
気体の状態方程式による分子量の測定
カメレオン先生状態方程式はpV=nRTのまま。nのところに質量m÷分子量Mを入れて、Mだけを求める式に組み直すのがポイントだよ。
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- 理想気体の状態方程式(新しいタブで開きます)pV=nRTのnに質量m÷分子量(新しいタブで開きます)Mを代入すると、M=mRT/(pV)として分子量が求まる。
- 揮発性の液体を完全に気体にして質量・体積・圧力・温度を測れば、未知の物質の分子量を実験的に求められる。
- 測定は沸点(新しいタブで開きます)より十分高い温度・低い圧力で行い、気体が理想気体に近いふるまいをする条件をそろえる必要がある。
詳しく
状態方程式から分子量を求める式
理想気体の状態方程式の物質量は、気体の質量〔g〕を分子量(モル質量(新しいタブで開きます))〔g/mol〕で割ったで表せる。これを代入するととなり、について解くとという式が成り立つ。
つまり、気体の質量・圧力・体積・絶対温度(新しいタブで開きます)の4つを測れば、分子(新しいタブで開きます)がどんな物質か分からなくても分子量を計算できる。これが状態方程式による分子量の測定である。
測定するのは、常温では液体でも加熱すれば気体になる揮発性の液体が多い。少量の液体を体積の分かったフラスコに入れ、沸点より十分高い温度の湯で加熱してすべて気体にしたあと、フラスコ内の気体の質量・圧力・温度を測る。
例:未知の揮発性液体の分子量を求める
例題:体積500mLのフラスコに揮発性の液体を少量入れ、77℃(350K)の湯で加熱してフラスコ内を気体で満たした。大気圧(新しいタブで開きます)1.0×10⁵Paのもと、フラスコ内の気体の質量は1.5gだった。この物質の分子量はいくらか(気体定数R=8.3J/(mol・K)とする)。
式に、g、、K、Pa、m³を代入すると、となる。
分子を計算すると、分母はなので、87g/molになる。これは分子量88の酢酸エチルに近い値であり、実際にもこの方法で揮発性の液体の分子量を求める実験が行われている。
なぜこの方法で正しく測れるのか
この方法が成り立つのは、気体が理想気体の状態方程式にほぼ従うという前提があるからだ。沸点に近い温度や高い圧力では、分子自身の大きさや分子間力(新しいタブで開きます)の影響(次のページで見る実在気体(新しいタブで開きます)のずれ)が大きくなり、計算した分子量が実際の値から外れやすくなる。
そのため測定では、沸点より十分高い温度まで加熱して液体が完全に気体になったことを確かめ、圧力もできるだけ大気圧程度の低い範囲に保つのが望ましい。これにより、実在気体を理想気体として扱ってよい条件に近づける。
気体の状態方程式そのもの(ボイルの法則・シャルルの法則とpV=nRT)は物理の単元「気体分子の運動」で学んだ内容と同じものであり、ここではその式を分子量という未知の量を求める道具として使っている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/molar-mass-measurement-by-gas-equation/?from=print#quiz
体積300mLの丸底フラスコに揮発性の液体を少量入れ、100℃(373K)の湯で加熱してフラスコ内を気体で満たした。大気圧1.0×10⁵Paのもと、フラスコ内の気体の質量は0.62gだった。この物質の分子量はいくらか(気体定数R=8.3J/(mol・K)とする)。
答え:____________
正解:64
M=mRT/(pV)=(0.62×8.3×373)/(1.0×10⁵×3.0×10⁻⁴)=1919.5/30≒64g/mol。状態方程式による分子量の測定を正しく行うための条件として最も適切なものはどれか。
- ◯ フラスコの体積はできるだけ測らず、気体の量だけに注目する
- ◯ 液体をその沸点より十分高い温度まで加熱し、液体が残っていないことを確かめる
- ◯ 圧力をできるだけ高くして、気体を圧縮してから測る
- ◯ できるだけ沸点に近い低い温度で、ゆっくり気体にする
正解:液体をその沸点より十分高い温度まで加熱し、液体が残っていないことを確かめる
液体が少しでも残っていると、フラスコ内の気体の物質量が合わなくなる。沸点(新しいタブで開きます)より十分高い温度まで加熱して完全に気体にし、かつ圧力も低めに保つことで理想気体(新しいタブで開きます)に近いふるまいに近づける。この実験で、実在気体ではなく理想気体の状態方程式pV=nRTを使って分子量を計算してよい理由として最も適切なものはどれか。
- ◯ 分子量が大きい物質ほど理想気体に近づくから
- ◯ すべての気体は、温度や圧力に関係なくつねに理想気体として扱えるから
- ◯ 液体から気体になった直後は必ず理想気体になるから
- ◯ 測定の温度が沸点より十分高く、圧力も低いため、理想気体に近いふるまいをするから
正解:測定の温度が沸点より十分高く、圧力も低いため、理想気体に近いふるまいをするから
すべての気体がつねに理想気体なわけではない。高温・低圧という条件がそろうと、分子(新しいタブで開きます)自身の体積や分子間力(新しいタブで開きます)の影響が小さくなり、実在気体(新しいタブで開きます)でも理想気体の状態方程式に近いふるまいをするようになる。
単元のポイント
- M=mRT/(pV) 質量m・圧力p・体積V・絶対温度Tを測れば、状態方程式から分子量Mが求まる
- 測定の手順 少量の液体を体積の分かった容器に入れ、沸点より高い温度で完全に気体にしてから質量・圧力・温度を測る
- 理想気体に近づける条件 沸点より十分高い温度・低い圧力にすることで、実在気体を理想気体に近いものとして扱える