
酵素の働きと立体構造
カエル先生酵素の形がくずれると基質と合わなくなる。これが失活だよ。
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- 酵素(新しいタブで開きます)は**活性部位**に基質が結合して反応を進め、決まった基質にしか結合しない**基質特異性**をもつ。
- 最適温度・最適pHを大きく外れると立体構造がくずれ、はたらきを失う**失活**が起こる。
- 基質に似た物質が結合を妨げる**競争的阻害**や、**アロステリック酵素**による**フィードバック(新しいタブで開きます)調節**がある。
詳しく
活性部位と基質特異性
酵素は、特定の立体構造をもつタンパク質で、その表面の決まった部分である活性部位に基質が結合することで反応を進める。活性部位の形と基質の形がかぎと鍵穴のように合うことで、酵素は決まった基質にしか結合しない基質特異性を示す。
酵素と基質が結合した状態を酵素-基質複合体という。複合体の形になることで反応が進みやすくなり、生成物(新しいタブで開きます)ができると酵素から離れ、酵素はもとの形に戻って次の基質と結合できる。
酵素の立体構造は、温度やpH(新しいタブで開きます)などの条件によって変化する。酵素がはたらくためには、活性部位の形が保たれていることが欠かせない。
最適温度・最適pHと失活、補酵素
多くの酵素には、反応がいちばん速く進む最適温度と最適pHがある。ヒトの消化酵素(新しいタブで開きます)の多くは体温に近い温度で最もよくはたらくが、最適pHは酵素の種類によって異なり、ペプシンは強い酸性、トリプシンは弱い塩基(新しいタブで開きます)性でよくはたらく。
最適温度を大きく超える高温にすると、酵素のタンパク質の立体構造がくずれて活性部位の形が変わり、基質と結合できなくなる。この現象を失活という。いったん失活すると、温度を戻してもはたらきは回復しない。
酵素の中には、反応を進めるために補酵素という低分子(新しいタブで開きます)の物質を必要とするものがある。補酵素は酵素本体から離れて再利用されるが、熱に強く、加熱しても壊れにくい性質をもつ。
競争的阻害とアロステリック酵素によるフィードバック調節
基質に似た構造をもつ物質が活性部位に結合すると、基質が結合できなくなり反応が妨げられる。これを競争的阻害という。阻害物質の濃度(新しいタブで開きます)に対して基質の濃度を十分高くすると、阻害の影響は小さくなる。
酵素の中には、活性部位とは別の部位に特定の物質が結合すると立体構造全体が変化し、活性部位のはたらきが変わるアロステリック酵素がある。
代謝(新しいタブで開きます)の最終産物がアロステリック酵素に結合してそのはたらきを抑えることで、生成物が増えすぎないよう反応全体を調整するしくみをフィードバック調節という。細胞は、このしくみで代謝の速度(新しいタブで開きます)を必要な量に合わせている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/enzyme-structure-and-regulation/?from=print#quiz
酵素の表面で基質が結合する決まった部分を何というか。
- ◯ 受容体
- ◯ 細胞壁
- ◯ 活性部位
- ◯ 細胞骨格
正解:活性部位
酵素(新しいタブで開きます)の表面の決まった部分である活性部位に基質が結合することで反応が進み、基質特異性が生じる。最適温度を大きく超える高温で酵素の立体構造がくずれ、はたらきを失うことを何というか。
- ◯ 浮動
- ◯ 隔離
- ◯ 置換
- ◯ 失活
正解:失活
酵素のタンパク質の立体構造が高温でくずれて活性部位の形が変わり、基質と結合できなくなる現象を失活という。基質に似た物質が活性部位に結合し、基質の結合を妨げる現象を何というか。
- ◯ 基質特異性
- ◯ フィードバック調節
- ◯ アロステリック効果
- ◯ 競争的阻害
正解:競争的阻害
基質に似た構造をもつ物質が活性部位に結合し、基質が結合できなくなる現象を競争的阻害という。代謝の最終産物がアロステリック酵素に結合してはたらきを抑え、生成物の量を調整するしくみを何というか。
- ◯ 細胞内共生
- ◯ 基質特異性
- ◯ 能動輸送
- ◯ フィードバック調節
正解:フィードバック調節
代謝(新しいタブで開きます)の最終産物がアロステリック酵素に結合してそのはたらきを抑えるしくみをフィードバック(新しいタブで開きます)調節という。
単元のポイント
- 活性部位・基質特異性 酵素が基質と結合する決まった部分と、決まった基質にしか結合しない性質
- 最適温度・最適pH・失活 酵素が最もよくはたらく温度とpH。大きく外れると立体構造がくずれはたらきを失う
- 補酵素 酵素のはたらきに必要な低分子の物質。熱に強く、酵素本体から離れて再利用される
- 競争的阻害とアロステリック酵素 基質に似た物質が活性部位をふさぐ阻害と、別の部位への結合で全体の構造が変わる酵素