交流と変圧器・送電
カワウソ先生送る電力を一定にすると、電圧を高くするほど電流は小さくなる。送電損失はI²Rなので、電流が小さいほど大きく減るよ。
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- 発電所の多くは交流発電機(コイルや磁石を回し、電磁誘導(新しいタブで開きます)で発電する)で交流(新しいタブで開きます)をつくる。家庭用電源は実効値100Vの交流。
- 変圧器は、コイルの巻数比でV₂/V₁=N₂/N₁と電圧を変える。エネルギーが保存されるので、電流は逆比例してI₂/I₁=N₁/N₂となる。
- 送電線にも抵抗Rがあるため、電流Iを流すとI²Rの送電損失が生じる。送る電力(新しいタブで開きます)P=VIを一定にして電圧Vを高くすると、電流I=P/Vが小さくなり、送電損失I²Rは電圧の2乗に反比例して小さくなる。
詳しく
変圧器の式と送電損失
中学の「直流と交流」で学んだように、家庭に送られる電気は交流で、電圧や電流の向きと大きさが周期(新しいタブで開きます)的に変化する。交流の電圧計・電流計が示す値は実効値で、同じ抵抗で同じだけ発熱(新しいタブで開きます)する直流の電圧・電流の値に当たる。日本の家庭用電源は、実効値100Vの交流を使う。
発電所の多くは、タービンで交流発電機のコイルや磁石を回し、中学の「電磁誘導」で学んだ仕組みで交流を発電している。発電所でつくられた交流は、変圧器でコイルの巻数比に応じて電圧を変えられる。変圧器も電磁誘導を利用した装置で、一次コイルに流れる交流電流が変化する磁界(新しいタブで開きます)をつくり、それが鉄心を通って二次コイルを貫くことで、二次コイルに電圧が生じる仕組みだ。一次コイル(巻数)と二次コイル(巻数)の電圧の比は、という関係になる。エネルギーが保存されるので、電流の比はこの逆数でだ。
送電線にも抵抗があるため、電流が流れるとのジュール熱(新しいタブで開きます)が発生(新しいタブで開きます)する。これを送電損失という。送る電力を一定にして電圧を高くすると、電流は小さくなるので、送電損失は電圧の2乗に反比例して小さくなる。発電所では、変圧器で電圧を高くしてから送電し、家庭や工場の近くで再び使いやすい電圧まで下げる。
例題:変圧器と送電損失の計算
例題1:一次コイル100回、二次コイル500回の変圧器の一次側に20Vを入力した。二次側の電圧は、V₂=V₁×(N₂/N₁)=20×(500/100)=100V。
例題2:10000Wの電力を、抵抗0.50Ωの送電線を使って電圧100Vで送る。電流はI=P/V=10000÷100=100Aで、送電損失はI²R=100²×0.50=5000W(送った電力の50%が失われる)。
例題3:同じ10000Wを電圧10000V(100倍)で送ると、電流はI=10000÷10000=1.0A。送電損失はI²R=1.0²×0.50=0.50Wで、送った電力のわずか0.005%しか失われない。
なぜ送電は高い電圧で行うのか
送る電力を一定にすると、電流はで電圧に反比例する。送電損失は電流の2乗に比例するので、電圧を10倍にすれば電流は1/10、送電損失は1/100だ。わずかな電圧の違いが、損失に大きく影響する。
変圧器は、一次側と二次側のコイルを鉄心で磁気的に結びつけ、交流によって生じる変化する磁界を使って電圧を変える仕組みだ。この仕組みは変化する磁界が必要なため、直流では使えない。送電が交流で行われる理由の一つは、ここにある。
家庭で使う電気製品の多くは、電源の交流を整流して直流に変換して使う。また、電磁波(マイクロ波や光など)も変化する電流や電圧から生まれ、通信や調理器具(電子レンジ)などに利用されている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/transformer-and-power-transmission/?from=print#quiz
一次コイル100回、二次コイル500回の変圧器の一次側に20Vを入力したとき、二次側の電圧は何Vか。
答え:____________
正解:100
V₂=V₁×(N₂/N₁)=20×(500/100)=100V。10000Wの電力を電圧100Vで送るとき、送電線に流れる電流は何Aか。
答え:____________
正解:100
I=P/V=10000÷100=100A。100Aの電流が流れる、抵抗0.50Ωの送電線で生じる送電損失は何Wか。
答え:____________
正解:5000
送電損失はI²R=100²×0.50=5000W。送る電力を変えずに送電電圧を10倍にすると、送電線で生じる送電損失(I²R)は何倍になるか。
- ◯ 変わらない
- ◯ 1/100倍
- ◯ 1/10倍
- ◯ 10倍
正解:1/100倍
電力(新しいタブで開きます)一定ならI=P/Vより電流は1/10になる。送電損失はI²Rなので、(1/10)²=1/100になる。
単元のポイント
- 実効値 交流の電圧・電流を、直流と同じ効果になるように表した値
- 変圧器 V₂/V₁=N₂/N₁(N₁・N₂はコイルの巻数)
- 送電損失 I²R。電圧を高くするほど電流が減り、損失が小さくなる