
合成樹脂(熱可塑性・熱硬化性)とゴム
カメレオン先生熱可塑性は鎖状、熱硬化性は網目状。ゴムの弾性はシス形の折れ曲がりと加硫の架橋がポイントだよ。
30秒でつかむ
- 合成樹脂は、加熱すると柔らかくなる熱可塑性樹脂と、硬化すると再加熱しても柔らかくならない熱硬化性樹脂に分かれる。
- 天然ゴムはイソプレンが付加重合(新しいタブで開きます)したポリイソプレンで、シス形の二重結合により折れ曲がった構造が弾性を生む。
- 生ゴムに硫黄を加えて加熱する加硫により、分子(新しいタブで開きます)間に架橋ができて弾性と耐久性が増す。
詳しく
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
熱や圧力を加えて成形できる合成高分子化合物を合成樹脂(プラスチック(新しいタブで開きます))といい、加熱したときの性質で2つに分けられる。
加熱すると柔らかくなり、冷ますと再び固まる樹脂を熱可塑性樹脂という。分子が鎖状に伸びていて分子間に強い結合がないため、何度でも加熱して形を変えられる。ポリエチレン(新しいタブで開きます)・ポリ塩化ビニル・ポリスチレンなどが代表例である。
加熱すると硬化し、いったん固まると再加熱しても柔らかくならない樹脂を熱硬化性樹脂という。分子どうしが立体網目状に結合しているため、形を変えられない。フェノール樹脂・尿素(新しいタブで開きます)樹脂などが代表例である。
代表的な合成樹脂の例
フェノール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒドが縮合を繰り返しながら立体網目状に結合してできる熱硬化性樹脂で、電気を通しにくく耐熱性が高いため電気製品の部品などに利用される。
塩化ビニルCH₂=CHClが付加重合すると、熱可塑性樹脂のポリ塩化ビニル(PVC)ができる。燃えにくく加工しやすいため、水道管(新しいタブで開きます)や電線の被覆などに利用される。
天然ゴムは、イソプレンCH₂=C(CH₃)-CH=CH₂が付加重合したポリイソプレンで、二重結合がすべてシス形に並んだ構造をもつ。
ゴムが弾性をもつ理由
天然ゴムの分子は、シス形の二重結合のところで鎖が折れ曲がった形をしているため、分子全体が丸まった形をとりやすく、引っぱると伸び、力を抜くと元に戻る弾性を示す。
生ゴムに硫黄を加えて加熱する処理を加硫という。分子間に硫黄原子による架橋(S-S結合)ができ、分子どうしの位置関係が保たれるようになるため弾性と耐久性が増す。
ブタジエンCH₂=CH-CH=CH₂を単量体とするブタジエンゴムや、ブタジエンとスチレンを共重合させたスチレンブタジエンゴム(SBR)のような合成ゴムも、天然ゴムと同じように弾性をもつ。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/synthetic-resins-and-rubber/?from=print#quiz
熱可塑性樹脂の性質として正しいものはどれか。
- ◯ 常温で自然に硬化する
- ◯ 加熱すると柔らかくなり、何度でも形を変えられる
- ◯ 加熱すると硬化し、再加熱しても柔らかくならない
- ◯ 水に溶けてイオンになる
正解:加熱すると柔らかくなり、何度でも形を変えられる
熱可塑性樹脂は分子(新しいタブで開きます)が鎖状に伸びていて分子間に強い結合がないため、加熱すると柔らかくなり、何度でも形を変えられる。次のうち熱硬化性樹脂はどれか。
- ◯ ポリ塩化ビニル
- ◯ ポリエチレン
- ◯ フェノール樹脂
- ◯ ポリスチレン
正解:フェノール樹脂
フェノール樹脂はフェノールとホルムアルデヒドが立体網目状に結合してできる熱硬化性樹脂。ポリエチレン(新しいタブで開きます)・ポリ塩化ビニル・ポリスチレンはいずれも熱可塑性樹脂である。天然ゴム(ポリイソプレン)の単量体は何か。
- ◯ 塩化ビニル
- ◯ エチレン
- ◯ イソプレン
- ◯ スチレン
正解:イソプレン
天然ゴムは、イソプレンCH₂=C(CH₃)-CH=CH₂が付加重合(新しいタブで開きます)してできたポリイソプレンで、二重結合がすべてシス形に並んでいる。生ゴムに加硫を行うとき加える物質は何か。
- ◯ 炭素
- ◯ 硫黄
- ◯ 塩素
- ◯ ケイ素
正解:硫黄
生ゴムに硫黄を加えて加熱すると、分子間にS-S結合(架橋)ができ、弾性と耐久性が増す。
単元のポイント
- 熱可塑性樹脂 加熱すると柔らかくなり、冷ますと再び固まる。鎖状構造。ポリエチレン・ポリ塩化ビニル・ポリスチレンなど
- 熱硬化性樹脂 加熱すると硬化し、再加熱しても柔らかくならない。立体網目状構造。フェノール樹脂・尿素樹脂など
- 天然ゴム(ポリイソプレン) イソプレンが付加重合した構造をもつ。シス形の二重結合により分子が折れ曲がり、弾性を示す
- 加硫 生ゴムに硫黄を加えて加熱する処理。分子間にS-S結合(架橋)ができ、弾性と耐久性が増す