
ハロゲンの単体と化合物
カメレオン先生ハロゲンは酸化力の強い順にF₂・Cl₂・Br₂・I₂と並ぶよ。酸化力が強いほうが弱いほうのイオンから電子を奪って単体を追い出す、と覚えておこう。
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- ハロゲン(F・Cl・Br・I)は最外殻電子が7個で、電子を1個受け取って1価の陰イオン(新しいタブで開きます)になりやすい非金属である。
- 単体(新しいタブで開きます)はいずれも二原子分子で存在し、酸化力はF₂>Cl₂>Br₂>I₂の順に弱くなる。
- ハロゲン化水素は酸としての強さがHF<HCl<HBr<HIの順に強くなり、HFだけは弱酸(新しいタブで開きます)でガラスを溶かす性質を持つ。
詳しく
ハロゲンの性質
周期表17族のフッ素F・塩素Cl・臭素Br・ヨウ素Iはハロゲンと呼ばれ、最外殻電子を7個持つ非金属である。電子をもう1個受け取ると貴ガス(新しいタブで開きます)と同じ安定な電子配置(新しいタブで開きます)になるため、1価の陰イオンになりやすい。
単体は原子2個が結びついた二原子分子(F₂・Cl₂・Br₂・I₂)として存在する。常温での状態は、F₂が淡黄色の気体、Cl₂が黄緑色の気体、Br₂が赤褐色の液体、I₂が黒紫色の固体と、分子量(新しいタブで開きます)が大きいものほど分子間力(新しいタブで開きます)が強くなり、常温での状態が違う。
ヨウ素I₂は固体から直接気体になる昇華性を持ち、加熱すると紫色の蒸気を生じる。塩素Cl₂は有毒な気体で、水道水の殺菌やプールの消毒にも使われている。工業的には塩化ナトリウム飽和水溶液を電気分解(新しいタブで開きます)する方法でもつくられ、陽極では2Cl⁻→Cl₂+2e⁻という反応が起こる(電気分解のしくみは「電池(新しいタブで開きます)と電気分解」の単元で扱った内容である)。
例:ハロゲンの酸化力と置き換え反応
ハロゲン単体の酸化力(電子を奪う強さ)はF₂>Cl₂>Br₂>I₂の順に弱くなる。酸化力の強いハロゲンは、酸化力の弱いハロゲンの陰イオンから電子を奪って単体を追い出していく。
たとえば塩素水に臭化カリウムKBr水溶液を加えると、Cl₂+2KBr→2KCl+Br₂という反応が起こり、水溶液は臭素Br₂の赤褐色に変わる。酸化力の弱いヨウ化カリウムKI水溶液を使っても同様にI₂が遊離する。
一方、臭素水にKCl水溶液を加えても反応は起こらない。これは酸化力の弱いBr₂が、酸化力の強いCl⁻から電子を奪えないためで、酸化力の順番さえ押さえておけば反応が起こるかどうかを判断できる。
ハロゲン化水素とハロゲン化銀
ハロゲンは水素と反応してハロゲン化水素HF・HCl・HBr・HIになり、いずれも水に溶けると酸性を示す。酸としての強さはHF<HCl<HBr<HIの順に強くなり、HCl・HBr・HIは強酸だがHFだけは弱酸である。
フッ化水素酸HFは弱酸でありながら、ガラスの主成分である二酸化ケイ素(新しいタブで開きます)SiO₂と反応する珍しい性質を持ち、ガラスの表面加工に使われてきた。このため保存にはポリエチレン(新しいタブで開きます)容器が使われ、ガラス容器は使えない。
銀イオンAg⁺はハロゲン化物イオンと結びついて沈殿(新しいタブで開きます)をつくり、AgClは白色、AgBrは淡黄色、AgIは黄色で、いずれも水にほとんど溶けない。この色の違いを使ってハロゲン化物イオンを見分けることができ、AgBrの感光性は写真フィルムにも利用されてきた。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/halogens-and-compounds/?from=print#quiz
塩化ナトリウム飽和水溶液を電気分解して塩素Cl₂を1.0mol得るには、陽極で何molの電子が流れればよいか(2Cl⁻→Cl₂+2e⁻)。
答え:____________
正解:2.0
陽極(新しいタブで開きます)の反応2Cl⁻→Cl₂+2e⁻より、Cl₂が1molできるときに流れる電子は2mol。塩素水に臭化カリウムKBr水溶液を加えると反応が起こり、臭素Br₂が遊離する。この反応が起こる理由として正しいものはどれか。
- ◯ Br₂のほうが分子量が小さいから
- ◯ Cl₂のほうがBr₂より酸化力が強く、Br⁻から電子を奪えるから
- ◯ KBrが水に溶けにくいから
- ◯ Cl₂よりBr₂のほうが酸化力が強いから
正解:Cl₂のほうがBr₂より酸化力が強く、Br⁻から電子を奪えるから
ハロゲンの酸化力はF₂>Cl₂>Br₂>I₂の順に弱くなる。Cl₂はBr₂より酸化力が強いため、Br⁻から電子を奪ってBr₂を遊離させることができる。ハロゲン化水素のうち、酸として弱酸であり、かつガラスの主成分である二酸化ケイ素SiO₂と反応する特異な性質を持つものはどれか。
- ◯ HF
- ◯ HCl
- ◯ HI
- ◯ HBr
正解:HF
ハロゲン化水素の酸の強さはHF<HCl<HBr<HIの順に強くなり、HFだけが弱酸(新しいタブで開きます)だが、SiO₂と反応するためガラスを溶かす性質を持つ。銀イオンAg⁺を含む水溶液に臭化物イオンBr⁻を加えたときに生じる沈殿の色として正しいものはどれか。
- ◯ 白色
- ◯ 淡黄色
- ◯ 黄色
- ◯ 黒色
正解:淡黄色
ハロゲン化銀の沈殿(新しいタブで開きます)の色は、AgClが白色、AgBrが淡黄色、AgIが黄色である。
単元のポイント
- ハロゲン 周期表17族のF・Cl・Br・I。最外殻電子7個で1価の陰イオンになりやすい非金属、単体は二原子分子
- 酸化力の順番 F₂>Cl₂>Br₂>I₂。酸化力の強いハロゲンは弱いハロゲンの陰イオンを酸化して単体を遊離させる
- ハロゲン化水素の酸の強さ HF<HCl<HBr<HI。HFだけ弱酸だがガラスの主成分SiO₂と反応する特異な性質を持つ
- ハロゲン化銀 AgCl(白色)・AgBr(淡黄色)・AgI(黄色)。水に溶けにくく、ハロゲン化物イオンの検出や写真に使われる