本文へ移動

ファラデーの法則(ほうそく)と電気(でんき)分解(ぶんかい)の利用(りよう)

カメレオン先生まず電気(でんき)量(りょう)Q=Itを求(もと)め、ファラデー定数(ていすう)Fで割(わ)って電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)にする。そこから反応(はんのう)式(しき)の係数(けいすう)比(ひ)で求(もと)めたい物質(ぶっしつ)の量(りょう)に進(すす)もう。

30秒でつかむ

  1. 電気(でんき)量(りょう)(新しいタブで開きます)Q〔C〕は電流(でんりゅう)I〔A〕と時間(じかん)t〔s〕の積(せき)Q=Itで求(もと)められ、流(なが)れた電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)はQをファラデー定数(ていすう)F=9.65×10⁴C/molで割(わ)って求(もと)める。
  2. 電極(でんきょく)で変化(へんか)する物質(ぶっしつ)の物質(ぶっしつ)量(りょう)は、流(なが)れた電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)と反応(はんのう)式(しき)の係数(けいすう)(新しいタブで開きます)比(ひ)から求(もと)められる。
  3. 電気(でんき)分解(ぶんかい)(新しいタブで開きます)は、銅(どう)の電解(でんかい)精錬(せいれん)・水酸化(すいさんか)ナトリウムの製造(せいぞう)・アルミニウムの製造(せいぞう)など、工業(こうぎょう)的(てき)に広(ひろ)く利用(りよう)されている。

ChatGPT に解説してもらう(新しいタブで開きます)

詳しく

ファラデーの法則(ほうそく)

電気(でんき)分解(ぶんかい)で電極(でんきょく)に流(なが)す電流(でんりゅう)I〔A〕と時間(じかん)t〔s〕から、流(なが)れた電気(でんき)量(りょう)Q〔C〕は Q=ItQ=It で求(もと)められる。電子(でんし)1molがもつ電気(でんき)量(りょう)の大(おお)きさをファラデー定数(ていすう)といい、F=9.65×10⁴C/molである。

電気(でんき)量(りょう)Qと電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)n(e⁻)〔mol〕の関係(かんけい)は、n=QFn=\dfrac{Q}{F} で表(あらわ)せる。これをファラデーの法則(ほうそく)という。流(なが)れた電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)が分(わ)かれば、電極(でんきょく)で変化(へんか)する物質(ぶっしつ)の物質(ぶっしつ)量(りょう)は、電極(でんきょく)の反応(はんのう)式(しき)の係数(けいすう)比(ひ)(例(たと)えばCu²⁺+2e⁻→Cuなら、電子(でんし)2molにつき銅(どう)1mol)から求(もと)められる。

このように、電気(でんき)分解(ぶんかい)で変化(へんか)する物質(ぶっしつ)の量(りょう)は、流(なが)れた電気(でんき)量(りょう)に比例(ひれい)する。この比例(ひれい)関係(かんけい)を利用(りよう)すれば、電流(でんりゅう)と時間(じかん)から生成物(せいせいぶつ)の質量(しつりょう)や気体(きたい)の体積(たいせき)を求(もと)めたり、逆(ぎゃく)に必要(ひつよう)な生成(せいせい)量(りょう)から流(なが)す時間(じかん)を求(もと)めたりできる。

ファラデーの法則の考え方Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例(れい):電気(でんき)量(りょう)から析出(せきしゅつ)する銅(どう)の質量(しつりょう)を求(もと)める

例題(れいだい):硫酸(りゅうさん)銅(どう)(Ⅱ)水溶液(すいようえき)を白金電極(はっきんでんきょく)で電気(でんき)分解(ぶんかい)し、0.500Aの電流(でんりゅう)を3860秒間(びょうかん)流(なが)した。陰極(いんきょく)に析出(せきしゅつ)する銅(どう)の質量(しつりょう)を求(もと)めよ。銅(どう)の原子(げんし)量(りょう)は64とする。

まず電気(でんき)量(りょう)を求(もと)める。Q=It=0.500×3860=Q=It=0.500\times3860=1930C。次(つぎ)に電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)n(e⁻)を求(もと)める。QF=19309.65×104=\dfrac{Q}{F}=\dfrac{1930}{9.65\times10^4}=0.0200mol。

陰極(いんきょく)の反応(はんのう)はCu²⁺+2e⁻→Cuなので、銅(どう)の物質(ぶっしつ)量(りょう)は電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)の半分(はんぶん)になる。0.0200mol÷2=0.0100mol。質量(しつりょう)は0.0100mol×64g/mol=0.640gになる。

電気(でんき)分解(ぶんかい)の工業(こうぎょう)的(てき)な利用(りよう)

