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慣性力(かんせいりょく)と遠心力(えんしんりょく)

カンガルー先生慣性力(かんせいりょく)は、加速(かそく)している自分(じぶん)から見(み)たときだけ現(あらわ)れる見(み)かけの力(ちから)。地上(ちじょう)と車内(しゃない)のどちらの立場(たちば)で式(しき)を立(た)てるか、最初(さいしょ)に決(き)めよう。

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  1. 加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)aで動(うご)く観測者(かんそくしゃ)から見(み)ると、質量(しつりょう)mの物体(ぶったい)には、加速度(かそくど)と逆(ぎゃく)向(む)きに大(おお)きさmaの力(ちから)が働(はたら)いているように見(み)える。この見(み)かけの力(ちから)を慣性力(かんせいりょく)という。
  2. 慣性力(かんせいりょく)を加(くわ)えると、加速(かそく)する観測者(かんそくしゃ)の立場(たちば)でも力(ちから)のつり合(あ)いの式(しき)(新しいタブで開きます)を立(た)てられる。ただし慣性力(かんせいりょく)には、力(ちから)を及(およ)ぼす相手(あいて)の物体(ぶったい)も反作用(はんさよう)(新しいタブで開きます)もない。
  3. 物体(ぶったい)と一緒(いっしょ)に回(まわ)る観測者(かんそくしゃ)から見(み)ると、中心(ちゅうしん)から外向(そとむ)きに大(おお)きさmrω²=mv²/rの慣性力(かんせいりょく)が働(はたら)いて見(み)える。これを遠心力(えんしんりょく)という。

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詳しく

慣性力(かんせいりょく)と遠心力(えんしんりょく)

電車(でんしゃ)が急(きゅう)に動(うご)き出(だ)すと、車内(しゃない)の人(ひと)は後(うし)ろへ押(お)されるように感(かん)じる。地上(ちじょう)から見(み)れば人(ひと)は電車(でんしゃ)と一緒(いっしょ)に加速(かそく)しているだけだが、加速度(かそくど)aaで動(うご)く観測者(かんそくしゃ)から見(み)ると、質量(しつりょう)mmの物体(ぶったい)には加速度(かそくど)と逆(ぎゃく)向(む)きに大(おお)きさmamaの力(ちから)が働(はたら)いているように見(み)える。この見(み)かけの力(ちから)を慣性力(かんせいりょく)という。

慣性力(かんせいりょく)を物体(ぶったい)に働(はたら)く力(ちから)に加(くわ)えれば、加速(かそく)する観測者(かんそくしゃ)の立場(たちば)でも、静止(せいし)して見(み)える物体(ぶったい)について力(ちから)のつり合(あ)いの式(しき)を立(た)てられる。ただし慣性力(かんせいりょく)はほかの物体(ぶったい)が及(およ)ぼす力(ちから)ではないので、反作用(はんさよう)をもたない。静止(せいし)または等速(とうそく)直線(ちょくせん)運動(うんどう)(新しいタブで開きます)をする観測者(かんそくしゃ)の立場(たちば)(慣性(かんせい)系(けい))では、慣性力(かんせいりょく)は現(あらわ)れない。

等速(とうそく)円運動(えんうんどう)(新しいタブで開きます)する物体(ぶったい)と一緒(いっしょ)に回(まわ)る観測者(かんそくしゃ)から見(み)ると、物体(ぶったい)は止(と)まって見(み)える。このとき向心力(こうしんりょく)とつり合(あ)うように、中心(ちゅうしん)から外向(そとむ)きに大(おお)きさmrω2=mv2rmr\omega^2=\dfrac{mv^2}{r}の慣性力(かんせいりょく)が働(はたら)いて見(み)える。この外向(そとむ)きの慣性力(かんせいりょく)を遠心力(えんしんりょく)という。

例題(れいだい):エレベーターと回転(かいてん)する円板(えんばん)

例題(れいだい)1:質量(しつりょう)50kgの人(ひと)が、上向(うわむ)きに2.0m/s²で加速(かそく)しはじめたエレベーターの床(ゆか)に立(た)っている。エレベーターの中(なか)から見(み)ると、重力(じゅうりょく)50×9.8=49050\times9.8=490Nと下向(したむ)きの慣性力(かんせいりょく)50×2.0=10050\times2.0=100Nの和(わ)が、床(ゆか)からの垂直(すいちょく)抗力(こうりょく)(新しいタブで開きます)NNとつり合(あ)う。N=490+100=N=490+100=590Nで、止(と)まっているときより100Nだけ強(つよ)く床(ゆか)を押(お)すことになる。

