本文へ移動

モル比熱(ひねつ)と熱機関(ねつきかん)の熱効率(ねつこうりつ)

カンガルー先生同(おな)じ1K上(あ)げるのでも、膨張(ぼうちょう)しながらだと仕事(しごと)の分(ぶん)だけ熱(ねつ)が多(おお)くいる。熱機関(ねつきかん)は、もらった熱(ねつ)の一部(いちぶ)をどうしても捨(す)てるんだ。

30秒でつかむ

  1. 気体(きたい)1molの温度(おんど)を1K上(あ)げるのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)をモル比熱(ひねつ)といい、体積(たいせき)一定(いってい)のときを定(てい)積(せき)モル比熱(ひねつ)、圧力(あつりょく)一定(いってい)のときを定圧(ていあつ)モル比熱(ひねつ)という。
  2. 単(たん)原子(げんし)分子(ぶんし)理想(りそう)気体(きたい)(新しいタブで開きます)では定(てい)積(せき)モル比熱(ひねつ)が(3/2)R、定圧(ていあつ)モル比熱(ひねつ)が(5/2)Rで、その差(さ)がRになる関係(かんけい)をマイヤーの関係(かんけい)という。
  3. 熱機関(ねつきかん)は高温(こうおん)から熱(ねつ)Q₁を受(う)け取(と)り、仕事(しごと)(新しいタブで開きます)W′をして、低温(ていおん)へ熱(ねつ)Q₂を捨(す)てる。熱効率(ねつこうりつ)e=W′/Q₁は必(かなら)ず1より小(ちい)さい。

ChatGPT に解説してもらう(新しいタブで開きます)

詳しく

モル比熱(ひねつ)と熱効率(ねつこうりつ)の式(しき)

気体(きたい)1molの温度(おんど)を1K上(あ)げるのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)をモル比熱(ひねつ)といい、単位(たんい)はJ/(mol・K)。体積(たいせき)を一定(いってい)に保(たも)つときを定(てい)積(せき)モル比熱(ひねつ)CVC_V、圧力(あつりょく)を一定(いってい)に保(たも)つときを定圧(ていあつ)モル比熱(ひねつ)CpC_pという。単(たん)原子(げんし)分子(ぶんし)理想(りそう)気体(きたい)ではCV=32RC_V=\dfrac{3}{2}R、Cp=52RC_p=\dfrac{5}{2}Rである。

理想(りそう)気体(きたい)(新しいタブで開きます)では、気体(きたい)の種類(しゅるい)によらずCp=CV+RC_p=C_V+Rが成(な)り立(た)つ。これをマイヤーの関係(かんけい)という。

熱(ねつ)を受(う)け取(と)ってくり返(かえ)し仕事(しごと)をする装置(そうち)を熱機関(ねつきかん)という。1サイクルで高温(こうおん)の物体(ぶったい)から熱(ねつ)Q1Q_1を受(う)け取(と)り、外(そと)に仕事(しごと)W′W'をして、低温(ていおん)の物体(ぶったい)へ熱(ねつ)Q2Q_2を捨(す)てるとき、W′=Q1−Q2W'=Q_1-Q_2。受(う)け取(と)った熱(ねつ)のうち仕事(しごと)になった割合(わりあい)e=W′Q1e=\dfrac{W'}{Q_1}を熱効率(ねつこうりつ)という。

熱機関のエネルギーの流れ(W′=Q₁−Q₂)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例題(れいだい):ヘリウムを温(あたた)める熱量(ねつりょう)と熱効率(ねつこうりつ)

例題(れいだい)1:ヘリウム2.0molを、体積(たいせき)を一定(いってい)に保(たも)って10K温(あたた)める。R=8.3R=8.3J/(mol・K)としてQ=nCVΔT=2.0×32×8.3×10Q=nC_V\Delta T=2.0\times\dfrac{3}{2}\times8.3\times10を計算(けいさん)すると、必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)は249Jになる。

