法の前の平等
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- 法の前の平等は、生まれた身分に関係なく、法律がすべての人を同じように扱うという原則である。
- 1789年、フランス革命(新しいタブで開きます)の議会は身分による特権の廃止を決め、人権宣言(新しいタブで開きます)でこの原則を掲げた。
- 1804年のナポレオン法典(新しいタブで開きます)に取り入れられ、今では多くの国の憲法で基本原則の一つとされる。
詳しく
背景
革命前のフランスでは、人々は聖職者・貴族・平民の3つの身分に分けられていた。聖職者と貴族は国民の2%ほどにすぎなかったが、一部の税を納めなくてよいなどの特権を持っていた。特権とは、一部の人だけに認められた特別な扱いである。重い税を負担したのは、平民の身分である第三身分(新しいタブで開きます)だった。こうした生まれによる差別を批判する考え方が、啓蒙思想(新しいタブで開きます)の広がりとともに強まっていく。啓蒙思想とは、人間の理性によって古い権威や考え方を見直し、社会をよくしようとする考え方である。
考え方の中身
1789年8月4日の夜、第三身分の代表を中心とする国民議会(新しいタブで開きます)は、身分による特権の廃止を決めた。ただし、農民が領主に納めてきた負担をなくすには、お金を払う必要があった。続いて8月26日、議会は人権宣言を発表する。その第1条は、人は生まれながらに自由で、権利の面で平等であると定めた。第6条では、法律は守るときも罰するときも、すべての人に同じでなければならないとする。また、市民はだれでも、能力に応じて公職に就けるとした。公職とは、役所や国の仕事である。生まれた身分ではなく、本人の能力や行いで公職の人を選ぶという考え方だ。こうした原則を法の前の平等といい、法の下の平等ともいう。
影響
ただし当時は、特権がなくなっても、財産や教育による区別は残った。1830年に始まった王政(七月王政(新しいタブで開きます))では、税を多く納める男性だけが投票できる制限選挙(新しいタブで開きます)が続いている。一方、身分による特権を認めない考え方は、1804年のナポレオン法典にも取り入れられた。家族や財産のきまりを定めたこの法律(民法)は、世界の民法に影響を与えた。法の前の平等は今、多くの国の憲法の基本原則で、日本国憲法も第14条で定める。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/history/equality-before-the-law/?from=print#quiz
1789年8月26日にフランスの国民議会が発表し、人は生まれながらに自由で、権利の面で平等であると定めたものは?
- ◯ ナポレオン法典
- ◯ 人権宣言
- ◯ 権利の章典
- ◯ アメリカ独立宣言
正解:人権宣言
1789年8月26日、国民議会(新しいタブで開きます)は人権宣言(新しいタブで開きます)を発表した。第1条で、人は生まれながらに自由で、権利の面で平等であると定めている。フランス革命で掲げられた法の前の平等が、とくになくそうとした区別は?
- ◯ 才能による区別
- ◯ 財産による区別
- ◯ 生まれた身分による区別
- ◯ 教育による区別
正解:生まれた身分による区別
法の前の平等は、生まれた身分による区別をなくす原則である。ただし当時は、財産や教育による区別は残っていた。法の前の平等を取り入れ、1804年に定められたフランスの民法典は?
- ◯ 権利の章典
- ◯ 1791年憲法
- ◯ ハンムラビ法典
- ◯ ナポレオン法典
正解:ナポレオン法典
1804年に定められたナポレオン法典(新しいタブで開きます)は、法の前の平等や財産を持つ権利を守ることを定め、世界の民法に大きな影響を与えた。
単元のポイント
- 特権 一部の身分の人だけに認められた、一部の税を納めなくてよいなどの特別な扱い
- 人権宣言(新しいタブで開きます) 1789年8月にフランスの国民議会が出した宣言。人は生まれながらに自由で、権利の面で平等であると定めた
- ナポレオン法典(新しいタブで開きます) 1804年に定められたフランスの民法(家族や財産についてのきまりをまとめた法律)。法の前の平等や、財産を持つ権利を守ることを定めた
- 法の下の平等 法の前の平等と同じ意味の言葉。日本国憲法は第14条で定めている