
呼吸とATP合成
カエル先生電子伝達系でできるH⁺の濃度差が、ATP合成酵素を回す力になるよ。
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- 呼吸は細胞質基質の**解糖系**、ミトコンドリア(新しいタブで開きます)の**クエン酸回路**、内膜の**電子伝達系**の3段階で進む。
- 電子伝達系がH⁺をマトリックスから膜間腔へくみ出し、**ATP合成酵素**を通って戻るときにATP(新しいタブで開きます)が合成される。
- グルコース1分子(新しいタブで開きます)の呼吸全体で得られるATPは、最大で約38分子とされる(教科書により約32分子とも)。
詳しく
解糖系・クエン酸回路・電子伝達系の3段階
呼吸は、グルコースなどの有機物(新しいタブで開きます)を酸素(新しいタブで開きます)を使って分解し、取り出したエネルギーをATPに蓄える反応で、解糖系・クエン酸回路・電子伝達系の3段階からなる。
細胞質基質で進む解糖系では、1分子のグルコースが2分子のピルビン酸に分解され、少量のATPとNADHができる。続くクエン酸回路はミトコンドリアのマトリックスで進み、ピルビン酸がさらに分解されて二酸化炭素が放出され、多くのNADHと少量のATPができる。
解糖系とクエン酸回路で生じたNADHは、ミトコンドリア内膜にある電子伝達系に電子を渡す。電子が伝達される間に、水素イオン(新しいタブで開きます)(H⁺)がマトリックスから内膜の外側(膜間腔)へくみ出される。
ATP合成酵素とH⁺の濃度差
電子伝達系のはたらきで、ミトコンドリア内膜の外側(膜間腔)にH⁺が蓄積し、マトリックス側との間に大きなH⁺の濃度(新しいタブで開きます)差ができる。
このH⁺が、濃度の高い膜間腔側から低いマトリックス側へ、内膜にあるATP合成酵素を通って流れ戻るとき、その流れのエネルギーを使ってADPとリン酸からATPが合成される。
最後に、電子伝達系を通った電子は酸素に渡され、水ができる。酸素が無いと電子の受け取り先がなくなり、電子伝達系もATP合成酵素によるATP合成も止まってしまう。
呼吸全体で得られるATPの数と反応式
呼吸の全体をまとめると、1分子のグルコースから解糖系・クエン酸回路で生じるATPに加え、電子伝達系とATP合成酵素のはたらきで多くのATPが合成され、合計で最大約38ATPが得られるとされる(教科書によっては電子の運搬(新しいタブで開きます)にかかる分を差し引いて約32ATPとする場合もある)。
この一連の反応は、全体としてC₆H₁₂O₆ + 6O₂ → 6CO₂ + 6H₂Oという反応式にまとめられる。グルコースと酸素から二酸化炭素と水ができ、その過程でATPが合成されるという流れだ。
解糖系だけでは少量のATPしか得られないのに対し、酸素を使う電子伝達系とATP合成酵素のはたらきを合わせることで、呼吸全体としてはるかに多くのATPを取り出せる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/cellular-respiration-and-atp-synthesis/?from=print#quiz
呼吸を構成する解糖系・クエン酸回路に続く3段階目の反応は何か。
- ◯ 光化学反応
- ◯ 電子伝達系
- ◯ カルビン回路
- ◯ 乳酸発酵
正解:電子伝達系
呼吸は、解糖系・クエン酸回路に続いて、ミトコンドリア(新しいタブで開きます)内膜で進む電子伝達系の3段階からなる。電子伝達系のはたらきで、H⁺がミトコンドリアのマトリックスからどこへくみ出されるか。
- ◯ 内膜の外側(膜間腔)
- ◯ 細胞質基質
- ◯ 葉緑体のストロマ
- ◯ 核膜の内側
正解:内膜の外側(膜間腔)
電子伝達系のはたらきでH⁺はマトリックスから内膜の外側(膜間腔)へくみ出され、濃度(新しいタブで開きます)差ができる。ATP合成酵素がATPを合成するのは、H⁺がどちらからどちらへ流れるときか。
- ◯ 膜間腔からマトリックスへ
- ◯ マトリックスから膜間腔へ
- ◯ 細胞内から細胞外へ
- ◯ 細胞外から細胞内へ
正解:膜間腔からマトリックスへ
H⁺が濃度の高い膜間腔側から低いマトリックス側へATP合成酵素を通って流れ戻るとき、ATP(新しいタブで開きます)が合成される。グルコース1分子の呼吸全体で得られるATPは最大で約何分子とされるか。
- ◯ 約4分子
- ◯ 約38分子
- ◯ 約2分子
- ◯ 約100分子
正解:約38分子
グルコース1分子(新しいタブで開きます)の呼吸全体では、解糖系・クエン酸回路・電子伝達系を合わせて最大約38分子のATPが得られるとされる。
単元のポイント
- 解糖系 細胞質基質で進む、グルコースをピルビン酸に分解する反応。少量のATPができる
- クエン酸回路 ミトコンドリアのマトリックスで進む、ピルビン酸を分解しCO₂を放出する反応
- 電子伝達系 ミトコンドリア内膜で電子を受け渡し、H⁺をマトリックスから膜間腔へくみ出す反応
- ATP合成酵素 H⁺が膜間腔からマトリックスへ流れ戻るエネルギーを使ってATPを合成する酵素(新しいタブで開きます)