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渦電流(うずでんりゅう)

カンガルー先生コイルのような輪(わ)が無(な)くても、金属(きんぞく)の中(なか)には渦(うず)を巻(ま)く誘導電流(ゆうどうでんりゅう)が流(なが)れるよ。向(む)きはレンツの法則(ほうそく)のまま。

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  1. 金属(きんぞく)の板(いた)や塊(かたまり)のような導体(どうたい)を貫(つらぬ)く磁束(じそく)(新しいタブで開きます)が変化(へんか)すると、決(き)まった回路(かいろ)がなくても導体(どうたい)の内部(ないぶ)に渦(うず)を巻(ま)くように誘導電流(ゆうどうでんりゅう)(新しいタブで開きます)が流(なが)れる。これを渦電流(うずでんりゅう)という。
  2. 渦電流(うずでんりゅう)もレンツの法則(ほうそく)(新しいタブで開きます)にしたがい、磁束(じそく)の変化(へんか)を妨(さまた)げる向(む)きに流(なが)れるので、導体(どうたい)が磁場(じば)の中(なか)を動(うご)くときは運動(うんどう)を妨(さまた)げる向(む)きの力(ちから)(電磁(でんじ)ブレーキの力(ちから))がはたらく。
  3. 導体(どうたい)にすき間(ま)を入(い)れたり、薄(うす)い板(いた)を重(かさ)ねたりして渦電流(うずでんりゅう)の経路(けいろ)を分断(ぶんだん)すると、渦電流(うずでんりゅう)とそれによる発熱(はつねつ)(損失(そんしつ))を小(ちい)さくできる。

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詳しく

渦電流(うずでんりゅう)としくみ

コイルのように決(き)まった形(かたち)の回路(かいろ)がなくても、金属(きんぞく)の板(いた)や塊(かたまり)のような広(ひろ)がった導体(どうたい)を貫(つらぬ)く磁束(じそく)が変化(へんか)すると、電磁誘導(でんじゆうどう)によって導体(どうたい)の内部(ないぶ)に誘導電流(ゆうどうでんりゅう)が生(しょう)じる。この電流(でんりゅう)は、導体(どうたい)の中(なか)で渦(うず)を巻(ま)くように流(なが)れるので渦電流(うずでんりゅう)とよばれる。

渦電流(うずでんりゅう)も、レンツの法則(ほうそく)にしたがって磁束(じそく)の変化(へんか)を妨(さまた)げる向(む)きに流(なが)れる。そのため、導体(どうたい)が磁場(じば)の中(なか)を動(うご)いているときは、運動(うんどう)を妨(さまた)げる向(む)きの力(ちから)が渦電流(うずでんりゅう)と磁場(じば)の間(あいだ)にはたらく。この力(ちから)を利用(りよう)した仕組(しく)みを電磁(でんじ)ブレーキという。

例(れい):すき間(ま)の多(おお)い板(いた)とない板(いた)の違(ちが)い

一様(いちよう)な磁場(じば)の中(なか)に金属(きんぞく)の板(いた)を振(ふ)り子(こ)のように振(ふ)って通(とお)すと、すき間(ま)のない板(いた)は磁場(じば)の中(なか)で大(おお)きな渦電流(うずでんりゅう)が流(なが)れ、電磁(でんじ)ブレーキの力(ちから)で振(ふ)れがすぐに小(ちい)さくなる。板(いた)に細(ほそ)いすき間(ま)を何本(なんぼん)も入(い)れておくと、渦電流(うずでんりゅう)の流(なが)れる経路(けいろ)が分断(ぶんだん)されて渦電流(うずでんりゅう)が小(ちい)さくなり、振(ふ)れはあまり小(ちい)さくならずに通(とお)り抜(ぬ)ける。

同(おな)じしくみで、電磁誘導(でんじゆうどう)を利用(りよう)するIH調理(ちょうり)器(き)は、コイルに流(なが)した交流(こうりゅう)(新しいタブで開きます)で鍋底(なべぞこ)に渦電流(うずでんりゅう)を流(なが)し、そのジュール熱(ねつ)(新しいタブで開きます)で鍋(なべ)そのものを発熱(はつねつ)させる。一方(いっぽう)、変圧器(へんあつき)(新しいタブで開きます)やモーターの鉄心(てっしん)は、渦電流(うずでんりゅう)による発熱(はつねつ)(損失(そんしつ))を減(へ)らすため、薄(うす)い鉄板(てっぱん)を何枚(なんまい)も重(かさ)ねて絶縁(ぜつえん)した積層(せきそう)構造(こうぞう)だ。

すき間のない板(大きく減速)とすき間のある板(あまり減速しない)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜすき間(ま)を入(い)れると渦電流(うずでんりゅう)が小(ちい)さくなるのか

渦電流(うずでんりゅう)の大(おお)きさは、ファラデーの電磁誘導(でんじゆうどう)の法則(ほうそく)と同(おな)じく、電流(でんりゅう)の流(なが)れる経路(けいろ)が囲(かこ)む面積(めんせき)を貫(つらぬ)く磁束(じそく)の変化(へんか)の速(はや)さに関係(かんけい)する。板(いた)にすき間(ま)を入(い)れると、1つの輪(わ)としてつながっていた経路(けいろ)が小(ちい)さく分断(ぶんだん)され、それぞれの輪(わ)が囲(かこ)む面積(めんせき)が小(ちい)さくなる。

