本文へ移動

鉛蓄電池(なまりちくでんち)の反応(はんのう)と量的関係(りょうてきかんけい)

カメレオン先生負極(ふきょく)も正極(せいきょく)も、放電(ほうでん)が進(すす)むと同(おな)じ物質(ぶっしつ)PbSO₄に変(か)わる。質量(しつりょう)の計算(けいさん)は、電子(でんし)2molごとに何(なん)gの物質(ぶっしつ)が変(か)わるかで考(かんが)えよう。

30秒でつかむ

  1. 鉛蓄電池(なまりちくでんち)は、負極(ふきょく)にPb、正極(せいきょく)にPbO₂、電解(でんかい)液(えき)に希(き)硫酸(りゅうさん)を使(つか)う、くり返(かえ)し使(つか)える二次(にじ)電池(でんち)(新しいタブで開きます)である。
  2. 放電(ほうでん)では両極(りょうきょく)の表面(ひょうめん)にPbSO₄が付着(ふちゃく)するため、負極(ふきょく)・正極(せいきょく)ともに質量(しつりょう)が増(ふ)える。
  3. 充電(じゅうでん)(新しいタブで開きます)は放電(ほうでん)と逆(ぎゃく)向(む)きの反応(はんのう)で、外部(がいぶ)電源(でんげん)を使(つか)って元(もと)のPbとPbO₂に戻(もど)す電気(でんき)分解(ぶんかい)(新しいタブで開きます)である。

ChatGPT に解説してもらう(新しいタブで開きます)

詳しく

鉛蓄電池(なまりちくでんち)の構造(こうぞう)と放電(ほうでん)・充電(じゅうでん)の反応(はんのう)式(しき)

鉛蓄電池(なまりちくでんち)は、負極(ふきょく)に鉛(なまり)Pb、正極(せいきょく)に酸化(さんか)鉛(なまり)(Ⅳ)PbO₂を使(つか)い、電解(でんかい)液(えき)に希(き)硫酸(りゅうさん)H₂SO₄を使(つか)う電池(でんち)である。自動車(じどうしゃ)のバッテリーなどに使(つか)われ、放電(ほうでん)したあとも充電(じゅうでん)すれば繰(く)り返(かえ)し使(つか)える二次(にじ)電池(でんち)(蓄電池(ちくでんち))の代表(だいひょう)例(れい)である。

放電(ほうでん)では、負極(ふきょく)でPbが電子(でんし)を放(はな)して硫酸(りゅうさん)鉛(なまり)(Ⅱ)PbSO₄になる:Pb + SO₄²⁻ → PbSO₄ + 2e⁻。正極(せいきょく)ではPbO₂が電子(でんし)を受(う)け取(と)り、同(おな)じくPbSO₄になる:PbO₂ + 4H⁺ + SO₄²⁻ + 2e⁻ → PbSO₄ + 2H₂O。2つの式(しき)をまとめると、全体(ぜんたい)の反応(はんのう)は Pb + PbO₂ + 2H₂SO₄ → 2PbSO₄ + 2H₂O となる。

充電(じゅうでん)は、外部(がいぶ)の電源(でんげん)から放電(ほうでん)と逆(ぎゃく)向(む)きに電流(でんりゅう)を流(なが)す電気(でんき)分解(ぶんかい)である。両極(りょうきょく)に付(つ)いたPbSO₄が、それぞれ元(もと)のPbとPbO₂に戻(もど)るとともに、消費(しょうひ)されたH₂SO₄も再生(さいせい)されるしくみだ。放電(ほうでん)と充電(じゅうでん)は、同(おな)じ反応(はんのう)を逆(ぎゃく)方向(ほうこう)にたどる関係(かんけい)にある。

鉛蓄電池の放電と充電Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例(れい):放電(ほうでん)にともなう両極(りょうきょく)の質量(しつりょう)変化(へんか)

