
水素原子のスペクトル系列とリュードベリの式
カンガルー先生どの系列かは、電子がどのnに落ちるかで決まる。n=1ならライマン、n=2ならバルマー、n=3ならパッシェンだよ。
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- 水素原子が出す光は、連続スペクトル(新しいタブで開きます)ではなく、決まった波長(新しいタブで開きます)にだけ輝線(新しいタブで開きます)が現れる線スペクトルになる。
- 輝線はどの電子殻(新しいタブで開きます)(n)に電子が落ちるかによって、ライマン系列(紫外線)・バルマー系列(可視光線)・パッシェン系列(赤外線)などに分類される。
- 各系列の波長は、リュードベリの式1/λ=R(1/n₁²-1/n₂²)(Rはリュードベリ定数)で計算できる。
詳しく
線スペクトルと3つの系列
水素原子を入れた放電(新しいタブで開きます)管に電流を流すと、水素原子は光を出す。この光をプリズムや回折格子(新しいタブで開きます)に通して分光すると、虹のように連続した色ではなく、決まった波長にだけ鋭い輝線が並ぶ線スペクトルが現れる。
輝線の波長には規則性があり、電子がどの電子殻(n)に落ちるときに出る光かによって系列に分類できる。n=1に落ちる系列をライマン系列(紫外線)、n=2に落ちる系列をバルマー系列(主に可視光線)、n=3に落ちる系列をパッシェン系列(赤外線)という。
それぞれの系列の波長は、落ちたあとの電子殻の番号を、落ちる前の電子殻の番号を()として、というリュードベリの式で求められる。はリュードベリ定数とよばれ、/mである。
例題:バルマー系列の輝線の波長
例題:バルマー系列のうち、もっとも波長が長い輝線(n₂=3からn₁=2に落ちる光)の波長を求めよ。リュードベリの式にn₁=2、n₂=3を代入すると、1/λ=R(1/2²-1/3²)=R×5/36となり、λ≒656.3nm(赤色の光)が得られる。これは水素原子の発光スペクトルの中でもっとも強い赤い輝線として知られ、Hα線とよばれる。
同じ式でn₂を4、5…と大きくしていくと、バルマー系列の輝線は486.2nm(Hβ線)、434.1nm…と、波長が短くなりながら限りなくある波長(バルマー系列限界)に近づいていく。
なぜ系列ごとに波長域が分かれるのか
どの系列になるかは、電子が落ちる先の電子殻(n₁)で決まる。n₁が小さいほど、落ちる前後のエネルギーの差(のちに学ぶエネルギー準位の差)が大きくなるため、出る光の波長は短くなる。n₁=1のライマン系列は波長が短い紫外線、n₁=3のパッシェン系列は波長が長い赤外線になる。
また、同じ系列の中でもn₂が大きいほど波長は短くなり、n₂を無限大まで大きくしたときの波長(系列限界)に限りなく近づく。線スペクトルがとびとびの値になること自体は、電子のもつエネルギーがとびとびの値(量子化されている)であることを示す重要な手がかりになった。この理由は次のページのボーアの原子モデル(新しいタブで開きます)で扱う。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/hydrogen-spectral-series-and-rydberg-formula/?from=print#quiz
バルマー系列は、電子がどの電子殻(n)に落ちるときに出る光の系列か。
- ◯ n=4
- ◯ n=3
- ◯ n=2
- ◯ n=1
正解:n=2
バルマー系列は、電子がn=2の電子殻(新しいタブで開きます)に落ちるときに出る光の系列で、主に可視光線の輝線(新しいタブで開きます)からなる。ライマン系列の輝線は、紫外線・可視光線・赤外線のどの領域にあるか。
- ◯ 可視光線
- ◯ 電波
- ◯ 赤外線
- ◯ 紫外線
正解:紫外線
ライマン系列は電子がn=1に落ちるときの系列で、エネルギーの差が大きいため波長(新しいタブで開きます)の短い紫外線になる。赤外線領域にあるパッシェン系列は、電子がどの電子殻(n)に落ちるときに出る光の系列か。
- ◯ n=3
- ◯ n=4
- ◯ n=1
- ◯ n=2
正解:n=3
パッシェン系列は電子がn=3に落ちるときの系列で、エネルギーの差が小さいため波長の長い赤外線になる。リュードベリの式1/λ=R(1/n₁²-1/n₂²)を使って、バルマー系列のn₂=6からn₁=2に落ちる輝線(Hδ線)の波長は何nmか。リュードベリ定数R=1.097×10⁷/mとし、小数第1位まで求めよ。
答え:____________
正解:410.2
1/λ=R(1/2²-1/6²)=R×8/36=1.097×10⁷×0.2222=2.438×10⁶/mなので、λ=1/(2.438×10⁶)≒4.102×10⁻⁷m=410.2nm。
単元のポイント
- 線スペクトル 水素原子が出す光が、連続でなく決まった波長の輝線だけからなること
- ライマン系列 電子がn=1に落ちるときに出る、紫外線領域の系列
- バルマー系列 電子がn=2に落ちるときに出る、主に可視光線の系列
- リュードベリの式 1/λ=R(1/n₁²-1/n₂²)。Rはリュードベリ定数(≒1.097×10⁷/m)