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α粒子(りゅうし)の散乱(さんらん)実験(じっけん)と原子核(げんしかく)の発見(はっけん)

カンガルー先生ほとんどのα粒子(りゅうし)はそのまま通(とお)り抜(ぬ)けたのに、ごくわずかだけ大(おお)きく跳(は)ね返(かえ)った。この「わずか」が原子核(げんしかく)の発見(はっけん)につながったんだよ。

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  1. トムソンの原子(げんし)模型(もけい)は、正(せい)の電荷(でんか)(新しいタブで開きます)が原子(げんし)全体(ぜんたい)に薄(うす)く広(ひろ)がり、その中(なか)に電子(でんし)がまばらに埋(う)め込(こ)まれていると考(かんが)えるものだった(ブドウパン型(がた))。
  2. ラザフォードらは、薄(うす)い金箔(きんぱく)にα粒子(りゅうし)を当(あ)てる散乱(さんらん)実験(じっけん)を行(おこな)った。ほとんどのα粒子(りゅうし)はそのまま直進(ちょくしん)したが、ごくわずかな粒子(りゅうし)だけが大(おお)きな角度(かくど)で跳(は)ね返(かえ)った。
  3. 大(だい)角度(かくど)の跳(は)ね返(かえ)りを説明(せつめい)するには、正(せい)の電荷(でんか)と質量(しつりょう)が原子(げんし)の中心(ちゅうしん)のきわめて小(ちい)さな体積(たいせき)に集中(しゅうちゅう)している必要(ひつよう)がある。こうして原子核(げんしかく)の存在(そんざい)が発見(はっけん)された。

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詳しく

トムソンの原子(げんし)模型(もけい)

20世紀(せいき)の初(はじ)め、原子(げんし)の中(なか)に電子(でんし)が存在(そんざい)することがわかると、原子(げんし)の中(なか)で正(せい)の電荷(でんか)と電子(でんし)がどう配置(はいち)されているかが問題(もんだい)になった。イギリスのトムソンは、正(せい)の電荷(でんか)が原子(げんし)全体(ぜんたい)に薄(うす)く広(ひろ)がった球(きゅう)の中(なか)に、負(ふ)の電荷(でんか)をもつ電子(でんし)がまばらに埋(う)め込(こ)まれているという原子(げんし)模型(もけい)を考(かんが)えた。これは、果実(かじつ)の中(なか)に種(たね)が散(ち)らばる様子(ようす)にたとえて、ブドウパン型(がた)の原子(げんし)模型(もけい)とよばれる。

この模型(もけい)では、正(せい)の電荷(でんか)が原子(げんし)全体(ぜんたい)に広(ひろ)く薄(うす)く分布(ぶんぷ)しているため、原子(げんし)に高速(こうそく)の粒子(りゅうし)を当(あ)てても、大(おお)きな角度(かくど)で向(む)きを変(か)えるようなことは起(お)こらないと予想(よそう)された。

α粒子(りゅうし)の散乱(さんらん)実験(じっけん)

ラザフォードと、彼(かれ)のもとで実験(じっけん)を行(おこな)ったガイガー、マースデンは、放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)(新しいタブで開きます)から出(で)るα粒子(りゅうし)(ヘリウムの原子核(げんしかく))を、きわめて薄(うす)い金箔(きんぱく)に当(あ)てる実験(じっけん)を行(おこな)った。金箔(きんぱく)のまわりを蛍光(けいこう)幕(まく)で囲(かこ)み、散乱(さんらん)されたα粒子(りゅうし)が当(あ)たった位置(いち)の光(ひかり)を観察(かんさつ)し、どの角度(かくど)にどれだけのα粒子(りゅうし)が散乱(さんらん)されるかを数(かぞ)える、散乱(さんらん)実験(じっけん)の方法(ほうほう)である。