例題(れいだい)2:同(おな)じヘリウムを、圧力(あつりょく)を一定(いってい)に保(たも)って10K温(あたた)めるとQ=nCpΔT=2.0×52×8.3×10Q=nC_p\Delta T=2.0\times\dfrac{5}{2}\times8.3\times10より415J。定(てい)積(せき)のときより166J多(おお)く、これは膨張(ぼうちょう)して外(そと)にした仕事(しごと)nRΔT=2.0×8.3×10nR\Delta T=2.0\times8.3\times10と等(ひと)しい。

例題(れいだい)3:ある熱機関(ねつきかん)が1サイクルで熱(ねつ)4.0×10³Jを受(う)け取(と)り、3.0×10³Jを捨(す)てた。仕事(しごと)は1.0×10³Jなので、熱効率(ねつこうりつ)はe=1.0×1034.0×103=0.25e=\dfrac{1.0\times10^3}{4.0\times10^3}=0.25、つまり25%になる。

定積と定圧で必要な熱量の違い(249Jと415J)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ定圧(ていあつ)のほうが熱(ねつ)が多(おお)くいり、熱効率(ねつこうりつ)は1にならないのか

体積(たいせき)一定(いってい)で温(あたた)めると、与(あた)えた熱(ねつ)はすべて内部(ないぶ)エネルギー(新しいタブで開きます)の増加(ぞうか)になる。圧力(あつりょく)一定(いってい)で温(あたた)めると気体(きたい)は膨張(ぼうちょう)し、外(そと)にpΔV=nRΔTp\Delta V=nR\Delta Tの仕事(しごと)をする。同(おな)じだけ温度(おんど)を上(あ)げるには、この仕事(しごと)の分(ぶん)の熱(ねつ)がよけいに必要(ひつよう)になり、1molあたり1KあたりちょうどRRだけ多(おお)くなる。

熱機関(ねつきかん)は、同(おな)じ動(うご)きをくり返(かえ)すために、膨張(ぼうちょう)した気体(きたい)をもとの状態(じょうたい)に戻(もど)さなければならない。そのとき熱(ねつ)の一部(いちぶ)を低温(ていおん)の物体(ぶったい)へ捨(す)てることが避(さ)けられず、Q₂を0にはできない。

受(う)け取(と)った熱(ねつ)をすべて仕事(しごと)に変(か)え続(つづ)ける熱機関(ねつきかん)はつくれない。これを熱(ねつ)力学(りきがく)第(だい)二(に)法則(ほうそく)の1つの表(あらわ)し方(かた)という。高温(こうおん)から低温(ていおん)へ熱(ねつ)が移(うつ)る変化(へんか)と同(おな)じく、熱(ねつ)が関(かか)わる現象(げんしょう)には一方向(いちほうこう)にしか自然(しぜん)に進(すす)まない不可逆(ふかぎゃく)変化(へんか)(新しいタブで開きます)の性質(せいしつ)がある。

確認問題

問題 1 / 4単(たん)原子(げんし)分子(ぶんし)理想(りそう)気体(きたい)2.0molを、体積(たいせき)を一定(いってい)に保(たも)ったまま20K温(あたた)めるのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)は何(なん)Jか。気体(きたい)定数(ていすう)をR=8.3J/(mol・K)とする。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/molar-heat-capacity-and-thermal-efficiency/?from=print#quiz

  1. 単(たん)原子(げんし)分子(ぶんし)理想(りそう)気体(きたい)2.0molを、体積(たいせき)を一定(いってい)に保(たも)ったまま20K温(あたた)めるのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)は何(なん)Jか。気体(きたい)定数(ていすう)をR=8.3J/(mol・K)とする。

    答え:____________

    正解:498
    定(てい)積(せき)モル比熱(ひねつ)は(3/2)R。Q=n×(3/2)R×ΔT=2.0×1.5×8.3×20=498J。定(てい)積(せき)変化(へんか)(新しいタブで開きます)では、この熱(ねつ)がすべて内部(ないぶ)エネルギー(新しいタブで開きます)の増加(ぞうか)になる。

  2. 単(たん)原子(げんし)分子(ぶんし)理想(りそう)気体(きたい)2.0molを、圧力(あつりょく)を一定(いってい)に保(たも)ったまま20K温(あたた)めるのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)は何(なん)Jか。気体(きたい)定数(ていすう)をR=8.3J/(mol・K)とする。

