
発酵
カエル先生発酵は解糖系だけ。ATPが少ない代わりに酸素がいらないよ。
30秒でつかむ
- **発酵**は酸素(新しいタブで開きます)を使わず**解糖系(新しいタブで開きます)**だけで進み、酵母の**アルコール発酵**と乳酸菌の**乳酸発酵**がある。
- アルコール発酵はC₆H₁₂O₆→2C₂H₅OH+2CO₂、乳酸発酵はC₆H₁₂O₆→2C₃H₆O₃という反応式で表される。
- 発酵で得られるATP(新しいタブで開きます)はグルコース1分子(新しいタブで開きます)あたり2分子で、呼吸の最大約38分子よりはるかに少ない。
詳しく
アルコール発酵と乳酸発酵
酵母などの微生物(新しいタブで開きます)が、酸素を使わずに有機物(新しいタブで開きます)を分解してエネルギーを取り出す反応を発酵という。発酵では、呼吸のように酸素を使う電子伝達系を使わず、解糖系だけで反応が進む。
酵母が行うアルコール発酵では、グルコースが解糖系でピルビン酸に分解された後、さらにエタノールと二酸化炭素に変えられる。反応式はC₆H₁₂O₆ → 2C₂H₅OH + 2CO₂で表される。
乳酸菌などが行う乳酸発酵では、ピルビン酸が乳酸に変えられる。反応式はC₆H₁₂O₆ → 2C₃H₆O₃で表され、二酸化炭素は発生(新しいタブで開きます)しない。
解糖系だけで得られるATPの量
アルコール発酵も乳酸発酵も、ATPを作る反応は解糖系の部分だけで、1分子のグルコースあたり得られるATPは2分子にとどまる。
これは、呼吸で得られる最大約38ATPと比べてごくわずかだ。発酵では、電子伝達系とATP合成酵素によるATP合成が行われないためである。
ピルビン酸をエタノールや乳酸に変える反応自体はATPを生み出さないが、この反応によって解糖系で使われたNAD⁺が再生され、解糖系を繰り返し進めることができる。
発酵と呼吸の違い
発酵と呼吸は、どちらも有機物を分解してATPを取り出す反応だが、酸素を使うかどうかで大きく異なる。呼吸は酸素を使って有機物を二酸化炭素と水まで完全に分解し、多くのATPを取り出す。
発酵は酸素が無くても進められるが、有機物を完全には分解できず、エタノールや乳酸という形でエネルギーの一部を有機物の中に残したまま反応を終える。
そのため、発酵で得られるATPの量は呼吸よりはるかに少ない。酸素の無い環境で生きる微生物や、運動で酸素が不足した筋肉などが、発酵に頼ってエネルギーを得ている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/fermentation/?from=print#quiz
酸素を使わずに解糖系だけで有機物を分解し、ATPを取り出す反応を何というか。
- ◯ 能動輸送
- ◯ 光合成
- ◯ 発酵
- ◯ 呼吸
正解:発酵
発酵は、呼吸のように酸素(新しいタブで開きます)を使う電子伝達系(新しいタブで開きます)を使わず、解糖系だけで反応が進む。乳酸発酵でグルコース1分子から生じる物質は何か。
- ◯ 乳酸2分子
- ◯ ピルビン酸1分子
- ◯ エタノール2分子と二酸化炭素2分子
- ◯ 二酸化炭素6分子と水6分子
正解:乳酸2分子
乳酸発酵では、グルコース1分子(新しいタブで開きます)から乳酸2分子が生じ、C₆H₁₂O₆→2C₃H₆O₃という反応式で表される。発酵でグルコース1分子あたり得られるATPは何分子か。
- ◯ 0分子
- ◯ 2分子
- ◯ 4分子
- ◯ 38分子
正解:2分子
発酵では解糖系の部分だけでATP(新しいタブで開きます)ができるため、グルコース1分子あたり得られるATPは2分子にとどまる。発酵と呼吸の大きな違いは何に関係するか。
- ◯ 光の有無
- ◯ 酸素を使うかどうか
- ◯ 細胞の大きさ
- ◯ 温度の高さ
正解:酸素を使うかどうか
発酵と呼吸は、どちらも有機物(新しいタブで開きます)を分解してATPを取り出す反応だが、酸素を使うかどうかで大きく異なる。
単元のポイント
- 発酵 酸素を使わずに解糖系だけで有機物を分解し、ATPを取り出す反応
- アルコール発酵 酵母がグルコースをエタノールと二酸化炭素に変える発酵。C₆H₁₂O₆→2C₂H₅OH+2CO₂
- 乳酸発酵 乳酸菌などがグルコースを乳酸に変える発酵。C₆H₁₂O₆→2C₃H₆O₃
- 発酵と呼吸の違い 酸素を使うかどうかの違い。発酵は解糖系のみでATPの収量が呼吸よりはるかに少ない