実験(じっけん)の結果(けっか)、大(だい)部分(ぶぶん)のα粒子(りゅうし)はほとんど向(む)きを変(か)えずに金箔(きんぱく)を直進(ちょくしん)し、これはトムソンの模型(もけい)の予想(よそう)どおりだった。ところが、ごくわずかな割合(わりあい)(およそ8000個(こ)に1個(こ)程度(ていど))のα粒子(りゅうし)だけが、90°を超(こ)える大(おお)きな角度(かくど)で散乱(さんらん)され、中(なか)には入射(にゅうしゃ)方向(ほうこう)へほぼ逆戻(ぎゃくもど)りするように跳(は)ね返(かえ)るものもあった。この結果(けっか)は、当時(とうじ)誰(だれ)も予想(よそう)していないものだった。

α粒子の散乱実験(ガイガー=マースデンの実験)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

原子核(げんしかく)の発見(はっけん)

電荷(でんか)が原子(げんし)全体(ぜんたい)に薄(うす)く広(ひろ)がっているトムソンの模型(もけい)では、このような大(だい)角度(かくど)の散乱(さんらん)は説明(せつめい)できない。ラザフォードは、正(せい)の電荷(でんか)と質量(しつりょう)のほとんどが、原子(げんし)よりもはるかに小(ちい)さい一点(いってん)に集中(しゅうちゅう)していると考(かんが)えれば、ごくまれにα粒子(りゅうし)がその近(ちか)くを通(とお)ったときだけ強(つよ)いクーロン力(りょく)(新しいタブで開きます)を受(う)けて大(おお)きく跳(は)ね返(かえ)ることを説明(せつめい)できると示(しめ)した。

こうして、原子(げんし)の中心(ちゅうしん)に正(せい)の電荷(でんか)と質量(しつりょう)が集中(しゅうちゅう)した小(ちい)さな原子核(げんしかく)があり、そのまわりの広(ひろ)い空間(くうかん)を電子(でんし)が回(まわ)っているという原子核(げんしかく)模型(もけい)が確立(かくりつ)された。

トムソンの原子模型とラザフォードの原子模型Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

確認問題

問題 1 / 4トムソンの原子(げんし)模型(もけい)(ブドウパン型(がた))では、正(せい)の電荷(でんか)はどのように存在(そんざい)すると考(かんが)えられていたか。

確認問題(解答用紙)

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スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/rutherford-scattering-and-nuclear-discovery/?from=print#quiz

  1. トムソンの原子(げんし)模型(もけい)(ブドウパン型(がた))では、正(せい)の電荷(でんか)はどのように存在(そんざい)すると考(かんが)えられていたか。

    • ◯ 原子(げんし)全体(ぜんたい)に薄(うす)く広(ひろ)がっている
    • ◯ 原子(げんし)の中心(ちゅうしん)の1点(てん)に集中(しゅうちゅう)している
    • ◯ 存在(そんざい)しない
    • ◯ 電子(でんし)の中(なか)だけに含(ふく)まれている

    正解:原子全体に薄く広がっている
    トムソンの模型(もけい)では、正(せい)の電荷(でんか)(新しいタブで開きます)は原子(げんし)全体(ぜんたい)に薄(うす)く広(ひろ)がった球(きゅう)をつくり、その中(なか)に電子(でんし)がまばらに埋(う)め込(こ)まれていると考(かんが)えられた。

  2. α粒子(りゅうし)の散乱(さんらん)実験(じっけん)で、金箔(きんぱく)に当(あ)てたα粒子(りゅうし)の大(だい)部分(ぶぶん)はどうなったか。

    • ◯ すべて止(と)まって金箔(きんぱく)の中(なか)にとどまった
    • ◯ ほとんど向(む)きを変(か)えずに直進(ちょくしん)した
    • ◯ すべて大(おお)きな角度(かくど)で反射(はんしゃ)した
    • ◯ すべて金箔(きんぱく)に吸収(きゅうしゅう)された

    正解:ほとんど向きを変えずに直進した
    α粒子(りゅうし)の大(だい)部分(ぶぶん)は、金原子(きんげんし)の中(なか)のほとんど何(なに)もない空間(くうかん)を通(とお)り抜(ぬ)け、ほとんど向(む)きを変(か)えずに直進(ちょくしん)した。

