本文へ移動

核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)・核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)と質量(しつりょう)とエネルギー

カワウソ先生ごく小(ちい)さな質量(しつりょう)の減(へ)りが、ものすごく大(おお)きなエネルギーになるのは、光速(こうそく)の2乗(じょう)(c²)がとても大(おお)きい数(かず)だからだよ。

30秒でつかむ

  1. ウラン235などの重(おも)い原子核(げんしかく)(新しいタブで開きます)に中性子(ちゅうせいし)が当(あ)たって2つに分(わ)かれる反応(はんのう)を核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)という。飛(と)び出(だ)した中性子(ちゅうせいし)が次(つぎ)の核分裂(かくぶんれつ)(新しいタブで開きます)を引(ひ)き起(お)こす連鎖(れんさ)反応(はんのう)が起(お)こり、原子力(げんしりょく)発電(はつでん)(新しいタブで開きます)ではこれを制御(せいぎょ)している。
  2. 水素(すいそ)(新しいタブで開きます)などの軽(かる)い原子核(げんしかく)が結合(けつごう)して、より重(おも)い原子核(げんしかく)になる反応(はんのう)を核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)という。太陽(たいよう)や恒星(こうせい)(新しいタブで開きます)では、水素(すいそ)がヘリウムに変(か)わる核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)が、そのエネルギー源(げん)になっている。
  3. 核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)・核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)のどちらでも、反応(はんのう)の前後(ぜんご)でわずかに質量(しつりょう)が減(へ)る(質量(しつりょう)欠損(けっそん))。この減(へ)った質量(しつりょう)mは、光速(こうそく)cの2乗(じょう)との積(せき)E=mc²にあたる、非常(ひじょう)に大(おお)きなエネルギーに変(か)わる。

詳しく

核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)・核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)と質量(しつりょう)とエネルギーの式(しき)

ウラン235のような重(おも)い原子核(げんしかく)に中性子(ちゅうせいし)が1個(こ)当(あ)たると、原子核(げんしかく)は2つの原子核(げんしかく)に分(わ)かれ、同時(どうじ)に新(あたら)しい中性子(ちゅうせいし)が2〜3個(こ)飛(と)び出(だ)す。これを核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)という。飛(と)び出(だ)した中性子(ちゅうせいし)が別(べつ)のウラン235に当(あ)たれば、さらに核分裂(かくぶんれつ)が起(お)こる。これが次々(つぎつぎ)と続(つづ)く連鎖(れんさ)反応(はんのう)で、原子力(げんしりょく)発電所(はつでんしょ)では、この連鎖(れんさ)反応(はんのう)が一定(いってい)の割合(わりあい)で続(つづ)く状態(じょうたい)(臨界(りんかい))を保(たも)つように制御(せいぎょ)している。

逆(ぎゃく)に、水素(すいそ)のように軽(かる)い原子核(げんしかく)が結合(けつごう)して、より重(おも)い原子核(げんしかく)(ヘリウムなど)になる反応(はんのう)を核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)という。太陽(たいよう)をはじめとする恒星(こうせい)のエネルギーは、水素(すいそ)がヘリウムに変(か)わる核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)から生(う)まれている。

核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)・核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)のどちらも、反応(はんのう)の前後(ぜんご)で原子核(げんしかく)の質量(しつりょう)をくわしく比(くら)べると、わずかに質量(しつりょう)が減(へ)っている。この減(へ)った質量(しつりょう)を質量(しつりょう)欠損(けっそん)という。アインシュタインが示(しめ)した質量(しつりょう)とエネルギーの等価(とうか)性(せい)E=mc2E=mc^2(ccは光速(こうそく)、約(やく)3.0×10⁸m/s)により、質量(しつりょう)欠損(けっそん)mmはすべて莫大(ばくだい)なエネルギーEEに変(か)わる。E=mc2E=mc^2を使(つか)った計算(けいさん)は、高校(こうこう)の「物理(ぶつり)」で詳(くわ)しく学(まな)ぶ発展(はってん)的(てき)な内容(ないよう)である。

