金属結合と金属の性質
カメレオン先生自由電子が結晶全体を自由に動けることが、金属の電気伝導性も展性・延性も説明するもとになるよ。
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- 金属原子は最外殻の電子を放し、金属イオン(新しいタブで開きます)になる。放された電子は結晶全体を自由に動く自由電子(新しいタブで開きます)となる。
- 自由電子が金属イオンどうしを結びつける結合を金属結合という。鉄・アルミニウム・銅・水銀などに見られる。
- 自由電子のおかげで、金属は電気や熱を伝えやすく、たたくと薄く広がる展性、引くと細く延びる延性を持つ。金属結合は比較的強いため、融点(新しいタブで開きます)が高いものが多い。
詳しく
自由電子と金属結合
鉄やアルミニウムなどの金属原子は、最外殻の電子を放して金属イオンになる。放された電子は、特定の原子に固定されず、金属の結晶全体を自由に動き回る。この電子を自由電子という。
自由電子は、まわりの金属イオンすべてとゆるく結びつき、金属イオンどうしを互いに結びつける働きをする。この結合を金属結合という。イオン結合(新しいタブで開きます)が陽イオンと陰イオンの組で引き合うのに対し、金属結合は自由電子が多数の金属イオンを一度に結びつけている点が異なる。
金属イオンが自由電子に結びつけられて規則正しく並んでできた結晶を金属結晶という。鉄やアルミニウム、銅はこの金属結晶を作る代表的な金属で、鉄は建築や鉄道のレール、アルミニウムは飲料缶、銅は電線に使われている。水銀は金属だが常温で液体のため結晶にはならず、体温計などに利用されてきた。
例:展性・延性と金属の加工
金や銀はたたくと紙のように薄い箔になる。この性質を展性という。アルミニウムはアルミホイルに加工されるときにこの性質が利用される。
銅はひっぱると細い銅線になる。この性質を延性という。電気配線に使われる銅線や、送電線に使われるアルミニウムの線はこの延性を利用して作られている。
金属に力を加えると、金属イオンの並びが層ごとにすべって位置を変える。自由電子はその間も金属イオンのまわりを自由に動き続けて結びつけたままにするため、イオン結晶(新しいタブで開きます)のように割れることなく、形だけが変わる。
なぜ電気・熱を伝えやすく、割れずに変形するのか
金属に電圧をかけると、自由電子が結晶全体をいっせいに移動するため、金属は電気を通しやすい。熱を加えたときも、自由電子が熱エネルギー(新しいタブで開きます)を素早く運ぶため、金属は熱を伝えやすい。
イオン結晶は、強い力を加えると同じ電気のイオンどうしが反発して一気に割れてしまう。これに対して金属は、金属イオンの並びが層ごとにずれても、自由電子がその場で金属イオンを結びつけ続けるため、結合が切れずに形だけが変わる。これが展性・延性の理由だ。
金属特有のつやのある光沢(金属光沢)が生まれるのも、自由電子が光を反射(新しいタブで開きます)しやすいためだ。電気伝導(新しいタブで開きます)性・熱伝導性・展性・延性・金属光沢は、どれも自由電子の働きから説明できる。
金属結合は自由電子が多数の金属イオンを同時に結びつける比較的強い結合なので、結晶をばらばらにするには大きなエネルギーが必要になる。そのため、金属は融点が高いものが多い。ただし、水銀(融点はおよそ−39℃)や、ナトリウム(融点はおよそ98℃)などのアルカリ金属のように、融点の低い金属もある。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/metallic-bond-and-metal-properties/?from=print#quiz
金属に電圧をかけると電流が流れるのは、何が結晶全体を移動するからか。
- ◯ 金属イオンそのもの
- ◯ 分子間力
- ◯ 中性子
- ◯ 自由電子
正解:自由電子
金属原子が放した自由電子(新しいタブで開きます)は、特定の原子に固定されず結晶全体を自由に動き回るため、電圧をかけると自由電子が移動して電流が流れる。金属に力を加えても割れずに変形できるのはなぜか。
- ◯ 金属結晶には結合そのものが無いから
- ◯ 金属イオンの層がずれても自由電子が結びつけ続けるから
- ◯ 金属には電気の偏りが無いから
- ◯ 金属イオンどうしが反発し合わないから
正解:金属イオンの層がずれても自由電子が結びつけ続けるから
金属イオン(新しいタブで開きます)の並びが層ごとにずれても、自由電子がその場で金属イオンを結びつけ続けるため、結合が切れずに形だけが変わる。これが展性・延性のもとになる。銅を引っ張って細い銅線に加工できる性質を何というか。
- ◯ 電離
- ◯ 延性
- ◯ 極性
- ◯ 展性
正解:延性
引っ張ると細く長く延びる性質を延性という。銅線はこの延性を利用して作られている。たたいて薄く広がる性質は展性という。イオン結晶と金属結晶に同じように力を加えたとき、違いはどこにあるか。
- ◯ どちらも変形せず壊れない
- ◯ どちらも同じように割れる
- ◯ 金属のほうが先に割れる
- ◯ イオン結晶は反発して割れるが、金属は自由電子が結びつけ続けて変形する
正解:イオン結晶は反発して割れるが、金属は自由電子が結びつけ続けて変形する
イオン結晶(新しいタブで開きます)はイオンの並びがずれると同じ電気のイオンどうしが反発して一気に割れるが、金属は自由電子がずれた後も金属イオンを結びつけ続けるため、割れずに形だけが変わる。
単元のポイント
- 自由電子(新しいタブで開きます) 金属原子が放した最外殻の電子のうち、特定の原子に固定されず結晶全体を自由に動き回る電子
- 金属結合 自由電子が金属イオンどうしを結びつける結合
- 展性 たたくと割れずに薄く広がる性質。金箔や銀箔はこの性質を利用する
- 延性 引っ張ると細く長く延びる性質。銅線はこの性質を利用して作る
- 融点が高い 金属結合は比較的強く、多くの金属は融点が高い。ただし水銀は常温で液体