確率変数の期待値・分散・標準偏差
ゾウ先生分散は2つの式で求められる。両方試して、同じ値になるのを確かめてみよう。
30秒でつかむ
- 期待値(新しいタブで開きます)E(X)は、xkの値と確率(新しいタブで開きます)pkの積を全部足した値で、平均的に期待できる値を表す。
- 分散(新しいタブで開きます)V(X)は、期待値からの偏差の2乗の期待値。E(X²)−{E(X)}²という式でも求められる。
- 3枚の硬貨の例題で、表の枚数Xの期待値と分散を2つの式それぞれで求め、同じ値になることを確かめる。
詳しく
公式
確率変数(新しいタブで開きます)Xの期待値E(X)は、xkの値と確率pkの積を全部足した値だ。
式で書くとになる。平均的に期待できる値を表す。
分散V(X)は、期待値mからの偏差(xk−m)を2乗し、それぞれ確率をかけて足した値だ。
式はで、別の式でも求まる。
分散の平方根(新しいタブで開きます)が標準偏差σ(X)。で、元の値と同じ単位になる。
例題
例題:3枚の硬貨を投げ、表の出る枚数をXとする。確率分布はX=0,1,2,3でP=1/8,3/8,3/8,1/8だ。
期待値はE(X)=0×1/8+1×3/8+2×3/8+3×1/8で、計算すると3/2になる。
分散は偏差の2乗の式で求める。から4つの項を足すと3/4になる。
別の式でも確かめよう。E(X²)は0²×1/8+1²×3/8+2²×3/8+3²×1/8=3。V(X)=3−(3/2)²=3/4で一致する。
なぜそうなるか
分散で偏差を2乗する理由は、偏差の正負を打ち消さないためだ。そのまま足すと合計は必ず0になる。
2乗すれば正負は消え、散らばりの大きさだけが残る。これは度数分布の分散と同じ考え方だ。
2つの式が等しいことはを展開すると分かる。になる。
これを確率pkで重みづけて足すと。E(X)=mなので、E(X²)−m²に整理できる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/math/random-variable-expectation-and-variance/?from=print#quiz
3枚の硬貨の例で、期待値E(X)を求めよ。
答え:____________
正解:3/2
E(X)=0×1/8+1×3/8+2×3/8+3×1/8=12/8=3/2。3枚の硬貨の例で、分散V(X)を偏差の2乗の式で求めよ。
答え:____________
正解:3/4
それぞれの偏差(新しいタブで開きます)を2乗して確率(新しいタブで開きます)をかけて足すと、9/32+3/32+3/32+9/32=24/32=3/4。3枚の硬貨の例で、E(X²)を求めよ。
答え:____________
正解:3
E(X²)=0²×1/8+1²×3/8+2²×3/8+3²×1/8=0+3/8+12/8+9/8=3。分散を求める2つの式、Σ(xk−m)²pkとE(X²)−{E(X)}²の関係はどれか。
- ◯ E(X²)の式の方が必ず大きい
- ◯ 常に同じ値になる
- ◯ 標本が大きいときだけ同じ
- ◯ 独立なときだけ同じ値になる
正解:常に同じ値になる
(xk−m)²を展開して整理すると、2つの式は代数的に常に等しいことが分かる。独立性や標本の大きさとは関係ない。
単元のポイント
- 期待値E(X) 確率変数の値と確率の積を全部足した値
- 分散V(X) 偏差の2乗の期待値。E(X²)−{E(X)}²でも求まる
- 標準偏差σ(X) 分散の平方根。散らばりを元の単位で表す