ウラン235の核分裂反応と連鎖反応Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例題(れいだい):質量(しつりょう)欠損(けっそん)からエネルギーを求(もと)める

例題(れいだい)1:ある核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)で、質量(しつりょう)欠損(けっそん)が2.0×10−42.0\times10^{-4}kgだった。発生(はっせい)(新しいタブで開きます)するエネルギーはE=mc2=2.0×10−4×(3.0×108)2=2.0×10−4×9.0×1016=E=mc^2=2.0\times10^{-4}\times(3.0\times10^8)^2=2.0\times10^{-4}\times9.0\times10^{16}=1.8×10¹³J。

例題(れいだい)2:質量(しつりょう)欠損(けっそん)が1.0×10−61.0\times10^{-6}kg(1mg)のとき、E=1.0×10−6×9.0×1016=E=1.0\times10^{-6}\times9.0\times10^{16}=9.0×10¹⁰J。これは一般(いっぱん)的(てき)な家庭(かてい)の1年分(ねんぶん)の電力(でんりょく)(新しいタブで開きます)使用(しよう)量(りょう)を大(おお)きく上回(うわまわ)るエネルギーで、ごくわずかな質量(しつりょう)欠損(けっそん)でも莫大(ばくだい)なエネルギーになることが分(わ)かる。

例題(れいだい)3:質量(しつりょう)欠損(けっそん)が5.0×10−55.0\times10^{-5}kgのとき、E=5.0×10−5×9.0×1016=E=5.0\times10^{-5}\times9.0\times10^{16}=4.5×10¹²J。

質量欠損とE=mc²(質量が減った分がエネルギーになる)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜわずかな質量(しつりょう)が莫大(ばくだい)なエネルギーになるのか

E=mc2E=mc^2のc2c^2は9.0×10169.0\times10^{16}という非常(ひじょう)に大(おお)きな数(かず)である。だから、ほんの少(すこ)しの質量(しつりょう)欠損(けっそん)mmでも、それにc2c^2をかけたエネルギーEEは莫大(ばくだい)な値(ね)になる。これが、少量(しょうりょう)の核(かく)燃料(ねんりょう)から大(おお)きなエネルギーを取(と)り出(だ)せる理由(りゆう)である。

化石(かせき)(新しいタブで開きます)燃料(ねんりょう)を燃(も)やす化学(かがく)反応(はんのう)でも質量(しつりょう)はわずかに減(へ)っているが、その減(へ)り方(かた)は核分裂(かくぶんれつ)・核(かく)融合(ゆうごう)に比(くら)べてはるかに小(ちい)さい。核(かく)エネルギー(新しいタブで開きます)は、同(おな)じ質量(しつりょう)の燃料(ねんりょう)から取(と)り出(だ)せるエネルギーが化学(かがく)エネルギーよりずっと大(おお)きい。

核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)は人工(じんこう)的(てき)に核(かく)燃料(ねんりょう)を用意(ようい)して連鎖(れんさ)反応(はんのう)を起(お)こすのに対(たい)し、核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)は太陽(たいよう)の内部(ないぶ)のような超(ちょう)高温(こうおん)・高圧(こうあつ)の環境(かんきょう)で自然(しぜん)に起(お)こる。地球上(ちきゅうじょう)で核(かく)融合(ゆうごう)発電(はつでん)を実用(じつよう)化(か)するには、太陽(たいよう)のような環境(かんきょう)を人工(じんこう)的(てき)に作(つく)り出(だ)す必要(ひつよう)があり、研究(けんきゅう)が続(つづ)けられている。

確認問題

問題 1 / 4ある核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)で質量(しつりょう)欠損(けっそん)が2.0×10⁻⁴kgだった。発生(はっせい)するエネルギーは何(なん)Jか。光速(こうそく)をc=3.0×10⁸m/sとする。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/nuclear-fission-fusion-and-mass-energy/?from=print#quiz

  1. ある核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)で質量(しつりょう)欠損(けっそん)が2.0×10⁻⁴kgだった。発生(はっせい)するエネルギーは何(なん)Jか。光速(こうそく)をc=3.0×10⁸m/sとする。

