ナショナリズム
30秒でつかむ
- 国民や民族としてのまとまりを大切にし、国の統一・独立・発展を目ざす考え方と運動。
- アメリカの独立とフランス革命(新しいタブで開きます)をきっかけに広がり、ナポレオン(新しいタブで開きます)に対抗した国々でも高まった。
- 19世紀には、イタリア(1861年)やドイツ(1871年)の統一を進める旗じるしになった。
詳しく
背景
近代のナショナリズムは、アメリカの独立とフランス革命をきっかけに広がった。フランス革命では、身分による特権をなくし、国民こそが国の主人公だという考えが広まった。国民からなる軍隊は、革命で生まれた政治と国を守るために戦った。
フランス革命とナポレオンの時代、フランスに対抗したドイツやスペイン、ロシアなどでも、国民としての意識が高まっていく。
考え方の中身
ナショナリズムは、国民や民族としてのまとまりを大切にし、国の統一・独立・発展を目ざす考え方と運動である。日本語では「国民主義」や「民族主義」とも訳される。国民としてのまとまりを土台にした国民国家をつくることが、統一や独立の目標になった。
ドイツでは、哲学者のフィヒテが講演「ドイツ国民に告ぐ」(1807〜08年)を行った。フランス軍に占領されたベルリンで、国民としての自覚を呼びかけたのである。
革命の前の王の支配を取りもどし、それを大国の力のつり合いで守ろうとするウィーン体制(新しいタブで開きます)は、こうした動きをおさえた。しかしギリシアはオスマン帝国と戦い、1830年に独立を認められている。
影響
19世紀のヨーロッパでは、分かれていた国々がナショナリズムを旗じるしに統一を進めた。1861年にはイタリア王国が、1871年にはドイツ帝国(新しいタブで開きます)が成立している。一方で19世紀の終わりごろからは、自分の国の発展のためなら、ほかの国や民族への侵略も認める考えとも結びついた。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/history/nationalism/?from=print#quiz
近代のナショナリズムが広がるきっかけになった出来事の組み合わせは?
- ◯ ウィーン会議と神聖同盟
- ◯ アメリカの独立とフランス革命
- ◯ ルネサンスと宗教改革
正解:アメリカの独立とフランス革命
国民が自分たちの国をつくるという考えは、18世紀末のアメリカの独立とフランス革命(新しいタブで開きます)をきっかけに広がった。ウィーン会議(新しいタブで開きます)のあとにつくられたウィーン体制は、むしろナショナリズムの運動をおさえるしくみだった。ナショナリズムの高まりのなかで、1861年に成立した統一国家は?
- ◯ ドイツ帝国
- ◯ ギリシア王国
- ◯ ベルギー王国
- ◯ イタリア王国
正解:イタリア王国
イタリアの多くの地域がまとまり、1861年にイタリア王国が成立した。ヴェネツィアとローマは、そのあとに加わっている。ドイツ帝国(新しいタブで開きます)は1871年に成立した。ナポレオンに支配された国々で、支配への反発から高まった考え方や運動は?
- ◯ 重商主義
- ◯ 王権神授説
- ◯ ナショナリズム
正解:ナショナリズム
ドイツやスペインなど、フランスに支配された地域では、同じ国民や民族だという意識が強まった。それが、外国の支配からの解放や国の統一を求める動きにつながった。これもナショナリズムの表れである。
単元のポイント
- 国民国家 国民としてのまとまりを土台にしてつくられた国家。19世紀のヨーロッパで、統一や独立の目標になった
- 国民主義 ナショナリズムの訳語の一つ。19世紀のドイツやイタリアの統一(新しいタブで開きます)のように、国民の国をつくろうとする運動を指すときに使われる