
気体分子の運動と圧力
カンガルー先生圧力の正体は、見えない分子が壁にぶつかり続ける力。速いほど、たくさんいるほど強く押すよ。
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- 気体の圧力は、たくさんの分子(新しいタブで開きます)が容器の壁に衝突し、壁を押す力の平均から生まれる。
- N個の分子(質量m)が体積Vの容器にあるとき、圧力はp=Nm(v²の平均)/(3V)と表せる。
- 分子1個の平均の運動エネルギー(新しいタブで開きます)は(3/2)kT(kはボルツマン定数)で、気体の種類によらず絶対温度(新しいタブで開きます)に比例する。
詳しく
分子の運動から見た圧力と温度
気体の分子は、容器の中を速く飛び回り、壁に衝突してははね返っている。1回1回の衝突で壁が受ける力はごく小さいが、無数の分子がたえず当たるので、壁は平均して一定の力で押される。これが気体の圧力である。気体の圧力や温度を分子の運動から説明する考え方を気体分子運動論という。
質量の分子が個、体積の容器に入っているとき、分子の速さの2乗の平均をと書くと、圧力はと表せる。
この式と状態方程式(新しいタブで開きます)を比べると、分子1個の平均の運動エネルギーはとなる。≒1.38×10⁻²³J/Kをボルツマン定数という(はアボガドロ定数(新しいタブで開きます))。分子の平均の運動エネルギーは、気体の種類によらず絶対温度だけで決まる。
例題:ヘリウム分子の速さと運動エネルギー
例題1:分子の速さの目安として、を二乗平均速度という。モル質量を〔kg/mol〕とするとと表せる。ヘリウム(kg/mol)の300Kでの値は、J/(mol・K)としてを計算すると、およそ1.4×10³m/sという速さになる。
例題2:同じヘリウムを1200Kにすると、絶対温度は4倍なので、二乗平均速度は倍の約2.7×10³m/sになる。速さは温度そのものではなく、温度の平方根に比例している点に注意。
例題3:300Kでの分子1個の平均の運動エネルギーは、を計算しておよそ6.2×10⁻²¹J。ヘリウムでも窒素でも、同じ温度なら同じ値になる。
なぜ圧力の式が導けるのか
1辺の立方体の容器を考える。速度(新しいタブで開きます)の成分がの分子が、軸に垂直な壁に弾性衝突(新しいタブで開きます)すると、方向の運動量(新しいタブで開きます)はからに変わり、変化の大きさは。壁は同じ大きさの力積を分子から受ける。
この分子は、往復の距離を進むごとに同じ壁に1回当たるので、1秒あたりの衝突は回。壁が受ける平均の力はで、個分を合わせるとになる。
分子はどの向きにもかたよらず飛ぶので。力を壁の面積で割り、を使うとが導ける。分子の数が多いほど、速いほど、圧力が大きくなることがわかる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/gas-molecule-motion-and-pressure/?from=print#quiz
同じ気体で、絶対温度を4倍にすると、分子の二乗平均速度は何倍になるか。
答え:____________
正解:2
二乗平均速度は√(3RT/M)で、絶対温度(新しいタブで開きます)Tの平方根に比例する。Tが4倍になると、速さは√4=2倍になる。温度300Kの気体分子1個の平均の運動エネルギーは何Jか。ボルツマン定数をk=1.38×10⁻²³J/Kとする。
答え:____________
正解:6.21×10⁻²¹
分子1個の平均の運動エネルギー(新しいタブで開きます)は(3/2)kT。(3/2)×1.38×10⁻²³×300=6.21×10⁻²¹J。気体の種類によらず、絶対温度だけで決まる。温度と体積を変えずに、容器の中の気体分子の数を2倍にした。圧力はどうなるか。
- ◯ 変わらない
- ◯ 4倍になる
- ◯ 1/2倍になる
- ◯ 2倍になる
正解:2倍になる
温度が同じなので分子1個の速さの平均は変わらない。分子(新しいタブで開きます)の数が2倍になると、壁に当たる回数も2倍になるので、圧力は2倍になる。p=Nm(v²の平均)/(3V)の式でも、圧力は分子の数に比例している。質量mの分子が、壁に垂直な向きの速さvで壁に当たり、同じ速さではね返った(弾性衝突)。分子の運動量の変化の大きさはどれか。
- ◯ 2mv
- ◯ mv
- ◯ mv²
- ◯ 0
正解:2mv
はじめの運動量(新しいタブで開きます)はmv、はね返った後は向きが逆なので−mv。変化はmv−(−mv)=2mv。この大きさの力積を、壁は分子から受ける。
単元のポイント
- 気体分子運動論 気体の圧力や温度を、分子の運動から説明する考え方
- 気体の圧力 p=Nm(v²の平均)/(3V)
- ボルツマン定数 気体定数Rをアボガドロ定数で割った値。約1.38×10⁻²³J/K
- 二乗平均速度 √(v²の平均)=√(3RT/M)(Mはモル質量〔kg/mol〕)