
反発係数
カンガルー先生反発係数eは、遠ざかる速さ÷近づく速さ。運動量保存の式と組にすれば、衝突後の速度が2つとも決まるよ。
30秒でつかむ
- 衝突前に近づく速さと衝突後に遠ざかる速さの比を反発係数(はね返り係数)eといい、e=−(v₁'−v₂')/(v₁−v₂)で表す。
- eは0≦e≦1の値をとり、e=1を弾性衝突(新しいタブで開きます)、e<1を非弾性衝突、e=0で一体となる衝突を完全非弾性衝突という。
- 床に落とした小球では、e=v'/vのほか、落とした高さhとはね上がる高さh'からe=√(h'/h)で求められる。
詳しく
反発係数(はね返り係数)
一直線上で2つの物体が衝突するとき、衝突前に近づく速さに対する、衝突後に遠ざかる速さの比を反発係数(はね返り係数)といい、で表す。
衝突前の速度(新しいタブで開きます)を・、衝突後の速度を・とすると、となる。マイナスがつくのは、衝突の前と後で相対速度(新しいタブで開きます)の向きが逆になるからである。
反発係数はの値をとる。の衝突を弾性衝突、の衝突を非弾性衝突といい、とくにで2つの物体が一体となる衝突を完全非弾性衝突という。
動かない壁や床に垂直にぶつかるときは、とおけるので、(はね返る速さ÷ぶつかる速さ)として扱える。
例題:床ではね返る小球と、正面衝突する2つの小球
例題1:速さ10m/sで床に垂直にぶつかった小球が、速さ6.0m/sではね返った。反発係数は0.60。
例題2:高さ2.5mから静かに落とした小球が床ではね返る。床にぶつかる速さはm/s。反発係数が0.80なら、はね返る速さはm/sで、上がる高さは1.6m。
例題3:なめらかな水平面上で、右向きに6.0m/sで進む質量1.0kgの小球Aが、静止している質量2.0kgの小球Bに正面衝突した。反発係数は0.50とする。運動量保存則(新しいタブで開きます)から、反発係数の式からの2式ができる。
2式を連立して解くと、m/s。衝突後、Aは止まり、Bが右向きに3.0m/sで動き出す。
なぜ高さから反発係数が求まるのか
床に落ちるまでと、はね上がってから最高点までは、どちらも重力だけを受ける運動なので、力学的エネルギー保存則(新しいタブで開きます)から、と表せる。比をとるとが消え、が得られる。
はね返る高さはなので、の小球は1回はね返るごとに高さが0.64倍になる。2.5mから落とせば1.6m、その次は約1.0mと低くなっていく。
反発係数は、ぶつかる2つの物体の材質の組み合わせでほぼ決まる。同じ小球でも、コンクリートの床と布団の上とでは、はね返り方が大きく違う。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/coefficient-of-restitution/?from=print#quiz
速さ8.0m/sで床に垂直にぶつかった小球が、速さ6.0m/sではね返った。小球と床の反発係数はいくらか。
答え:____________
正解:0.75
床との衝突では e=(はね返る速さ)÷(ぶつかる速さ)。e=6.0÷8.0=0.75。高さ3.6mから静かに落とした小球が床ではね返り、高さ0.90mまで上がった。小球と床の反発係数はいくらか。
答え:____________
正解:0.50
e=√(h'/h)=√(0.90÷3.6)=√0.25=0.50。なめらかな水平面上で、右向きに3.0m/sで進む質量2.0kgの小球Aが、静止している質量1.0kgの小球Bに正面衝突した。反発係数を0.50とすると、衝突後のBの速さは何m/sか。
答え:____________
正解:3.0
運動量保存則(新しいタブで開きます):2.0×3.0=2.0v_A'+1.0v_B'。反発係数:v_B'−v_A'=0.50×3.0=1.5。v_A'=v_B'−1.5 を代入して 6.0=3.0v_B'−3.0 より v_B'=3.0m/s(このとき v_A'=1.5m/s)。2つの物体の衝突で、反発係数が e=0 のときに起こることとして正しいものはどれか。
- ◯ 衝突の前後で運動量の和が0になる
- ◯ 衝突後、2つの物体が一体となって動く
- ◯ 衝突後、2つの物体が同じ速さで逆向きに動く
- ◯ 衝突の前後で運動エネルギーの和が変わらない
正解:衝突後、2つの物体が一体となって動く
e=0 は遠ざかる速さが0、つまり衝突後の2物体の速度(新しいタブで開きます)が等しく、一体となって動く(完全非弾性衝突(新しいタブで開きます))。運動エネルギー(新しいタブで開きます)の減少はこのとき最も大きい。
単元のポイント
- 反発係数 e=−(v₁'−v₂')/(v₁−v₂)
- 床との衝突 e=v'/v
- 高さとの関係 h'=e²h
- eの範囲 0≦e≦1(e=1 弾性衝突・e=0 完全非弾性衝突)