電気(でんき)分解(ぶんかい)は、自然(しぜん)には進(すす)みにくい反応(はんのう)を電気(でんき)エネルギーで起(お)こす方法(ほうほう)として、いくつかの工業(こうぎょう)的(てき)な製法(せいほう)に利用(りよう)されている。銅(どう)の電解(でんかい)精錬(せいれん)では、電気(でんき)分解(ぶんかい)で得(え)た純度(じゅんど)の低(ひく)い銅(どう)(粗銅(そどう))を陽極(ようきょく)、純粋(じゅんすい)な銅(どう)の薄板(うすいた)を陰極(いんきょく)にして、硫酸(りゅうさん)酸性(さんせい)の硫酸(りゅうさん)銅(どう)(Ⅱ)水溶液(すいようえき)を電気(でんき)分解(ぶんかい)する。陽極(ようきょく)では粗銅(そどう)が溶(と)けてCu²⁺になり、陰極(いんきょく)ではCu²⁺が還元(かんげん)(新しいタブで開きます)されて純度(じゅんど)の高(たか)い銅(どう)が付着(ふちゃく)していく。銅(どう)よりイオン(新しいタブで開きます)化傾向(かけいこう)が小(ちい)さい銀(ぎん)や金(きん)などの不純物(ふじゅんぶつ)は溶(と)けずに陽極(ようきょく)の下(した)に沈(しず)み、陽極泥(ようきょくでい)として回収(かいしゅう)される。

水酸化(すいさんか)ナトリウムの製造(せいぞう)には、陽(よう)イオン交換(こうかん)膜(まく)で区切(くぎ)った容器(ようき)で濃(こ)い塩化(えんか)ナトリウム水溶液(すいようえき)を電気(でんき)分解(ぶんかい)するイオン交換(こうかん)膜(まく)法(ほう)が使(つか)われている。陽極(ようきょく)側(がわ)では塩化物(えんかぶつ)イオンが酸化(さんか)されて塩素(えんそ)が発生(はっせい)し(2Cl⁻→Cl₂+2e⁻)、陰極(いんきょく)側(がわ)では水(みず)が還元(かんげん)されて水素(すいそ)と水酸化物(すいさんかぶつ)イオン(新しいタブで開きます)が生(しょう)じる(2H₂O+2e⁻→H₂+2OH⁻)。陽極(ようきょく)側(がわ)のナトリウムイオンは陽(よう)イオン交換(こうかん)膜(まく)だけを通(とお)って陰極(いんきょく)側(がわ)へ移動(いどう)するため、陰極(いんきょく)側(がわ)に水酸化(すいさんか)ナトリウムが濃縮(のうしゅく)されていく。

アルミニウムは、酸化(さんか)アルミニウムAl₂O₃(アルミナ)を氷晶石(ひょうしょうせき)(融(ゆう)剤(ざい))とともに高温(こうおん)で融(と)かし、融解(ゆうかい)した液体(えきたい)を直接(ちょくせつ)電気(でんき)分解(ぶんかい)する溶融(ようゆう)塩(えん)電解(でんかい)で作(つく)られる。水溶液(すいようえき)ではなく融解(ゆうかい)した物質(ぶっしつ)を電気(でんき)分解(ぶんかい)するのは、アルミニウムは水素(すいそ)よりもイオン化傾向(かけいこう)が大(おお)きいため、水溶液中(すいようえきちゅう)では水(みず)(水素(すいそ))が先(さき)に還元(かんげん)されてしまい、アルミニウムの単体(たんたい)(新しいタブで開きます)を得(え)られないためである。

銅の電解精錬Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

確認問題

問題 1 / 51.00Aの電流(でんりゅう)を965秒間(びょうかん)流(なが)したとき、流(なが)れた電気(でんき)量(りょう)Qは何(なん)Cか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/faradays-law-and-industrial-electrolysis/?from=print#quiz

  1. 1.00Aの電流(でんりゅう)を965秒間(びょうかん)流(なが)したとき、流(なが)れた電気(でんき)量(りょう)Qは何(なん)Cか。

    答え:____________

    正解:965
    電気(でんき)量(りょう)(新しいタブで開きます)はQ=It=1.00×965=965C。

  2. 965Cの電気(でんき)量(りょう)が流(なが)れたとき、流(なが)れた電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)は何(なん)molか。ファラデー定数(ていすう)F=9.65×10⁴C/molとする。

    答え:____________

    正解:0.0100
    n(e⁻)=Q/F=965÷96500=0.0100mol。

  3. 硫酸(りゅうさん)銅(どう)(Ⅱ)水溶液(すいようえき)を電気(でんき)分解(ぶんかい)して、電子(でんし)が0.0100mol流(なが)れたとき、陰極(いんきょく)に析出(せきしゅつ)する銅(どう)は何(なん)gか。銅(どう)の原子(げんし)量(りょう)は64とする。

    答え:____________

    正解:0.32
    Cu²⁺+2e⁻→Cuより、銅(どう)の物質(ぶっしつ)量(りょう)は電子(でんし)の半分(はんぶん):0.0100÷2=0.0050mol。質量(しつりょう)は0.0050×64=0.32g。

  4. 銅(どう)の電解(でんかい)精錬(せいれん)で、陽極(ようきょく)の下(した)に陽極泥(ようきょくでい)として沈(しず)むのはどのような金属(きんぞく)か。

