の組は共通の目を含むため排反ではない。箱に赤玉3個、白玉2個の合計5個が入っている。1個取り出すとき、白玉が出ない確率を求めよ。
答え:____________
正解:3/5
白玉が出る確率(新しいタブで開きます)はP(白)=2/5。余事象の確率はP(白が出ない)=1−2/5=3/5。さいころを1回投げる。「3の倍数(新しいタブで開きます)が出る」事象をA、「偶数の目が出る」事象をBとするとき、AとBの和事象の確率を求めよ。
答え:____________
正解:2/3
P(A)=2/6、P(B)=3/6、P(A∩B)=1/6。P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)=4/6=2/3。次のうち、頻度確率の考え方で確率を求めている例はどれか。
- ◯ 当たりくじ2本、はずれくじ3本から1本引くとき、当たる確率を2/5と求める
- ◯ トランプ52枚から1枚引くとき、ハートが出る確率を13/52と求める
- ◯ 同様に確からしい6通りの目から、1の目が出る確率を1/6と求める
- ◯ 画びょうを1000回投げて、針が上を向いて落ちた回数の割合から確率を見積もる
正解:画びょうを1000回投げて、針が上を向いて落ちた回数の割合から確率を見積もる
多数回の試行をくり返して得られる相対度数(新しいタブで開きます)から確率を見積もるのが頻度確率。他の3つは根元事象が同様に確からしいとして割合で求める論理的な確率。
単元のポイント
- 全事象 試行で起こりうる結果全体の集まり。確率はP(全事象)=1
- 空事象 1つも結果を含まない集まり。確率はP(空事象)=0
- 根元事象 それ以上分けられない、起こりうる結果1つ1つ
- 排反事象 AとBが同時には起こらない関係。P(A∪B)=P(A)+P(B)
- 余事象 事象Aが起こらないという事象。P(Aの余事象)=1−P(A)