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融解(ゆうかい)熱(ねつ)・蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)と加熱(かねつ)曲線(きょくせん)

カメレオン先生温度(おんど)が止(と)まっている間(あいだ)も加熱(かねつ)は続(つづ)いている。熱(ねつ)は粒子(りゅうし)を振動(しんどう)させる分(ぶん)ではなく、粒子(りゅうし)どうしを引(ひ)きはがす分(ふん)に使(つか)われているよ。

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  1. 固体(こたい)を液体(えきたい)にするのに吸収(きゅうしゅう)する熱(ねつ)を融解(ゆうかい)熱(ねつ)、液体(えきたい)を気体(きたい)にするのに吸収(きゅうしゅう)する熱(ねつ)を蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)という(融解(ゆうかい)エンタルピー・蒸発(じょうはつ)エンタルピーとも呼(よ)ぶ)。
  2. 融解(ゆうかい)・沸騰(ふっとう)(新しいタブで開きます)の間(あいだ)は、加(くわ)えた熱(ねつ)がすべて粒子間(りゅうしかん)の引力(いんりょく)を振(ふ)り切(き)る分(ふん)に使(つか)われるため、温度(おんど)は変化(へんか)せず一定(いってい)に保(たも)たれる。
  3. 同(おな)じ物質(ぶっしつ)では蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)の方(ほう)が融解(ゆうかい)熱(ねつ)よりずっと大(おお)きい。液体(えきたい)では残(のこ)る引力(いんりょく)を、気体(きたい)ではほぼすべての引力(いんりょく)を断(た)ち切(き)る必要(ひつよう)があるため。

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詳しく

融解(ゆうかい)熱(ねつ)・蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)と温度(おんど)が止(と)まる理由(りゆう)

固体(こたい)を加熱(かねつ)すると、粒子(りゅうし)の熱運動(ねつうんどう)(新しいタブで開きます)が激(はげ)しくなって温度(おんど)が上(あ)がる。ところが融点(ゆうてん)(新しいタブで開きます)に達(たっ)すると、それ以上(いじょう)加熱(かねつ)しても固体(こたい)がすべて液体(えきたい)になるまで温度(おんど)は上(あ)がらなくなる。このとき、決(き)まった圧力(あつりょく)のもとで物質(ぶっしつ)1molを固体(こたい)から液体(えきたい)にするのに吸収(きゅうしゅう)する熱量(ねつりょう)を融解(ゆうかい)熱(ねつ)という。

液体(えきたい)をさらに加熱(かねつ)していくと、沸点(ふってん)でも同(おな)じことが起(お)こる。沸点(ふってん)に達(たっ)すると、液体(えきたい)がすべて気体(きたい)になるまで温度(おんど)は一定(いってい)のまま止(と)まる。このとき物質(ぶっしつ)1molを液体(えきたい)から気体(きたい)にするのに吸収(きゅうしゅう)する熱量(ねつりょう)を蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)という。今(いま)の教科書(きょうかしょ)では、同(おな)じ量(りょう)をそれぞれ融解(ゆうかい)エンタルピー・蒸発(じょうはつ)エンタルピーとも呼(よ)ぶ。名前(なまえ)が違(ちが)うだけで、指(さ)す量(りょう)は同(おな)じである。

縦(たて)軸(じく)に温度(おんど)、横(よこ)軸(じく)に加(くわ)えた熱量(ねつりょう)(または加熱(かねつ)時間(じかん))をとったグラフを加熱(かねつ)曲線(きょくせん)という。融解(ゆうかい)・沸騰(ふっとう)のあいだは平(たい)らな区間(くかん)(プラトー)になり、そこを抜(ぬ)けると再(ふたた)び温度(おんど)が上(あ)がる、という形(かたち)をたどる。

水の加熱曲線:融解・沸騰の間は温度が一定Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例(れい):氷(こおり)を水蒸気(すいじょうき)にするまでに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)

例題(れいだい):1.0molの0℃の氷(こおり)を、すべて100℃の水蒸気(すいじょうき)にするには何(なん)kJの熱量(ねつりょう)が必要(ひつよう)か。水(みず)の融解(ゆうかい)熱(ねつ)を6.0kJ/mol、蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)を41kJ/mol、水(みず)(液体(えきたい))のモル比熱(ひねつ)(新しいタブで開きます)を75J/(mol・K)とする。

0℃で氷(こおり)を融(と)かすのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)は、融解(ゆうかい)熱(ねつ)そのものなので6.0kJ。続(つづ)けて0℃の水(みず)を100℃まで温(あたた)めるには、モル比熱(ひねつ)×物質(ぶっしつ)量(りょう)×温度(おんど)変化(へんか)より75×1.0×100=750075\times1.0\times100=7500J=7.5kJ。最後(さいご)に100℃で水(みず)を水蒸気(すいじょうき)にするのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)は、蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)そのものなので41kJ。