放電(ほうでん)では負極(ふきょく)のPb(原子(げんし)量(りょう)207)がPbSO₄(式(しき)量(りょう)(新しいタブで開きます)303)に変(か)わるので、電子(でんし)2molが流(なが)れるごとに負極(ふきょく)の質量(しつりょう)は303-207=96g増(ふ)える。正極(せいきょく)のPbO₂(式(しき)量(りょう)239)もPbSO₄(式(しき)量(りょう)303)に変(か)わるので、電子(でんし)2molごとに正極(せいきょく)の質量(しつりょう)は303-239=64g増(ふ)える。

例題(れいだい):鉛蓄電池(なまりちくでんち)を放電(ほうでん)させ、電子(でんし)が0.50mol流(なが)れたとする。負極(ふきょく)の質量(しつりょう)増加(ぞうか)は、96g÷2mol×0.50mol=24.0g。正極(せいきょく)の質量(しつりょう)増加(ぞうか)は、64g÷2mol×0.50mol=16.0g。両極(りょうきょく)を合(あ)わせた質量(しつりょう)の増加(ぞうか)は24.0+16.0=40.0gになる。

このように、両極(りょうきょく)の質量(しつりょう)変化(へんか)は反応(はんのう)式(しき)の係数(けいすう)(新しいタブで開きます)(電子(でんし)2molあたりの質量(しつりょう)変化(へんか))と、実際(じっさい)に流(なが)れた電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)から計算(けいさん)できる。流(なが)れた電子(でんし)の物質(ぶっしつ)量(りょう)は、次(つぎ)のページで学(まな)ぶファラデーの法則(ほうそく)から求(もと)められる。

電子0.50mol分の両極の質量増加Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ放電(ほうでん)が進(すす)むと電解(でんかい)液(えき)の密度(みつど)が下(さ)がるのか

放電(ほうでん)の全体(ぜんたい)の反応(はんのう)式(しき) Pb + PbO₂ + 2H₂SO₄ → 2PbSO₄ + 2H₂O を見(み)ると、放電(ほうでん)が進(すす)むほど希(き)硫酸(りゅうさん)H₂SO₄が消費(しょうひ)され、代(か)わりに水(みず)H₂Oが生成(せいせい)する。つまり、電解(でんかい)液(えき)の中(なか)で硫酸(りゅうさん)の割合(わりあい)が減(へ)り、水(みず)の割合(わりあい)が増(ふ)えていく。

硫酸(りゅうさん)は水(みず)よりも密度(みつど)(新しいタブで開きます)が大(おお)きいため、電解(でんかい)液中(えきちゅう)の硫酸(りゅうさん)の割合(わりあい)が下(さ)がると電解(でんかい)液(えき)全体(ぜんたい)の密度(みつど)も下(さ)がる。鉛蓄電池(なまりちくでんち)では、この電解(でんかい)液(えき)の密度(みつど)を比重(ひじゅう)計(けい)で測(はか)ることで、充電(じゅうでん)がどれだけ残(のこ)っているかを調(しら)べられる。

逆(ぎゃく)に充電(じゅうでん)を行(おこな)うと、PbSO₄がPbとPbO₂に戻(もど)る一方(いっぽう)で硫酸(りゅうさん)H₂SO₄が再(ふたた)び生成(せいせい)するため、電解(でんかい)液(えき)の密度(みつど)は放電(ほうでん)前(まえ)の値(あたい)に近(ちか)づいていく。

確認問題

問題 1 / 4鉛蓄電池(なまりちくでんち)を放電(ほうでん)させ、電子(でんし)が0.20mol流(なが)れたとき、負極(ふきょく)の質量(しつりょう)は何(なん)g増加(ぞうか)するか。Pbの原子(げんし)量(りょう)は207、PbSO₄の式(しき)量(りょう)は303とする。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/lead-acid-battery-reactions-and-quantities/?from=print#quiz

  1. 鉛蓄電池(なまりちくでんち)を放電(ほうでん)させ、電子(でんし)が0.20mol流(なが)れたとき、負極(ふきょく)の質量(しつりょう)は何(なん)g増加(ぞうか)するか。Pbの原子(げんし)量(りょう)は207、PbSO₄の式(しき)量(りょう)は303とする。

    答え:____________

    正解:9.6
    負極(ふきょく)はPb(207)→PbSO₄(303)で、電子(でんし)2molあたり303-207=96g増(ふ)える。96÷2×0.20=9.6g。