    答え:____________

    正解:1.8×10¹³
    E=mc²=2.0×10⁻⁴×(3.0×10⁸)²=2.0×10⁻⁴×9.0×10¹⁶=1.8×10¹³J。

  2. 質量(しつりょう)欠損(けっそん)が5.0×10⁻⁵kgのとき、発生(はっせい)するエネルギーは何(なん)Jか。光速(こうそく)をc=3.0×10⁸m/sとする。

    答え:____________

    正解:4.5×10¹²
    E=mc²=5.0×10⁻⁵×9.0×10¹⁶=4.5×10¹²J。

  3. 核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)と核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)の違(ちが)いについて正(ただ)しい説明(せつめい)はどれか。

    • ◯ 核分裂(かくぶんれつ)は重(おも)い原子核(げんしかく)が分裂(ぶんれつ)し、核(かく)融合(ゆうごう)は軽(かる)い原子核(げんしかく)が結合(けつごう)する
    • ◯ どちらも原子核(げんしかく)の数(かず)は変(か)わらない
    • ◯ 核(かく)融合(ゆうごう)だけが質量(しつりょう)欠損(けっそん)を起(お)こす
    • ◯ 核分裂(かくぶんれつ)は軽(かる)い原子核(げんしかく)が結合(けつごう)し、核(かく)融合(ゆうごう)は重(おも)い原子核(げんしかく)が分裂(ぶんれつ)する

    正解:核分裂は重い原子核が分裂し、核融合は軽い原子核が結合する
    核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)は重(おも)い原子核(げんしかく)(新しいタブで開きます)が分裂(ぶんれつ)する反応(はんのう)、核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)は軽(かる)い原子核(げんしかく)が結合(けつごう)する反応(はんのう)で、どちらもエネルギーを放出(ほうしゅつ)する。

  4. 太陽(たいよう)のエネルギー源(げん)となっている反応(はんのう)はどれか。

    • ◯ 核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)
    • ◯ 放射性(ほうしゃせい)崩壊(ほうかい)
    • ◯ 核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)
    • ◯ 化学(かがく)反応(はんのう)(燃焼(ねんしょう))

    正解:核融合反応
    太陽(たいよう)では、水素(すいそ)(新しいタブで開きます)がヘリウムに変(か)わる核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)がエネルギー源(げん)になっている。

単元のポイント

  • 核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう) 重(おも)い原子核(げんしかく)(ウラン235など)が分裂(ぶんれつ)し、中性子(ちゅうせいし)を放出(ほうしゅつ)してエネルギーを出(だ)す反応(はんのう)
  • 核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう) 軽(かる)い原子核(げんしかく)(水素(すいそ)など)が結合(けつごう)してエネルギーを出(だ)す反応(はんのう)。太陽(たいよう)のエネルギー源(げん)
  • 質量(しつりょう)とエネルギーの等価(とうか)性(せい) E=mc²(cは光速(こうそく)、約(やく)3.0×10⁸m/s)
  • 質量(しつりょう)欠損(けっそん) 反応(はんのう)の前後(ぜんご)で減(へ)る質量(しつりょう)。この分(ぶん)がエネルギーに変(か)わる
問題を解く
単元のポイント
  • 核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう) 重(おも)い原子核(げんしかく)(ウラン235など)が分裂(ぶんれつ)し、中性子(ちゅうせいし)を放出(ほうしゅつ)してエネルギーを出(だ)す反応(はんのう)
  • 核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう) 軽(かる)い原子核(げんしかく)(水素(すいそ)など)が結合(けつごう)してエネルギーを出(だ)す反応(はんのう)。太陽(たいよう)のエネルギー源(げん)
  • 質量(しつりょう)とエネルギーの等価(とうか)性(せい) E=mc²(cは光速(こうそく)、約(やく)3.0×10⁸m/s)
  • 質量(しつりょう)欠損(けっそん) 反応(はんのう)の前後(ぜんご)で減(へ)る質量(しつりょう)。この分(ぶん)がエネルギーに変(か)わる