囲(かこ)む面積(めんせき)が小(ちい)さいほど、その輪(わ)を貫(つらぬ)く磁束(じそく)もその変化(へんか)も小(ちい)さくなるので、流(なが)れる渦電流(うずでんりゅう)は小(ちい)さくなる。変圧器(へんあつき)やモーターの鉄心(てっしん)を薄(うす)い板(いた)の積(つ)み重(かさ)ねにするのも、同(おな)じ理由(りゆう)で渦電流(うずでんりゅう)の経路(けいろ)を細(こま)かく分断(ぶんだん)するためだ。

渦電流(うずでんりゅう)そのものはジュール熱(ねつ)として失(うしな)われるエネルギーなので、むだな発熱(はつねつ)を減(へ)らしたい装置(そうち)では小(ちい)さくするくふうをし、逆(ぎゃく)にIH調理(ちょうり)器(き)のようにその発熱(はつねつ)を利用(りよう)したい装置(そうち)では、わざと大(おお)きくなるように設計(せっけい)する。

厚い鉄心(大きな渦電流)と積層鉄心(小さな渦電流の集まり)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

確認問題

問題 1 / 4金属(きんぞく)の板(いた)のような、コイルの形(かたち)をしていない導体(どうたい)にも渦電流(うずでんりゅう)が流(なが)れる理由(りゆう)として正(ただ)しいものはどれか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/eddy-currents/?from=print#quiz

  1. 金属(きんぞく)の板(いた)のような、コイルの形(かたち)をしていない導体(どうたい)にも渦電流(うずでんりゅう)が流(なが)れる理由(りゆう)として正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ 渦電流(うずでんりゅう)は金属(きんぞく)の温度(おんど)が高(たか)いときにしか流(なが)れないため
    • ◯ 渦電流(うずでんりゅう)は交流(こうりゅう)の電源(でんげん)につないだときにしか現(あらわ)れない現象(げんしょう)だから
    • ◯ 渦電流(うずでんりゅう)は磁場(じば)が無(な)くても自然(しぜん)に流(なが)れている電流(でんりゅう)だから
    • ◯ 導体(どうたい)を貫(つらぬ)く磁束(じそく)が変化(へんか)すると、決(き)まった回路(かいろ)がなくても導体(どうたい)内部(ないぶ)に電磁誘導(でんじゆうどう)で誘導電流(ゆうどうでんりゅう)が生(しょう)じるため

    正解:導体を貫く磁束が変化すると、決まった回路がなくても導体内部に電磁誘導で誘導電流が生じるため
    電磁誘導(でんじゆうどう)(新しいタブで開きます)は、コイルのような決(き)まった回路(かいろ)がなくても、導体(どうたい)を貫(つらぬ)く磁束(じそく)(新しいタブで開きます)が変化(へんか)しさえすれば起(お)こる。広(ひろ)がった導体(どうたい)では、誘導電流(ゆうどうでんりゅう)が内部(ないぶ)で渦(うず)を巻(ま)くように流(なが)れ、渦電流(うずでんりゅう)とよばれる。

  2. 細(ほそ)いすき間(ま)を何本(なんぼん)も入(い)れた金属板(きんぞくばん)を磁場(じば)の中(なか)で振(ふ)り子(こ)のように振(ふ)ると、すき間(ま)のない板(いた)に比(くら)べて渦電流(うずでんりゅう)と電磁(でんじ)ブレーキの力(ちから)はどうなるか。

    • ◯ すき間(ま)を入(い)れると渦電流(うずでんりゅう)はむしろ大(おお)きくなる
    • ◯ 渦電流(うずでんりゅう)もブレーキの力(ちから)も、すき間(ま)の有無(うむ)で変(か)わらない
    • ◯ 渦電流(うずでんりゅう)の大(おお)きさは変(か)わらないが、ブレーキの力(ちから)だけ大(おお)きくなる
    • ◯ 渦電流(うずでんりゅう)の経路(けいろ)が分断(ぶんだん)されて小(ちい)さくなり、ブレーキの力(ちから)も小(ちい)さくなる

    正解:渦電流の経路が分断されて小さくなり、ブレーキの力も小さくなる
    すき間(ま)を入(い)れると、渦電流(うずでんりゅう)が流(なが)れる1つの輪(わ)が小(ちい)さく分断(ぶんだん)され、それぞれの輪(わ)が囲(かこ)む面積(めんせき)が小(ちい)さくなる。囲(かこ)む面積(めんせき)が小(ちい)さいほど渦電流(うずでんりゅう)は小(ちい)さくなるので、電磁(でんじ)ブレーキの力(ちから)も小(ちい)さくなる。