    • ◯ 銅(どう)よりイオン化傾向(かけいこう)が大(おお)きい金属(きんぞく)
    • ◯ すべての金属(きんぞく)
    • ◯ 陰極(いんきょく)に使(つか)われている金属(きんぞく)
    • ◯ 銅(どう)よりイオン化傾向(かけいこう)が小(ちい)さい金属(きんぞく)(銀(ぎん)・金(きん)など)

    正解:銅よりイオン化傾向が小さい金属(銀・金など)
    銅(どう)よりイオン(新しいタブで開きます)化傾向(かけいこう)が小(ちい)さい銀(ぎん)や金(きん)などは溶(と)けずに陽極(ようきょく)(新しいタブで開きます)の下(した)に沈(しず)み、陽極泥(ようきょくでい)として回収(かいしゅう)される。

  5. 水酸化(すいさんか)ナトリウムのイオン交換(こうかん)膜(まく)法(ほう)で、ナトリウムイオンは陽(よう)イオン交換(こうかん)膜(まく)をどちら向(む)きに通(とお)るか。

    • ◯ 両方向(りょうほうこう)に同(おな)じだけ
    • ◯ 陽極(ようきょく)側(がわ)から陰極(いんきょく)側(がわ)へ
    • ◯ 膜(まく)を通(とお)らない
    • ◯ 陰極(いんきょく)側(がわ)から陽極(ようきょく)側(がわ)へ

    正解:陽極側から陰極側へ
    ナトリウムイオンは陽極(ようきょく)側(がわ)から陽(よう)イオン交換(こうかん)膜(まく)を通(とお)って陰極(いんきょく)側(がわ)へ移動(いどう)し、陰極(いんきょく)側(がわ)で水酸化(すいさんか)ナトリウムが濃縮(のうしゅく)される。

単元のポイント

  • 電気(でんき)量(りょう)(新しいタブで開きます) Q=It〔C〕(電流(でんりゅう)I〔A〕×時間(じかん)t〔s〕)
  • ファラデー定数(ていすう) F=9.65×10⁴C/mol(電子(でんし)1molがもつ電気(でんき)量(りょう)の大(おお)きさ)
  • 電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう) n(e⁻)=Q/F〔mol〕
  • 銅(どう)の電解(でんかい)精錬(せいれん) 粗銅(そどう)を陽極(ようきょく)、純銅(じゅんどう)を陰極(いんきょく)にして電気(でんき)分解(ぶんかい)し、純度(じゅんど)の高(たか)い銅(どう)を得(え)る方法(ほうほう)
  • イオン交換(こうかん)膜(まく)法(ほう) 陽(よう)イオン交換(こうかん)膜(まく)で仕切(しき)った濃(こ)い塩化(えんか)ナトリウム水溶液(すいようえき)を電気(でんき)分解(ぶんかい)し、水酸化(すいさんか)ナトリウムを製造(せいぞう)する方法(ほうほう)
  • アルミニウムの溶融(ようゆう)塩(えん)電解(でんかい) 酸化(さんか)アルミニウムを氷晶石(ひょうしょうせき)とともに融(と)かし、融解(ゆうかい)した液体(えきたい)を直接(ちょくせつ)電気(でんき)分解(ぶんかい)してアルミニウムを得(え)る方法(ほうほう)

出典・クレジット

単元の並びは学習指導要領に沿って作り、年号や人物などの事実は公開データと照らし合わせています。誤りに気づいたら意見箱からお知らせください。確かめて直します。テストや受験の前には、教科書や先生の説明もあわせて確認してください。

間違いを知らせる
問題を解く
単元のポイント
  • 電気(でんき)量(りょう)(新しいタブで開きます) Q=It〔C〕(電流(でんりゅう)I〔A〕×時間(じかん)t〔s〕)
  • ファラデー定数(ていすう) F=9.65×10⁴C/mol(電子(でんし)1molがもつ電気(でんき)量(りょう)の大(おお)きさ)
  • 電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう) n(e⁻)=Q/F〔mol〕
  • 銅(どう)の電解(でんかい)精錬(せいれん) 粗銅(そどう)を陽極(ようきょく)、純銅(じゅんどう)を陰極(いんきょく)にして電気(でんき)分解(ぶんかい)し、純度(じゅんど)の高(たか)い銅(どう)を得(え)る方法(ほうほう)
  • イオン交換(こうかん)膜(まく)法(ほう) 陽(よう)イオン交換(こうかん)膜(まく)で仕切(しき)った濃(こ)い塩化(えんか)ナトリウム水溶液(すいようえき)を電気(でんき)分解(ぶんかい)し、水酸化(すいさんか)ナトリウムを製造(せいぞう)する方法(ほうほう)
  • アルミニウムの溶融(ようゆう)塩(えん)電解(でんかい) 酸化(さんか)アルミニウムを氷晶石(ひょうしょうせき)とともに融(と)かし、融解(ゆうかい)した液体(えきたい)を直接(ちょくせつ)電気(でんき)分解(ぶんかい)してアルミニウムを得(え)る方法(ほうほう)