
遺伝子の発現調節
カエル先生リプレッサーがオペレーターから外れると転写が始まる。ON・OFFの切り替えだと考えよう。
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- 遺伝子の発現(新しいタブで開きます)は、**調節タンパク質**が**プロモーター**や**オペレーター**に結合することで、転写(新しいタブで開きます)の起こりやすさが変えられる調節を受ける。
- 大腸菌の**ラクトースオペロン**では、ラクトースが無いとき**リプレッサー**が**オペレーター**に結合して転写を止めている。
- 真核生物(新しいタブで開きます)では、**基本転写因子**がプロモーターに結合し、離れた**転写調節領域**に結合する調節タンパク質の働きでRNAポリメラーゼ(新しいタブで開きます)の結合しやすさが変わる。
詳しく
調節遺伝子・調節タンパク質とプロモーター・オペレーター
細胞が持つ遺伝子(新しいタブで開きます)のすべてが、いつでも同じ量だけ発現しているわけではない。ほかの遺伝子の発現を調節するタンパク質(調節タンパク質)を作る遺伝子を調節遺伝子という。
RNAポリメラーゼが結合して転写を始める配列をプロモーターという。原核生物の一部の遺伝子には、調節タンパク質が結合することでプロモーターでの転写の始まりやすさが変わる配列であるオペレーターがプロモーターの近くにある。
調節タンパク質がオペレーターに結合すると転写が妨げられたり、逆に促されたりする。この仕組みによって、必要なときだけ遺伝子の発現を増やしたり止めたりできる。
大腸菌のラクトースオペロン
大腸菌がラクトースを分解する酵素(新しいタブで開きます)の遺伝子群はラクトースオペロンとしてまとまっており、調節の仕組みの代表例としてよく扱われる。培養液にラクトースが無いとき、リプレッサーという調節タンパク質がオペレーターに結合し、RNAポリメラーゼがプロモーターから転写を始めるのを妨げている。
培養液にラクトースが入ると、その代謝(新しいタブで開きます)産物がリプレッサーに結合するというわけだ。すると、リプレッサーの立体構造が変化してオペレーターから外れ、RNAポリメラーゼがプロモーターに結合できるようになって転写が始まる。
このように、ラクトースの有無という外界の条件に応じてリプレッサーの結合・解離が切り替わることで、ラクトース分解酵素の遺伝子はラクトースが必要なときだけ発現する。
真核生物の基本転写因子と転写調節領域
真核生物では、RNAポリメラーゼは単独でプロモーターに結合できず、基本転写因子という複数のタンパク質がまず結合し、そこにRNAポリメラーゼが加わって転写が始まる。
プロモーターから離れた位置にある転写調節領域に、別の調節タンパク質が結合することで、基本転写因子やRNAポリメラーゼの集まりやすさが変化し、転写の起こる量が増減する。
細胞の種類によって、働く調節タンパク質の組合せや結合する転写調節領域が異なるため、同じゲノムを持つ細胞でも発現する遺伝子の組合せが細胞ごとに違ってくる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/regulation-of-gene-expression/?from=print#quiz
RNAポリメラーゼが結合して転写を始める配列を何というか。
- ◯ プロモーター
- ◯ ベクター
- ◯ イントロン
- ◯ オペレーター
正解:プロモーター
RNAポリメラーゼ(新しいタブで開きます)が結合して転写(新しいタブで開きます)を始める配列をプロモーターという。オペレーターは調節タンパク質が結合する配列。大腸菌のラクトースオペロンで、培養液にラクトースが無いときに起こることはどれか。
- ◯ 調節遺伝子の発現が止まる
- ◯ RNAポリメラーゼが大量に働く
- ◯ リプレッサーがオペレーターから外れて転写が進む
- ◯ リプレッサーがオペレーターに結合して転写を妨げる
正解:リプレッサーがオペレーターに結合して転写を妨げる
ラクトースが無いとき、リプレッサーがオペレーターに結合し、RNAポリメラーゼがプロモーターから転写を始めるのを妨げている。培養液にラクトースが入ったとき、ラクトースオペロンの転写が始まる仕組みはどれか。
- ◯ プロモーターが新しく作られる
- ◯ RNAポリメラーゼの数が減る
- ◯ オペレーターの配列そのものが変化する
- ◯ リプレッサーの立体構造が変化してオペレーターから外れる
正解:リプレッサーの立体構造が変化してオペレーターから外れる
ラクトースの代謝(新しいタブで開きます)産物がリプレッサーに結合すると、リプレッサーの立体構造が変化してオペレーターから外れ、転写が始まる。真核生物で、RNAポリメラーゼがプロモーターに結合する前にまず結合する複数のタンパク質を何というか。
- ◯ 調節タンパク質
- ◯ DNAリガーゼ
- ◯ リプレッサー
- ◯ 基本転写因子
正解:基本転写因子
真核生物(新しいタブで開きます)では基本転写因子という複数のタンパク質がまずプロモーターに結合し、そこにRNAポリメラーゼが加わって転写が始まる。
単元のポイント
- 調節遺伝子と調節タンパク質 ほかの遺伝子の発現を調節するタンパク質と、それを作る遺伝子
- プロモーターとオペレーター RNAポリメラーゼが結合する配列(プロモーター)と、リプレッサーが結合する配列(オペレーター)
- ラクトースオペロン 大腸菌でラクトースの代謝に関わる遺伝子群。リプレッサーがオペレーターから外れると転写が始まる
- 基本転写因子と転写調節領域 真核生物でプロモーターに結合する基本転写因子と、離れた位置から調節する転写調節領域