例題(れいだい)2:水平(すいへい)に回転(かいてん)する円板(えんばん)の上(うえ)で、中心(ちゅうしん)から0.20mの位置(いち)に質量(しつりょう)0.10kgの小物体(しょうぶったい)が乗(の)り、円板(えんばん)と一緒(いっしょ)に角速度(かくそくど)4.0rad/sで回(まわ)っている。円板(えんばん)の上(うえ)から見(み)ると、外向(そとむ)きの遠心力(えんしんりょく)0.10×0.20×4.02=0.10\times0.20\times4.0^2=0.32Nと、中心(ちゅうしん)向(む)きの静止(せいし)摩擦力(まさつりょく)(新しいタブで開きます)がつり合(あ)う。

例題(れいだい)3:例題(れいだい)2の円板(えんばん)と小物体(しょうぶったい)の間(あいだ)の静止(せいし)摩擦(まさつ)係数(けいすう)が0.40なら、最大(さいだい)摩擦力(まさつりょく)は0.40×0.10×9.8=0.3920.40\times0.10\times9.8=0.392Nになる。遠心力(えんしんりょく)がこれを超(こ)えるとすべり出(だ)すので、0.10×0.20×ω2=0.3920.10\times0.20\times\omega^2=0.392より、角速度(かくそくど)が約(やく)4.4rad/sを超(こ)えると小物体(しょうぶったい)は外(そと)へすべる。

エレベーターの中から見た力のつり合い(50kg・a=2.0m/s²)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ見(み)かけの力(ちから)を考(かんが)えるのか

例題(れいだい)1を地上(ちじょう)から見(み)ると、人(ひと)に働(はたら)く力(ちから)は重力(じゅうりょく)と垂直(すいちょく)抗力(こうりょく)だけで、運動(うんどう)方程式(ほうていしき)(新しいタブで開きます)50×2.0=N−49050\times2.0=N-490からN=590N=590Nが求(もと)まる。慣性力(かんせいりょく)を使(つか)った式(しき)と同(おな)じ答(こた)えになるのは、運動(うんどう)方程式(ほうていしき)の左辺(さへん)mamaを右辺(うへん)へ移(うつ)し、慣性力(かんせいりょく)−ma-maを含(ふく)むつり合(あ)いの式(しき)に書(か)きかえただけだからだ。

円板(えんばん)の上(うえ)の小物体(しょうぶったい)も、地上(ちじょう)から見(み)れば静止(せいし)摩擦力(まさつりょく)を向心力(こうしんりょく)として円運動(えんうんどう)しているだけで、外向(そとむ)きの力(ちから)は働(はたら)いていない。遠心力(えんしんりょく)は一緒(いっしょ)に回(まわ)る観測者(かんそくしゃ)にだけ現(あらわ)れる力(ちから)なので、どちらかの立場(たちば)を先(さき)に決(き)めて、向心力(こうしんりょく)と遠心力(えんしんりょく)を同(おな)じ式(しき)に入(い)れないようにする。

カーブを曲(ま)がる車(くるま)の中(なか)で体(からだ)が外(そと)へ押(お)されるように感(かん)じるのも、遠心力(えんしんりょく)で説明(せつめい)できる。地上(ちじょう)から見(み)ると、体(からだ)は慣性(かんせい)によってまっすぐ進(すす)もうとしていて、座席(ざせき)やシートベルトが内向(うちむ)きの力(ちから)を加(くわ)えて体(からだ)の向(む)きを曲(ま)げている。

地上から見た向心力と、円板の上から見た遠心力Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

確認問題

問題 1 / 4質量(しつりょう)40kgの人(ひと)が、上向(うわむ)きに1.5m/s²で加速(かそく)しているエレベーターの床(ゆか)に立(た)っている。床(ゆか)から受(う)ける垂直(すいちょく)抗力(こうりょく)は何(なん)Nか。重力(じゅうりょく)加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)を9.8m/s²とする。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/inertial-force-and-centrifugal-force/?from=print#quiz

  1. 質量(しつりょう)40kgの人(ひと)が、上向(うわむ)きに1.5m/s²で加速(かそく)しているエレベーターの床(ゆか)に立(た)っている。床(ゆか)から受(う)ける垂直(すいちょく)抗力(こうりょく)は何(なん)Nか。重力(じゅうりょく)加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)を9.8m/s²とする。

