
弾性衝突と非弾性衝突
カンガルー先生運動量の和はいつも保存。でも運動エネルギーの和が保存するのは e=1 の弾性衝突だけだよ。
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- 衝突の前後で運動量(新しいタブで開きます)の和は保存するが、運動エネルギー(新しいタブで開きます)の和が保存するのは反発係数(新しいタブで開きます)e=1の弾性衝突だけである。
- e<1の非弾性衝突では運動エネルギーの和が減り、2物体が一体となるe=0の完全非弾性衝突で減り方が最も大きい。
- 失われた運動エネルギーは、物体の変形や熱・音のエネルギーに変わる。減る量は1−e²に比例する。
詳しく
衝突と運動エネルギーの変化
衝突の前後で運動量の和は保存するが、運動エネルギーの和まで保存するとは限らない。どれだけ残るかを決めるのは、反発係数の大きさだ。
の弾性衝突(完全弾性衝突)では、運動エネルギーの和も保存する。の非弾性衝突では運動エネルギーの和が減り、減り方がもっとも大きいのは、2つの物体が一体になるの完全非弾性衝突である。
水平面上の衝突では重力による位置エネルギー(新しいタブで開きます)は変わらないので、運動エネルギーの減少は、そのまま力学的エネルギーの減少と等しい。失われた分は、物体の変形や熱・音のエネルギーに変わっている。
例題:同じ衝突で反発係数を変える
例題1:なめらかな水平面上で、右向きに3.0m/sで進む質量2.0kgの小球Aが、静止している質量2.0kgの小球Bに正面衝突する。衝突前の運動エネルギーはJで、このうちどれだけが衝突後に残るかを比べる。
のとき、運動量保存則(新しいタブで開きます)のとから、m/s。Aが止まり、Bが同じ速さで動き出す(速度(新しいタブで開きます)の交換)。運動エネルギーは9.0Jのまま変わらない。
のとき、からm/s、m/s。運動エネルギーの和はJとなり、約3.4Jが失われる。
のとき、2つの小球は一体になって1.5m/sで動く。運動エネルギーの和はJで、はじめの半分の4.5Jが失われる。
例題2:右向きに4.0m/sで進む質量1.0kgの小球Aが、静止している質量3.0kgの小球Bに弾性衝突する。とからm/s、m/s。軽いAは左向きに2.0m/sではね返される。
運動エネルギーは、衝突前がJ、衝突後がJで、弾性衝突なので等しい。
なぜ反発係数が小さいほどエネルギーが減るのか
運動量保存則と反発係数の式から衝突後の速度を求め、運動エネルギーを計算すると、失われる運動エネルギー(衝突前の和から衝突後の和をひいた量)はとなる。
ならで失われる分はなく、が小さいほどが大きくなって、で最大になる。例題1でも、失われた分はで0、で約3.4J、で4.5Jと増えていった。
床ではね返る小球でも同じことがいえる。はね返る高さが倍になるのは、1回の衝突ごとに力学的エネルギーが倍に減っているためである。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/elastic-and-inelastic-collisions/?from=print#quiz
なめらかな水平面上で、右向きに6.0m/sで進む質量1.0kgの小球が、静止している質量2.0kgの小球に衝突して一体になった。この衝突で失われた運動エネルギーは何Jか。
答え:____________
正解:12
一体になった後の速さは 1.0×6.0÷(1.0+2.0)=2.0m/s。運動エネルギー(新しいタブで開きます)は衝突前 ½×1.0×6.0²=18J、衝突後 ½×3.0×2.0²=6.0J なので、失われたのは18−6.0=12J。なめらかな水平面上で、右向きに6.0m/sで進む質量1.0kgの小球Aが、静止している質量2.0kgの小球Bに弾性衝突した。衝突後のBの速さは何m/sか。
答え:____________
正解:4.0
運動量保存則(新しいタブで開きます):1.0×6.0=1.0v_A'+2.0v_B'。弾性衝突(e=1):v_B'−v_A'=6.0。v_A'=v_B'−6.0 を代入して 6.0=3.0v_B'−6.0 より v_B'=4.0m/s(Aは左向きに2.0m/s)。なめらかな水平面上で、小球Aが静止している同じ質量の小球Bに正面から弾性衝突した。衝突後のようすとして正しいものはどれか。
- ◯ Aははね返り、Bは止まったままである
- ◯ AとBが同じ速さで逆向きに動く
- ◯ Aは止まり、BがAのはじめの速度で動き出す
- ◯ AとBが一体になって、はじめの半分の速さで動く
正解:Aは止まり、BがAのはじめの速度で動き出す
運動量保存則 v_A'+v_B'=v と e=1 の式 v_B'−v_A'=v から、v_A'=0、v_B'=v。同じ質量の弾性衝突では速度(新しいタブで開きます)が入れかわる。外力を受けない2物体の衝突で、反発係数の値にかかわらず衝突の前後でいつも保存する量はどれか。
- ◯ 運動量の和
- ◯ 運動エネルギーの和
- ◯ それぞれの物体の速さ
- ◯ それぞれの物体の運動量
正解:運動量の和
運動量(新しいタブで開きます)の和は内力の力積が打ち消し合うのでいつも保存する。運動エネルギーの和が保存するのは e=1 の弾性衝突のときだけ。
単元のポイント
- 弾性衝突 e=1・運動エネルギーの和が保存
- 非弾性衝突 e<1・運動エネルギーの和が減る
- 完全非弾性衝突 e=0・一体となり減少が最大
- 同じ質量の弾性衝突 静止した相手と速度を交換する