核分裂反応・核融合反応と質量とエネルギー
カワウソ先生ごく小さな質量の減りが、ものすごく大きなエネルギーになるのは、光速の2乗(c²)がとても大きい数だからだよ。
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- ウラン235などの重い原子核(新しいタブで開きます)に中性子が当たって2つに分かれる反応を核分裂反応という。飛び出した中性子が次の核分裂(新しいタブで開きます)を引き起こす連鎖反応が起こり、原子力発電(新しいタブで開きます)ではこれを制御している。
- 水素(新しいタブで開きます)などの軽い原子核が結合して、より重い原子核になる反応を核融合反応という。太陽や恒星(新しいタブで開きます)では、水素がヘリウムに変わる核融合反応が、そのエネルギー源になっている。
- 核分裂反応・核融合反応のどちらでも、反応の前後でわずかに質量が減る(質量欠損)。この減った質量mは、光速cの2乗との積E=mc²にあたる、非常に大きなエネルギーに変わる。
詳しく
核分裂反応・核融合反応と質量とエネルギーの式
ウラン235のような重い原子核に中性子が1個当たると、原子核は2つの原子核に分かれ、同時に新しい中性子が2〜3個飛び出す。これを核分裂反応という。飛び出した中性子が別のウラン235に当たれば、さらに核分裂が起こる。これが次々と続く連鎖反応で、原子力発電所では、この連鎖反応が一定の割合で続く状態(臨界)を保つように制御している。
逆に、水素のように軽い原子核が結合して、より重い原子核(ヘリウムなど)になる反応を核融合反応という。太陽をはじめとする恒星のエネルギーは、水素がヘリウムに変わる核融合反応から生まれている。
核分裂反応・核融合反応のどちらも、反応の前後で原子核の質量をくわしく比べると、わずかに質量が減っている。この減った質量を質量欠損という。アインシュタインが示した質量とエネルギーの等価性(は光速、約3.0×10⁸m/s)により、質量欠損はすべて莫大なエネルギーに変わる。を使った計算は、高校の「物理」で詳しく学ぶ発展的な内容である。
例題:質量欠損からエネルギーを求める
例題1:ある核分裂反応で、質量欠損がkgだった。発生(新しいタブで開きます)するエネルギーは1.8×10¹³J。
例題2:質量欠損がkg(1mg)のとき、9.0×10¹⁰J。これは一般的な家庭の1年分の電力(新しいタブで開きます)使用量を大きく上回るエネルギーで、ごくわずかな質量欠損でも莫大なエネルギーになることが分かる。
例題3:質量欠損がkgのとき、4.5×10¹²J。
なぜわずかな質量が莫大なエネルギーになるのか
のはという非常に大きな数である。だから、ほんの少しの質量欠損でも、それにをかけたエネルギーは莫大な値になる。これが、少量の核燃料から大きなエネルギーを取り出せる理由である。
化石(新しいタブで開きます)燃料を燃やす化学反応でも質量はわずかに減っているが、その減り方は核分裂・核融合に比べてはるかに小さい。核エネルギー(新しいタブで開きます)は、同じ質量の燃料から取り出せるエネルギーが化学エネルギーよりずっと大きい。
核分裂反応は人工的に核燃料を用意して連鎖反応を起こすのに対し、核融合反応は太陽の内部のような超高温・高圧の環境で自然に起こる。地球上で核融合発電を実用化するには、太陽のような環境を人工的に作り出す必要があり、研究が続けられている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/nuclear-fission-fusion-and-mass-energy/?from=print#quiz
ある核分裂反応で質量欠損が2.0×10⁻⁴kgだった。発生するエネルギーは何Jか。光速をc=3.0×10⁸m/sとする。
答え:____________
正解:1.8×10¹³
E=mc²=2.0×10⁻⁴×(3.0×10⁸)²=2.0×10⁻⁴×9.0×10¹⁶=1.8×10¹³J。質量欠損が5.0×10⁻⁵kgのとき、発生するエネルギーは何Jか。光速をc=3.0×10⁸m/sとする。
答え:____________
正解:4.5×10¹²
E=mc²=5.0×10⁻⁵×9.0×10¹⁶=4.5×10¹²J。核分裂反応と核融合反応の違いについて正しい説明はどれか。
- ◯ 核分裂は重い原子核が分裂し、核融合は軽い原子核が結合する
- ◯ どちらも原子核の数は変わらない
- ◯ 核融合だけが質量欠損を起こす
- ◯ 核分裂は軽い原子核が結合し、核融合は重い原子核が分裂する
正解:核分裂は重い原子核が分裂し、核融合は軽い原子核が結合する
核分裂反応は重い原子核(新しいタブで開きます)が分裂する反応、核融合反応は軽い原子核が結合する反応で、どちらもエネルギーを放出する。太陽のエネルギー源となっている反応はどれか。
- ◯ 核融合反応
- ◯ 放射性崩壊
- ◯ 核分裂反応
- ◯ 化学反応(燃焼)
正解:核融合反応
太陽では、水素(新しいタブで開きます)がヘリウムに変わる核融合反応がエネルギー源になっている。
単元のポイント
- 核分裂反応 重い原子核(ウラン235など)が分裂し、中性子を放出してエネルギーを出す反応
- 核融合反応 軽い原子核(水素など)が結合してエネルギーを出す反応。太陽のエネルギー源
- 質量とエネルギーの等価性 E=mc²(cは光速、約3.0×10⁸m/s)
- 質量欠損 反応の前後で減る質量。この分がエネルギーに変わる