  2. 鉛蓄電池(なまりちくでんち)を放電(ほうでん)させ、電子(でんし)が0.20mol流(なが)れたとき、正極(せいきょく)の質量(しつりょう)は何(なん)g増加(ぞうか)するか。PbO₂の式(しき)量(りょう)は239、PbSO₄の式(しき)量(りょう)は303とする。

    答え:____________

    正解:6.4
    正極(せいきょく)はPbO₂(239)→PbSO₄(303)で、電子(でんし)2molあたり303-239=64g増(ふ)える。64÷2×0.20=6.4g。

  3. 鉛蓄電池(なまりちくでんち)の充電(じゅうでん)はどのような操作(そうさ)か。

    • ◯ 電解(でんかい)液(えき)を入(い)れ替(か)える操作(そうさ)
    • ◯ 放電(ほうでん)と同(おな)じ方向(ほうこう)に自然(しぜん)に進(すす)む反応(はんのう)
    • ◯ 電極(でんきょく)を加熱(かねつ)する操作(そうさ)
    • ◯ 外部(がいぶ)電源(でんげん)を使(つか)って放電(ほうでん)と逆(ぎゃく)方向(ほうこう)に電流(でんりゅう)を流(なが)す電気(でんき)分解(ぶんかい)

    正解:外部電源を使って放電と逆方向に電流を流す電気分解
    充電(じゅうでん)(新しいタブで開きます)は、外部(がいぶ)電源(でんげん)から放電(ほうでん)と逆(ぎゃく)向(む)きに電流(でんりゅう)を流(なが)す電気(でんき)分解(ぶんかい)(新しいタブで開きます)で、PbSO₄を元(もと)のPbとPbO₂に戻(もど)す。

  4. 鉛蓄電池(なまりちくでんち)の放電(ほうでん)が進(すす)むと、電解(でんかい)液(えき)(希(き)硫酸(りゅうさん))の密度(みつど)はどうなるか。

    • ◯ 下(さ)がる
    • ◯ 一度(いちど)上(あ)がってから下(さ)がる
    • ◯ 変(か)わらない
    • ◯ 上(あ)がる

    正解:下がる
    放電(ほうでん)が進(すす)むと密度(みつど)(新しいタブで開きます)の大(おお)きい硫酸(りゅうさん)が消費(しょうひ)され、水(みず)が生成(せいせい)するため、電解(でんかい)液(えき)の密度(みつど)は下(さ)がる。

単元のポイント

  • 負極(ふきょく)の反応(はんのう)(放電(ほうでん)) Pb + SO₄²⁻ → PbSO₄ + 2e⁻
  • 正極(せいきょく)の反応(はんのう)(放電(ほうでん)) PbO₂ + 4H⁺ + SO₄²⁻ + 2e⁻ → PbSO₄ + 2H₂O
  • 全体(ぜんたい)の反応(はんのう)(放電(ほうでん)) Pb + PbO₂ + 2H₂SO₄ → 2PbSO₄ + 2H₂O
  • 充電(じゅうでん)(新しいタブで開きます) 外部(がいぶ)電源(でんげん)で放電(ほうでん)と逆(ぎゃく)の反応(はんのう)を起(お)こし、PbSO₄をPbとPbO₂に戻(もど)す電気(でんき)分解(ぶんかい)
問題を解く
単元のポイント
  • 負極(ふきょく)の反応(はんのう)(放電(ほうでん)) Pb + SO₄²⁻ → PbSO₄ + 2e⁻
  • 正極(せいきょく)の反応(はんのう)(放電(ほうでん)) PbO₂ + 4H⁺ + SO₄²⁻ + 2e⁻ → PbSO₄ + 2H₂O
  • 全体(ぜんたい)の反応(はんのう)(放電(ほうでん)) Pb + PbO₂ + 2H₂SO₄ → 2PbSO₄ + 2H₂O
  • 充電(じゅうでん)(新しいタブで開きます) 外部(がいぶ)電源(でんげん)で放電(ほうでん)と逆(ぎゃく)の反応(はんのう)を起(お)こし、PbSO₄をPbとPbO₂に戻(もど)す電気(でんき)分解(ぶんかい)