  3. ごくわずかなα粒子(りゅうし)が大(おお)きな角度(かくど)で跳(は)ね返(かえ)ったことから、原子(げんし)についてどのようなことがわかったか。

    • ◯ 原子(げんし)は一様(いちよう)な密度(みつど)の球(きゅう)である
    • ◯ 金(きん)の原子(げんし)は磁石(じしゃく)のように振(ふ)る舞(ま)う
    • ◯ 原子(げんし)には電子(でんし)が存在(そんざい)しない
    • ◯ 正(せい)の電荷(でんか)と質量(しつりょう)が原子(げんし)の中心(ちゅうしん)の小(ちい)さな原子核(げんしかく)に集中(しゅうちゅう)している

    正解:正の電荷と質量が原子の中心の小さな原子核に集中している
    強(つよ)いクーロン力(ちから)(新しいタブで開きます)で大(おお)きく跳(は)ね返(かえ)るには、正(せい)の電荷(でんか)と質量(しつりょう)が原子(げんし)の中心(ちゅうしん)のきわめて小(ちい)さな体積(たいせき)に集中(しゅうちゅう)している必要(ひつよう)がある。こうして原子核(げんしかく)の存在(そんざい)がわかった。

  4. この実験(じっけん)で金箔(きんぱく)に当(あ)てられたα粒子(りゅうし)の正体(しょうたい)は何(なに)か。

    • ◯ X線(せん)
    • ◯ ヘリウムの原子核(げんしかく)
    • ◯ 中性子(ちゅうせいし)
    • ◯ 電子(でんし)の流(なが)れ

    正解:ヘリウムの原子核
    α粒子(りゅうし)は、陽子(ようし)(新しいタブで開きます)2個(こ)と中性子(ちゅうせいし)2個(こ)からなるヘリウムの原子核(げんしかく)(正(せい)の電荷(でんか)を2個分(こぶん)もつ)である。

単元のポイント

  • トムソンの原子(げんし)模型(もけい) 正(せい)の電荷(でんか)が原子(げんし)全体(ぜんたい)に薄(うす)く広(ひろ)がり、電子(でんし)がまばらに埋(う)まるという模型(もけい)(ブドウパン型(がた))
  • α粒子(りゅうし)の散乱(さんらん)実験(じっけん) 薄(うす)い金箔(きんぱく)にα粒子(りゅうし)を当(あ)て、散乱(さんらん)される角度(かくど)を蛍光(けいこう)幕(まく)で調(しら)べた実験(じっけん)(ガイガー=マースデンの実験(じっけん))
  • 大(だい)角度(かくど)散乱(さんらん) ごくわずかな割合(わりあい)のα粒子(りゅうし)だけが大(おお)きな角度(かくど)で跳(は)ね返(かえ)る現象(げんしょう)
  • 原子核(げんしかく) 原子(げんし)の中心(ちゅうしん)にある、正(せい)の電荷(でんか)と質量(しつりょう)が集中(しゅうちゅう)したきわめて小(ちい)さな粒(つぶ)
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単元のポイント
  • トムソンの原子(げんし)模型(もけい) 正(せい)の電荷(でんか)が原子(げんし)全体(ぜんたい)に薄(うす)く広(ひろ)がり、電子(でんし)がまばらに埋(う)まるという模型(もけい)(ブドウパン型(がた))
  • α粒子(りゅうし)の散乱(さんらん)実験(じっけん) 薄(うす)い金箔(きんぱく)にα粒子(りゅうし)を当(あ)て、散乱(さんらん)される角度(かくど)を蛍光(けいこう)幕(まく)で調(しら)べた実験(じっけん)(ガイガー=マースデンの実験(じっけん))
  • 大(だい)角度(かくど)散乱(さんらん) ごくわずかな割合(わりあい)のα粒子(りゅうし)だけが大(おお)きな角度(かくど)で跳(は)ね返(かえ)る現象(げんしょう)
  • 原子核(げんしかく) 原子(げんし)の中心(ちゅうしん)にある、正(せい)の電荷(でんか)と質量(しつりょう)が集中(しゅうちゅう)したきわめて小(ちい)さな粒(つぶ)