3つを合計(ごうけい)すると6.0+7.5+41=6.0+7.5+41=54.5kJになる。このうち蒸発(じょうはつ)にかかった41kJが全体(ぜんたい)の7割(わり)以上(いじょう)を占(し)めている。加熱(かねつ)曲線(きょくせん)にすると、0℃と100℃の2か所(しょ)に平(たい)らな区間(くかん)ができ、100℃側(がわ)の区間(くかん)(蒸発(じょうはつ))の方(ほう)がずっと長(なが)く続(つづ)く。

なぜ蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)は融解(ゆうかい)熱(ねつ)よりずっと大(おお)きいのか

固体(こたい)の中(なか)の粒子(りゅうし)は、決(き)まった位置(いち)で振動(しんどう)しているだけで、まだ多(おお)くの分子間力(ぶんしかんりょく)(新しいタブで開きます)(次(つぎ)のページで見(み)るファンデルワールス力(りょく)(新しいタブで開きます)や水素(すいそ)結合(けつごう))によって互(たが)いに引(ひ)き合(あ)ったままである。液体(えきたい)になるとき断(た)ち切(き)るのは、この引力(いんりょく)の一部(いちぶ)だけでよい。粒子(りゅうし)は位置(いち)を自由(じゆう)に変(か)えられるようになるが、液体(えきたい)の中(なか)でもまだ互(たが)いに引(ひ)き合(あ)い続(つづ)けている。

一方(いっぽう)、液体(えきたい)から気体(きたい)になるときは、粒子(りゅうし)どうしをほぼ完全(かんぜん)に引(ひ)き離(はな)し、分子間力(ぶんしかんりょく)の影響(えいきょう)がほとんど届(とど)かない距離(きょり)まで遠(とお)ざけなければならない。断(た)ち切(き)る引力(いんりょく)の量(りょう)が多(おお)いほど、必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)も大(おお)きくなる。

水(みず)の蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)が41kJ/molと特(とく)に大(おお)きいのは、水(みず)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)のあいだに強(つよ)い水素(すいそ)結合(けつごう)が働(はたら)いているからだ。もし水(みず)の分子間力(ぶんしかんりょく)がメタンCH₄程度(ていど)(蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)約(やく)8.2kJ/mol)しかなければ、常温(じょうおん)でも水(みず)はすぐに蒸発(じょうはつ)してしまい、海(うみ)や川(かわ)として存在(そんざい)できない。

水の蒸発熱は融解熱よりはるかに大きい(水素結合の働き)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

確認問題

問題 1 / 42.0molの0℃の氷(こおり)を、すべて100℃の水蒸気(すいじょうき)にするには何(なん)kJの熱量(ねつりょう)が必要(ひつよう)か。水(みず)の融解(ゆうかい)熱(ねつ)を6.0kJ/mol、蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)を41kJ/mol、水(みず)(液体(えきたい))のモル比熱(ひねつ)を75J/(mol・K)とする。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/latent-heat-of-fusion-and-vaporization/?from=print#quiz

  1. 2.0molの0℃の氷(こおり)を、すべて100℃の水蒸気(すいじょうき)にするには何(なん)kJの熱量(ねつりょう)が必要(ひつよう)か。水(みず)の融解(ゆうかい)熱(ねつ)を6.0kJ/mol、蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)を41kJ/mol、水(みず)(液体(えきたい))のモル比熱(ひねつ)を75J/(mol・K)とする。

    答え:____________

    正解:109
    融解(ゆうかい)に6.0×2.0=12.0kJ、0℃→100℃の加熱(かねつ)に75×2.0×100/1000=15.0kJ、蒸発(じょうはつ)に41×2.0=82kJ。合計(ごうけい)12.0+15.0+82=109kJ。

  2. 100℃の水蒸気(すいじょうき)2.0molが、同(おな)じ100℃の水(みず)に凝縮(ぎょうしゅく)するとき放出(ほうしゅつ)する熱量(ねつりょう)は何(なん)kJか。水(みず)の蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)を41kJ/molとする。

    答え:____________

    正解:82
    凝縮(ぎょうしゅく)は蒸発(じょうはつ)の逆(ぎゃく)の変化(へんか)なので、同(おな)じ大(おお)きさの熱量(ねつりょう)を放出(ほうしゅつ)する。2.0mol×41kJ/mol=82kJ。

