
核反応とエネルギー(核分裂・核融合)
カンガルー先生核反応式は化学反応式と同じで、矢印の両側で質量数の合計・原子番号の合計がそろうように書く。そろっているかを確かめれば、未知の生成物の質量数・原子番号も求められるよ。
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- 核反応式は、矢印の左右で質量数(新しいタブで開きます)の合計・原子番号の合計がそれぞれ等しくなるように書く。これを使うと、反応で生じる原子核の質量数・原子番号を求められる。
- 核分裂の例:ウラン235に中性子(新しいタブで開きます)1個が吸収されバリウム141・クリプトン92・中性子3個に分裂し約200MeV放出。核融合は重水素+三重水素→ヘリウム4+中性子で約17.6MeV放出。
- 核分裂・核融合のどちらも、反応の前後で核子1個あたりの結合エネルギー(新しいタブで開きます)が鉄に近づく方向に変化するため、反応前後の質量の差(質量欠損(新しいタブで開きます))がエネルギーとして放出される。
詳しく
核反応式の作り方
核反応式は化学反応式(新しいタブで開きます)と同じ考え方で、矢印の左側の質量数の合計と右側の質量数の合計が等しく、左側の原子番号の合計と右側の原子番号の合計も等しくなるように書く。核分裂や核融合という反応そのものの意味は物理基礎「核分裂反応・核融合反応と質量とエネルギーの等価性」のページで扱っている。
核分裂の例:中性子を吸収したウラン235が、バリウム141、クリプトン92、中性子3個に分裂する反応は。質量数は左1+235=236、右141+92+3=236で一致し、原子番号は左0+92=92、右56+36+0=92で一致する。
核融合の例:重水素と三重水素が融合する反応は。質量数は左2+3=5、右4+1=5で一致し、原子番号は左1+1=2、右2+0=2で一致する。
例題:核融合で放出されるエネルギー
例題:重水素の質量2.014102u、三重水素の質量3.016049u、ヘリウム4の質量4.002602u、中性子の質量1.008665uとする。反応前の質量の合計はu、反応後の質量の合計はuになる。
質量欠損はu。放出されるエネルギーはMeVとなる。これが太陽など恒星(新しいタブで開きます)の中で起きている核融合反応と同じ仕組み。
ウラン235の核分裂1回では約200MeVが放出される。核分裂は1個の原子核あたりの放出エネルギーが核融合より大きいが、核融合は燃料1kgあたりで比べるとさらに大きなエネルギーを取り出せる。
なぜ核分裂・核融合でエネルギーが取り出せるのか
「質量欠損と結合エネルギー」のページで見たように、核子1個あたりの結合エネルギーは質量数56付近(鉄)で最大になる。ウラン235のように重い原子核が分裂すると、生成する原子核は鉄に近い質量数になり、核子1個あたりの結合エネルギーが増える。
重水素や三重水素のように軽い原子核が融合してヘリウムになる場合も、核子1個あたりの結合エネルギーは鉄に向かって増加する方向。どちらの反応でも、増えた結合エネルギーの分だけ全体の質量が減り(質量欠損)、その分がエネルギーとして放出される。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/nuclear-reactions-fission-and-fusion-energy/?from=print#quiz
中性子1個をウラン235()に吸収させると、ストロンチウム94()と中性子2個、もう1つの原子核に分裂する。この原子核の質量数はいくつか。
答え:____________
正解:140
質量数(新しいタブで開きます)の合計は左辺1+235=236。右辺は94+2+x=236より、x=140。これはキセノン140の質量数と一致する。重水素(2.014102u)2個が核融合してヘリウム3(3.016029u)と中性子(1.008665u)になる反応で放出されるエネルギーは何MeVか。1u≒931.5MeVとして、小数第1位まで答えよ。
答え:____________
正解:3.3
反応前の質量の合計は2.014102×2=4.028204u、反応後は3.016029+1.008665=4.024694u。質量欠損(新しいタブで開きます)Δm=4.028204−4.024694=0.003510u。ΔE=0.003510×931.5≈3.3MeV。核分裂と核融合のどちらでもエネルギーが放出される理由として正しいものはどれか。
- ◯ 核分裂では核子の数が増え、核融合では核子の数が減るから
- ◯ 核分裂と核融合はどちらも質量が増える反応だから
- ◯ どちらの反応でも、生成する原子核の核子1個あたりの結合エネルギーが、鉄(質量数56)に近づく方向に増えるから
- ◯ どちらの反応でも原子核の電荷が0になるから
正解:どちらの反応でも、生成する原子核の核子1個あたりの結合エネルギーが、鉄(質量数56)に近づく方向に増えるから
重い原子核が分裂(核分裂)しても、軽い原子核が融合(核融合)しても、生成する原子核の核子1個あたりの結合エネルギー(新しいタブで開きます)は鉄付近に近づく方向に増える。その増加分だけ全体の質量が減り(質量欠損)、エネルギーとして放出される。
単元のポイント
- 核反応式 矢印の両辺で質量数の合計・原子番号の合計がそろう
- 核分裂のエネルギー ウラン235の核分裂1回あたり約200MeV
- 核融合の放出エネルギー 重水素+三重水素→ヘリウム4+中性子で約17.6MeV