
曲線の長さと道のり
ゾウ先生変位と道のりは別の値。速度の符号が変わる区間では、道のりは絶対値をつけて積分しよう。
30秒でつかむ
- 曲線y=f(x)の長さは、L=∫√(1+{f'(x)}²)dxで求まる。三平方の定理(新しいタブで開きます)をごく短い区間に当てはめた式だ。
- 数直線上を動く点の位置の変化(変位)は、速度v(t)をそのまま積分した∫v(t)dtで求まる。
- 道のり(新しいタブで開きます)は、速度の正負にかかわらず動いた距離の合計なので、∫|v(t)|dtのように絶対値(新しいタブで開きます)をつけて積分する。
詳しく
公式
曲線y=f(x)の、a≦x≦bの部分の長さLを求める公式を作ろう。曲線をごく短い区間に分けると、1つの区間はほぼ直線とみなしてよい。
幅dx、高さ(新しいタブで開きます)dy(=f'(x)dx)の直角三角形(新しいタブで開きます)を考えると、三平方の定理からその短い部分の長さはおよそになる。
これをa≦x≦bの範囲で全部足し合わせると、という曲線の長さの公式になる。
また、数直線上を動く点Pの座標がx=f(t)、速度がv=f'(t)のとき、時刻t₁からt₂までの位置の変化(変位)は、動いた距離の合計(道のり)はで求まる。
例題
例題:曲線の0≦x≦3の部分の長さを求めよ。
なので、。
長さは 。
別の例として、速度v(t)=2t-4(0≦t≦3)で動く点の変位は∫₀³(2t-4)dt=-3。一方、道のりはt=2で速度の符号が変わることに注意して区間を分けて計算すると5になり、変位とは違う値になる。
なぜ変位と道のりは違うのか
速度v(t)が正のときは点は右(プラス方向)に、負のときは左(マイナス方向)に動く。変位はこの正負をそのまま足すので、行って戻った分が打ち消し合う。
下の図のように、v(t)=2t-4のグラフはt=2で0になり、0≦t<2では負(左に動く)、2<t≦3では正(右に動く)。変位はグラフの下側(負の部分)と上側(正の部分)の面積を正負そのまま足したもの。
道のりは、動いた向きにかかわらず移動した長さの合計なので、負の部分の面積も正として数える。だから道のりは変位より大きく(または絶対値が大きく)なることが多い。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/math/arc-length-and-distance-traveled/?from=print#quiz
曲線y=f(x)の区間a≦x≦bの部分の長さLを表す式として正しいものはどれか。
- ◯ L=∫ₐᵇf'(x)dx
- ◯ L=∫ₐᵇ|f(x)|dx
- ◯ L=∫ₐᵇ{f'(x)}²dx
- ◯ L=∫ₐᵇ√(1+{f'(x)}²)dx
正解:L=∫ₐᵇ√(1+{f'(x)}²)dx
曲線の長さは、各点での接線の傾き(新しいタブで開きます)f'(x)を使って、L=∫ₐᵇ√(1+{f'(x)}²)dxで求まる。三平方の定理(新しいタブで開きます)でds²=dx²+dy²と考えた式。曲線の0≦x≦3の部分の長さを求めよ。
答え:____________
正解:14/3
f'(x)=√xなので、1+(f'(x))²=1+x。長さは 。数直線上を動く点Pの速度がv(t)=2t-4(0≦t≦3)のとき、t=0からt=3までの点Pの位置の変化(変位)を求めよ。
答え:____________
正解:-3
位置の変化はvを定積分(新しいタブで開きます)した値。∫₀³(2t-4)dt=[t²-4t]₀³=(9-12)-0=-3。負の値は、最終的に出発点より3だけ戻っていることを表す。数直線上を動く点Pの速度がv(t)=2t-4(0≦t≦3)のとき、t=0からt=3までの点Pの道のりを求めよ。
答え:____________
正解:5
道のり(新しいタブで開きます)は|v|を定積分した値。v(t)はt=2で0になり、0≦t<2では負、2<t≦3では正。道のり=∫₀²(4-2t)dt+∫₂³(2t-4)dt=4+1=5。変位の-3とは違う値になる。
単元のポイント
- 曲線の長さの公式 L=∫ₐᵇ√(1+{f'(x)}²)dx
- 変位(新しいタブで開きます) ∫v(t)dt(速度をそのまま積分)
- 道のり(新しいタブで開きます) ∫|v(t)|dt(速度の絶対値を積分)