
偏光
カンガルー先生光は横波だから、偏光板を通すと特定の向きの振動だけが残る。2枚を直角に重ねると光が通らなくなるのは、その向きの振動がもう残っていないからだよ。
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- 太陽や電灯の光(自然光)は、進む向きに垂直な面内のあらゆる向きに振動する横波(新しいタブで開きます)で、どの向きの振動も同じくらいの強さで混ざっている。
- 偏光板は、特定の1つの向き(透過軸)に振動する光だけを通す板である。自然光を偏光板に通すと、その向きに振動する光だけが残る。これを**偏光**という。
- 縦波(音波など)には振動の向きという区別がないので偏光は起こらない。光に偏光が起こることは、光が横波であることの証拠の一つである。
詳しく
偏光板を通る光の強さ
太陽や電灯から出る光(自然光)は、進む向きに垂直な平面内のあらゆる向きに、同じくらいの強さで振動している横波である。偏光板は、特定の1つの向き(透過軸)に振動する成分だけを通す板で、自然光を偏光板に通すと、透過軸の向きに振動する光(偏光)だけが残る。自然光の強さをとすると、1枚の偏光板を通った直後の強さはおよそだ。
偏光を2枚目の偏光板に通すとき、1枚目と2枚目の透過軸の間の角度をとすると、通り抜ける光の強さは(は1枚目を通った直後の強さ)になる。(透過軸が同じ向き)ならで全部通り、(直角、クロスニコル)ならでほとんど光が通らなくなる。
縦波である音波には、進む向きに垂直な面内での振動の向きという区別がないので、偏光という現象は起こらない。光を偏光板に通すと明暗が変わることは、光が横波であることを示す実験的な証拠になっている。
例題:2枚の偏光板を通る光の強さ
例題1:1枚目の偏光板を通った直後の光の強さをとする。2枚目の偏光板の透過軸を1枚目から60°傾けて重ねると、通り抜ける光の強さはの何倍か。なので、0.25倍(1/4)。
例題2:2枚目の透過軸を1枚目から30°傾けると、通り抜ける光の強さはの何倍か。なので、0.75倍(3/4)。角度を90°に近づけるほど、通る光は急に少なくなる。
例題3:2枚の偏光板を重ねてどちらかをゆっくり回転させると、透過光の明るさはどう変わるか。透過軸の間の角度が0°で最も明るく(全部通る)、90°(クロスニコル)で最も暗く(ほぼ通らない)なり、にしたがって明暗がなめらかに変化する。
なぜ偏光サングラスは水面のぎらつきを防ぐのか
水面やガラス、アスファルトの道路などで反射(新しいタブで開きます)した光は、反射面に対して水平な向きに振動する成分が多くなる偏り(部分的な偏光)をもつ。これが水面のぎらついた反射光として強く目に入ってくる。
偏光サングラスのレンズは、反射光に多い水平方向の振動を通さない向きに透過軸を合わせた偏光板になっている。これにより反射光のぎらつきだけを弱め、水中の様子や道路の状態を見やすくする工夫だ。
同じ仕組みは、カメラのレンズに取り付ける偏光フィルターや、透明なプラスチック(新しいタブで開きます)の模型に力がかかった部分(ひずみ)を偏光板を通して色づけて観察する実験にも使われている。偏光は、光が横波であることを利用した身近な技術につながっている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/polarization-of-light/?from=print#quiz
1枚目の偏光板を通った直後の光の強さをI1とする。2枚目の偏光板の透過軸を60°傾けて重ねたとき、通り抜ける光の強さはI1の何倍か。
答え:____________
正解:0.25
I=I1cos²60°=I1×0.5²=0.25I1。同じ2枚の偏光板で、2枚目の透過軸を30°傾けて重ねたとき、通り抜ける光の強さはI1の何倍か。
答え:____________
正解:0.75
I=I1cos²30°=I1×(√3/2)²=0.75I1。2枚の偏光板の透過軸を直角に重ねる(クロスニコル)と暗くなる理由として正しいものはどれか。
- ◯ 振動数が変わってしまうため
- ◯ 1枚目を通った偏光の振動方向を、2枚目がまったく通さないため
- ◯ 光の速さが0になるため
- ◯ 光が2枚のガラスにすべて吸収されるため
正解:1枚目を通った偏光の振動方向を、2枚目がまったく通さないため
透過軸が直角(θ=90°)だとcos²90°=0なので、1枚目を通った偏光の振動方向を2枚目はまったく通さず、ほとんど光が届かなくなる。音波(縦波)には偏光が起こらない理由として正しいものはどれか。
- ◯ 音の速さが光より遅いため
- ◯ 音は弱すぎて偏光板を通れないため
- ◯ 縦波は進む向きと同じ方向に振動するので、振動の向きという区別がないため
- ◯ 音は反射しないため
正解:縦波は進む向きと同じ方向に振動するので、振動の向きという区別がないため
偏光は、進む向きに垂直な面内で振動の向きが選べる横波(新しいタブで開きます)にしか起こらない。縦波の音波には振動の向きの区別がなく、偏光は起こらない。
単元のポイント
- 偏光 特定の向きだけに振動する光(偏光板を通すとできる)
- 透過軸 偏光板が通す振動の向き
- クロスニコル 2枚の偏光板の透過軸を直角にすると光はほぼ通らない
- 光は横波 偏光が起こることが、光が横波であることの証拠になる