    答え:____________

    正解:830
    定圧(ていあつ)モル比熱(ひねつ)は(3/2)R+R=(5/2)R。Q=n×(5/2)R×ΔT=2.0×2.5×8.3×20=830J。定(てい)積(せき)のときの498Jより、膨張(ぼうちょう)して外(そと)にする仕事(しごと)(新しいタブで開きます)nRΔT=332Jの分(ぶん)だけ多(おお)い。

  3. ある熱機関(ねつきかん)が、1サイクルの間(あいだ)に高温(こうおん)の物体(ぶったい)から2.0×10³Jの熱(ねつ)を受(う)け取(と)り、低温(ていおん)の物体(ぶったい)へ1.4×10³Jの熱(ねつ)を捨(す)てた。この熱機関(ねつきかん)の熱効率(ねつこうりつ)はいくらか(小数(しょうすう)で答(こた)える)。

    答え:____________

    正解:0.3
    外(そと)にした仕事(しごと)はW′=Q₁−Q₂=2000−1400=600J。熱効率(ねつこうりつ)はe=W′/Q₁=600÷2000=0.30(30%)。

  4. 熱機関(ねつきかん)の熱効率(ねつこうりつ)が1(100%)にならない理由(りゆう)として正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ 気体(きたい)の内部(ないぶ)エネルギーが0にならないから
    • ◯ 高温(こうおん)の物体(ぶったい)の温度(おんど)が下(さ)がらないから
    • ◯ 仕事(しごと)は熱(ねつ)に変(か)わらないから
    • ◯ 受(う)け取(と)った熱(ねつ)の一部(いちぶ)を、必(かなら)ず低温(ていおん)の物体(ぶったい)へ捨(す)てなければならないから

    正解:受け取った熱の一部を、必ず低温の物体へ捨てなければならないから
    熱機関(ねつきかん)は、受(う)け取(と)った熱(ねつ)の一部(いちぶ)を低温(ていおん)の物体(ぶったい)へ捨(す)てなければ、くり返(かえ)し仕事(しごと)をすることができない。受(う)け取(と)った熱(ねつ)をすべて仕事(しごと)に変(か)える熱機関(ねつきかん)はつくれず、これが熱(ねつ)力学(りきがく)第(だい)二(に)法則(ほうそく)の1つの表(あらわ)し方(かた)である。

単元のポイント

  • モル比熱(ひねつ) 気体(きたい)1molの温度(おんど)を1K上(あ)げる熱量(ねつりょう)〔J/(mol・K)〕
  • 定(てい)積(せき)モル比熱(ひねつ)と定圧(ていあつ)モル比熱(ひねつ) 単(たん)原子(げんし)分子(ぶんし)では定(てい)積(せき)が(3/2)R、定圧(ていあつ)が(5/2)R
  • マイヤーの関係(かんけい) 定圧(ていあつ)モル比熱(ひねつ)=定(てい)積(せき)モル比熱(ひねつ)+R(理想(りそう)気体(きたい))
  • 熱効率(ねつこうりつ) e=W′/Q₁=(Q₁−Q₂)/Q₁(1より小(ちい)さい)
問題を解く
単元のポイント
  • モル比熱(ひねつ) 気体(きたい)1molの温度(おんど)を1K上(あ)げる熱量(ねつりょう)〔J/(mol・K)〕
  • 定(てい)積(せき)モル比熱(ひねつ)と定圧(ていあつ)モル比熱(ひねつ) 単(たん)原子(げんし)分子(ぶんし)では定(てい)積(せき)が(3/2)R、定圧(ていあつ)が(5/2)R
  • マイヤーの関係(かんけい) 定圧(ていあつ)モル比熱(ひねつ)=定(てい)積(せき)モル比熱(ひねつ)+R(理想(りそう)気体(きたい))
  • 熱効率(ねつこうりつ) e=W′/Q₁=(Q₁−Q₂)/Q₁(1より小(ちい)さい)