    答え:____________

    正解:452
    エレベーターの中(なか)から見(み)ると、重力(じゅうりょく)40×9.8=392Nと下向(したむ)きの慣性(かんせい)(新しいタブで開きます)力(りょく)40×1.5=60Nの和(わ)が垂直(すいちょく)抗力(こうりょく)(新しいタブで開きます)とつり合(あ)う。N=392+60=452N。

  2. 下向(したむ)きに加速(かそく)しているエレベーターの中(なか)で体重(たいじゅう)計(けい)に乗(の)ると、体重(たいじゅう)計(けい)が示(しめ)す値(あたい)は止(と)まっているときと比(くら)べてどうなるか。

    • ◯ 0になる
    • ◯ 変(か)わらない
    • ◯ 小(ちい)さくなる
    • ◯ 大(おお)きくなる

    正解:小さくなる
    エレベーターの中(なか)から見(み)ると、上向(うわむ)きの慣性力(かんせいりょく)が働(はたら)くので、体重(たいじゅう)計(けい)を押(お)す力(ちから)は重力(じゅうりょく)より小(ちい)さくなる。0になるのは加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)が重力(じゅうりょく)加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)と等(ひと)しいときだけ。

  3. 質量(しつりょう)0.50kgの物体(ぶったい)が、半径(はんけい)0.40mの円周上(えんしゅうじょう)を速(はや)さ2.0m/sで等速(とうそく)円運動(えんうんどう)している。物体(ぶったい)と一緒(いっしょ)に回(まわ)る観測者(かんそくしゃ)から見(み)た遠心力(えんしんりょく)の大(おお)きさは何(なん)Nか。

    答え:____________

    正解:5
    遠心力(えんしんりょく)の大(おお)きさは向心力(こうしんりょく)(新しいタブで開きます)と同(おな)じmv²/r。0.50×2.0²÷0.40=5.0N。

  4. 慣性力(かんせいりょく)についての説明(せつめい)として正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ 地上(ちじょう)で静止(せいし)している観測者(かんそくしゃ)にも見(み)える
    • ◯ 観測者(かんそくしゃ)の加速度(かそくど)と同(おな)じ向(む)きに働(はたら)く
    • ◯ ほかの物体(ぶったい)が及(およ)ぼす力(ちから)なので反作用(はんさよう)がある
    • ◯ 力(ちから)を及(およ)ぼす相手(あいて)がなく、反作用(はんさよう)をもたない

    正解:力を及ぼす相手がなく、反作用をもたない
    慣性力(かんせいりょく)は加速(かそく)する観測者(かんそくしゃ)から見(み)たときだけ現(あらわ)れる見(み)かけの力(ちから)で、観測者(かんそくしゃ)の加速度(かそくど)と逆(ぎゃく)向(む)きに働(はたら)く。力(ちから)を及(およ)ぼす物体(ぶったい)がないので反作用(はんさよう)(新しいタブで開きます)もない。

単元のポイント

  • 慣性力(かんせいりょく) 大(おお)きさma・観測者(かんそくしゃ)の加速度(かそくど)と逆(ぎゃく)向(む)き
  • 慣性(かんせい)系(けい) 静止(せいし)または等速(とうそく)直線(ちょくせん)運動(うんどう)をする観測者(かんそくしゃ)の立場(たちば)(慣性力(かんせいりょく)は現(あらわ)れない)
  • 遠心力(えんしんりょく) mrω²=mv²/r・中心(ちゅうしん)から外向(そとむ)き
  • 反作用(はんさよう)(新しいタブで開きます) 慣性力(かんせいりょく)には反作用(はんさよう)がない
問題を解く
単元のポイント
  • 慣性力(かんせいりょく) 大(おお)きさma・観測者(かんそくしゃ)の加速度(かそくど)と逆(ぎゃく)向(む)き
  • 慣性(かんせい)系(けい) 静止(せいし)または等速(とうそく)直線(ちょくせん)運動(うんどう)をする観測者(かんそくしゃ)の立場(たちば)(慣性力(かんせいりょく)は現(あらわ)れない)
  • 遠心力(えんしんりょく) mrω²=mv²/r・中心(ちゅうしん)から外向(そとむ)き
  • 反作用(はんさよう)(新しいタブで開きます) 慣性力(かんせいりょく)には反作用(はんさよう)がない