
光合成のしくみ
カエル先生チラコイドでATPとNADPHを作り、ストロマのカルビン回路で使う。場所の違いを意識しよう。
30秒でつかむ
- **光化学系Ⅱ**が光エネルギーで水を分解し、電子は電子伝達系(新しいタブで開きます)を通って**光化学系Ⅰ**へ渡りNADPHができる。
- チラコイド内腔のH⁺濃度(新しいタブで開きます)差を使ってATP合成酵素がATP(新しいタブで開きます)を合成し、できたATP・NADPHはカルビン回路で使われる。
- **カルビン回路**では**ルビスコ**がCO₂を固定し、全体は6CO₂+6H₂O→C₆H₁₂O₆+6O₂という反応式になる。
詳しく
光化学系Ⅱ・Ⅰによる水の分解と電子伝達
光合成(新しいタブで開きます)は、葉緑体(新しいタブで開きます)の中にあるチラコイドという膜の上で、光エネルギーを吸収する光化学系Ⅱからはじまる。光化学系Ⅱは吸収した光エネルギーを使って水を分解し、酸素(新しいタブで開きます)・水素イオン(新しいタブで開きます)(H⁺)・電子を取り出す。
光化学系Ⅱで取り出された電子は、チラコイド膜にある電子伝達系を通って光化学系Ⅰへ渡される。この電子の移動にともない、H⁺がストロマ側からチラコイドの内側(内腔)へくみ出され、濃度差ができる。
光化学系Ⅰでは、渡された電子が再び光エネルギーで活性化され、最終的にNADP⁺に電子とH⁺が渡されてNADPHができる。
チラコイド膜のH⁺濃度差とATP合成、カルビン回路
チラコイドの内腔に蓄積したH⁺が、濃度の高い内腔側から低いストロマ側へ、チラコイド膜のATP合成酵素を通って流れ戻るとき、そのエネルギーを使ってATPが合成される。
こうしてできたATPとNADPHは、ストロマで進むカルビン回路で使われるしくみだ。カルビン回路では、ルビスコという酵素(新しいタブで開きます)のはたらきで二酸化炭素が有機物(新しいタブで開きます)に取り込まれる反応(CO₂固定)が進み、ATPとNADPHのエネルギーを使って糖などの有機物が合成される。
カルビン回路で糖ができると、NADPHはNADP⁺に、ATPはADPに戻り、再び光化学系Ⅱ・Ⅰの反応で使われる。このように、光を使う反応とカルビン回路は、物質のやりとりによってつながっているわけだ。
光合成全体の反応式とつながり
光合成の全体をまとめると、二酸化炭素と水から光エネルギーを使って有機物と酸素ができる反応で、6CO₂ + 6H₂O → C₆H₁₂O₆ + 6O₂という反応式で表される。
酸素は、光化学系Ⅱで水が分解されるときに作られる。カルビン回路で有機物に取り込まれる炭素は、二酸化炭素由来だ。光を使う反応とカルビン回路という別々の場所で進む反応が、ATP・NADPHなどの受け渡しでつながることで、光合成全体が成り立っている。
呼吸が電子伝達系とATP合成酵素でATPを作るしくみは、光合成のチラコイド膜でのATP合成と同じく、H⁺の濃度差を利用する点で共通している。場所や電子の受け渡し方は異なるが、膜をはさんだH⁺の濃度差を使ってATPを合成する点は同じである。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/mechanism-of-photosynthesis/?from=print#quiz
光化学系Ⅱが光エネルギーを使って行う反応は何か。
- ◯ ATPの分解
- ◯ 二酸化炭素の固定
- ◯ 水の分解
- ◯ 窒素の固定
正解:水の分解
光化学系Ⅱは吸収した光エネルギーを使って水を分解し、酸素(新しいタブで開きます)・水素イオン(新しいタブで開きます)・電子を取り出す。チラコイドの内腔にH⁺がたまり、ATP合成酵素を通ってストロマへ流れるときに起こることは何か。
- ◯ ATPが合成される
- ◯ CO₂が固定される
- ◯ 水が分解される
- ◯ 電子が酸素に渡される
正解:ATPが合成される
チラコイド内腔のH⁺がストロマ側へATP合成酵素(新しいタブで開きます)を通って流れ戻るとき、そのエネルギーを使ってATP(新しいタブで開きます)が合成される。カルビン回路で、ルビスコという酵素のはたらきで進む反応は何か。
- ◯ 水の分解
- ◯ 二酸化炭素の固定(CO₂固定)
- ◯ H⁺の濃度差の形成
- ◯ 電子の伝達
正解:二酸化炭素の固定(CO₂固定)
カルビン回路では、ルビスコという酵素(新しいタブで開きます)のはたらきで二酸化炭素が有機物(新しいタブで開きます)に取り込まれるCO₂固定が進む。光合成で発生(新しいタブで開きます)する酸素は何に由来するか。
- ◯ グルコース
- ◯ ATP
- ◯ 水
- ◯ 二酸化炭素
正解:水
光合成(新しいタブで開きます)で発生(新しいタブで開きます)する酸素は、光化学系Ⅱで水が分解されるときに作られる。
単元のポイント
- 光化学系Ⅱ チラコイド膜で光エネルギーを使って水を分解し、酸素・H⁺・電子を取り出す
- 光化学系Ⅰ 電子伝達系から渡された電子を再び光エネルギーで活性化し、NADPHを作る
- チラコイドのH⁺濃度差 チラコイド内腔に蓄積したH⁺がストロマへ流れ戻るときにATPが合成される
- カルビン回路 ストロマで進む、ルビスコによりCO₂を固定し糖を合成する反応。ATP・NADPHを使う