  3. 水(みず)を100℃で沸騰(ふっとう)させ続(つづ)けているあいだ、温度(おんど)が100℃のまま上(あ)がらないのはなぜか。

    • ◯ 気体(きたい)になった水分子(みずぶんし)は熱運動(ねつうんどう)をやめてしまうから
    • ◯ 加(くわ)えた熱(ねつ)が、分子間(ぶんしかん)の引力(いんりょく)を振(ふ)り切(き)って気体(きたい)にする分(ふん)に使(つか)われ、分子(ぶんし)の熱運動(ねつうんどう)を速(はや)くする分(ふん)には使(つか)われないから
    • ◯ 100℃になると水(みず)はこれ以上(いじょう)熱(ねつ)を吸収(きゅうしゅう)できなくなるから
    • ◯ 気圧(きあつ)が自動的(じどうてき)に下(さ)がり、沸点(ふってん)も同時(どうじ)に下(さ)がっていくから

    正解:加えた熱が、分子間の引力を振り切って気体にする分に使われ、分子の熱運動を速くする分には使われないから
    沸騰(ふっとう)(新しいタブで開きます)中(ちゅう)に加(くわ)えた熱(ねつ)は、液体(えきたい)の中(なか)で分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)を引(ひ)き合(あ)わせている分子間力(ぶんしかんりょく)(新しいタブで開きます)を振(ふ)り切(き)って気体(きたい)にする仕事(しごと)(新しいタブで開きます)に使(つか)われる。分子(ぶんし)の熱運動(ねつうんどう)(新しいタブで開きます)の激(はげ)しさ(=温度(おんど))を上(あ)げる分(ぶん)には使(つか)われないため、すべて気体(きたい)になるまで温度(おんど)は一定(いってい)に保(たも)たれる。

  4. 「融解(ゆうかい)エンタルピー」と「融解(ゆうかい)熱(ねつ)」の関係(かんけい)として正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ 融解(ゆうかい)エンタルピーは圧力(あつりょく)に関係(かんけい)なく決(き)まる量(りょう)である
    • ◯ 融解(ゆうかい)エンタルピーは気体(きたい)から液体(えきたい)になるときの熱量(ねつりょう)である
    • ◯ 呼(よ)び方(かた)が違(ちが)うだけで、指(さ)している量(りょう)は同(おな)じである
    • ◯ 融解(ゆうかい)エンタルピーは融解(ゆうかい)熱(ねつ)よりつねに大(おお)きい、別(べつ)の量(りょう)である

    正解:呼び方が違うだけで、指している量は同じである
    融解(ゆうかい)エンタルピーは融解(ゆうかい)熱(ねつ)と同(おな)じ量(りょう)を指(さ)す今(いま)の呼(よ)び方(かた)で、決(き)まった圧力(あつりょく)のもとで固体(こたい)1molを液体(えきたい)にするのに吸収(きゅうしゅう)する熱量(ねつりょう)である。どちらの用語(ようご)でも値(あたい)は変(か)わらない。

単元のポイント

  • 融解(ゆうかい)熱(ねつ)(融解(ゆうかい)エンタルピー) 決(き)まった圧力(あつりょく)のもとで、固体(こたい)1molを同(おな)じ温度(おんど)の液体(えきたい)にするのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)
  • 蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)(蒸発(じょうはつ)エンタルピー) 決(き)まった圧力(あつりょく)のもとで、液体(えきたい)1molを同(おな)じ温度(おんど)の気体(きたい)にするのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)
  • 加熱(かねつ)曲線(きょくせん) 一定(いってい)の割合(わりあい)で熱(ねつ)を加(くわ)えたときの温度(おんど)変化(へんか)のグラフ。融解(ゆうかい)・沸騰(ふっとう)の間(あいだ)は平(たい)らになる
  • 蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)>融解(ゆうかい)熱(ねつ) 気体(きたい)にするには粒子間(りゅうしかん)の引力(いんりょく)をほぼ完全(かんぜん)に断(た)ち切(き)る必要(ひつよう)があり、液体(えきたい)にするときより多(おお)くの熱(ねつ)がいる
問題を解く
単元のポイント
  • 融解(ゆうかい)熱(ねつ)(融解(ゆうかい)エンタルピー) 決(き)まった圧力(あつりょく)のもとで、固体(こたい)1molを同(おな)じ温度(おんど)の液体(えきたい)にするのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)
  • 蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)(蒸発(じょうはつ)エンタルピー) 決(き)まった圧力(あつりょく)のもとで、液体(えきたい)1molを同(おな)じ温度(おんど)の気体(きたい)にするのに必要(ひつよう)な熱量(ねつりょう)
  • 加熱(かねつ)曲線(きょくせん) 一定(いってい)の割合(わりあい)で熱(ねつ)を加(くわ)えたときの温度(おんど)変化(へんか)のグラフ。融解(ゆうかい)・沸騰(ふっとう)の間(あいだ)は平(たい)らになる
  • 蒸発(じょうはつ)熱(ねつ)>融解(ゆうかい)熱(ねつ) 気体(きたい)にするには粒子間(りゅうしかん)の引力(いんりょく)をほぼ完全(かんぜん)に断(た)ち切(き)る必要(ひつよう)があり、液体(えきたい)にするときより多(おお)くの熱(ねつ)がいる