  3. IH調理(ちょうり)器(き)が鍋(なべ)を温(あたた)めるしくみとして正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ コイル自体(じたい)が高温(こうおん)になり、その熱(ねつ)を鍋(なべ)に伝(つた)えている
    • ◯ コイルから出(で)る光(ひかり)(赤外線(せきがいせん))で鍋(なべ)を加熱(かねつ)している
    • ◯ コイルに流(なが)した交流(こうりゅう)で鍋底(なべぞこ)に渦電流(うずでんりゅう)を流(なが)し、そのジュール熱(ねつ)で鍋(なべ)自体(じたい)を発熱(はつねつ)させる
    • ◯ 鍋(なべ)の中(なか)の水(みず)に直接(ちょくせつ)電流(でんりゅう)を流(なが)して発熱(はつねつ)させている

    正解:コイルに流した交流で鍋底に渦電流を流し、そのジュール熱で鍋自体を発熱させる
    IH調理(ちょうり)器(き)は、コイルに交流(こうりゅう)(新しいタブで開きます)を流(なが)して変化(へんか)する磁場(じば)をつくり、鍋底(なべぞこ)に渦電流(うずでんりゅう)を流(なが)す。渦電流(うずでんりゅう)によるジュール熱(ねつ)(新しいタブで開きます)で鍋(なべ)そのものが発熱(はつねつ)する仕組(しく)みで、コイル自体(じたい)や光(ひかり)で加熱(かねつ)しているわけではない。

  4. 変圧器(へんあつき)やモーターの鉄心(てっしん)を、1枚(まい)の厚(あつ)い鉄(てつ)の塊(かたまり)ではなく、絶縁(ぜつえん)した薄(うす)い鉄板(てっぱん)を何枚(なんまい)も重(かさ)ねてつくる理由(りゆう)として正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ コストを下(さ)げるためだけで、性能(せいのう)にはまったく関係(かんけい)ない
    • ◯ 鉄心(てっしん)の磁力(じりょく)をより強(つよ)くするため
    • ◯ 鉄心(てっしん)を軽(かる)くするためで、電気(でんき)的(てき)な性質(せいしつ)には関係(かんけい)ない
    • ◯ 渦電流(うずでんりゅう)の経路(けいろ)を細(こま)かく分断(ぶんだん)し、渦電流(うずでんりゅう)による発熱(はつねつ)(損失(そんしつ))を減(へ)らすため

    正解:渦電流の経路を細かく分断し、渦電流による発熱(損失)を減らすため
    厚(あつ)い鉄(てつ)の塊(かたまり)だと渦電流(うずでんりゅう)が流(なが)れる輪(わ)が大(おお)きく、損失(そんしつ)(発熱(はつねつ))も大(おお)きい。薄(うす)い鉄板(てっぱん)を絶縁(ぜつえん)して重(かさ)ねると、渦電流(うずでんりゅう)の経路(けいろ)が細(こま)かく分断(ぶんだん)されて輪(わ)が小(ちい)さくなり、渦電流(うずでんりゅう)による損失(そんしつ)を減(へ)らせる。

単元のポイント

  • 渦電流(うずでんりゅう) 導体(どうたい)を貫(つらぬ)く磁束(じそく)の変化(へんか)によって、導体(どうたい)内部(ないぶ)に渦(うず)を巻(ま)くように流(なが)れる誘導電流(ゆうどうでんりゅう)
  • 電磁(でんじ)ブレーキ 渦電流(うずでんりゅう)と磁場(じば)の間(あいだ)にはたらく、運動(うんどう)を妨(さまた)げる向(む)きの力(ちから)を利用(りよう)した仕組(しく)み
  • IH調理(ちょうり)器(き) 鍋底(なべぞこ)に渦電流(うずでんりゅう)を流(なが)し、そのジュール熱(ねつ)で鍋(なべ)自体(じたい)を発熱(はつねつ)させる
  • 積層(せきそう)鉄心(てっしん) 渦電流(うずでんりゅう)の経路(けいろ)を分断(ぶんだん)して発熱(はつねつ)(損失(そんしつ))を減(へ)らすため、薄(うす)い鉄板(てっぱん)を重(かさ)ねてつくる
問題を解く
単元のポイント
  • 渦電流(うずでんりゅう) 導体(どうたい)を貫(つらぬ)く磁束(じそく)の変化(へんか)によって、導体(どうたい)内部(ないぶ)に渦(うず)を巻(ま)くように流(なが)れる誘導電流(ゆうどうでんりゅう)
  • 電磁(でんじ)ブレーキ 渦電流(うずでんりゅう)と磁場(じば)の間(あいだ)にはたらく、運動(うんどう)を妨(さまた)げる向(む)きの力(ちから)を利用(りよう)した仕組(しく)み
  • IH調理(ちょうり)器(き) 鍋底(なべぞこ)に渦電流(うずでんりゅう)を流(なが)し、そのジュール熱(ねつ)で鍋(なべ)自体(じたい)を発熱(はつねつ)させる
  • 積層(せきそう)鉄心(てっしん) 渦電流(うずでんりゅう)の経路(けいろ)を分断(ぶんだん)して発熱(はつねつ)(損失(そんしつ))を減(へ)らすため、薄(うす)い鉄板(てっぱん)を重(かさ)ねてつくる