
生命の起源と化学進化
カエル先生化学進化は『無機物→簡単な有機物→複雑な有機物』の順番。ミラーの実験はこの最初の段階を再現した実験だよ。
30秒でつかむ
- 原始の海や大気で、無機物(新しいタブで開きます)から簡単な有機物、さらに複雑な有機物へと変わる過程を**化学進化**という。
- **ミラーの実験**は、原始大気(新しいタブで開きます)を想定した気体に放電(新しいタブで開きます)し、アミノ酸などの有機物ができることを示した。
- 深海の**熱水噴出孔**も有機物が生まれた場の候補とされ、**RNAワールド仮説**ではRNAが情報と触媒(新しいタブで開きます)の働きを兼ねたと考える。
詳しく
原始地球の環境と化学進化
今から約46億年前に誕生した原始地球は、現在とは大きく違う環境だった。大気には酸素(新しいタブで開きます)がほとんど含まれず、二酸化炭素やメタン、アンモニア(新しいタブで開きます)、水蒸気などが主な成分だったと考えられている。
このような原始の大気や海の中で、無機物から簡単な有機物ができ、それがさらに複雑な有機物へと変化していく過程を化学進化という。アミノ酸や核酸の材料となる物質も、この過程でできたとされる。
化学進化を経てできた有機物が集まり、自分と同じものを作るしくみ(自己複製)を獲得した段階で、最初の生命が誕生したと考えられている。
ミラーの実験と熱水噴出孔での化学進化
1953年、ミラーは原始大気を想定したメタン・アンモニア・水素(新しいタブで開きます)・水蒸気の混合気体に、ガラス容器の中で放電をくり返す実験を行った。
その結果、容器の中にグリシンやアラニンなどのアミノ酸をはじめとする有機物ができることを確かめた。この実験は、化学進化が実際に起こりうることを示した最初の例として知られている。
一方、深海底で高温の熱水がふき出す熱水噴出孔の周辺も、有機物が生まれた場の候補として注目されている。熱水噴出孔には硫化水素などの化学物質が豊富にあり、熱と化学反応のエネルギーを利用できる環境がそろっているためだ。
RNAワールド仮説と生命成立の条件
生命が成り立つには、自分の情報を保つしくみと、それを複製するしくみの両方が必要だ。現在の生物ではDNA(新しいタブで開きます)が情報を保ち、タンパク質(酵素)が複製や代謝(新しいタブで開きます)のはたらきを担っている。
最初の生命では、RNAが情報の保持と触媒としてのはたらきの両方を兼ねていたと考える仮説をRNAワールド仮説という。RNAは塩基(新しいタブで開きます)配列に遺伝情報を持ちながら、特定の立体構造を取って酵素のようにはたらくことができるためである。
その後、より安定なDNAが情報の保持を、タンパク質が触媒のはたらきを専門に担うようになり、現在のようなしくみに進化(新しいタブで開きます)していったと考えられている。生命の起源はまだ研究が続く分野であり、ここで紹介した説も有力な仮説の一つという位置づけだ。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/origin-of-life-and-chemical-evolution/?from=print#quiz
原始の海や大気の中で、無機物から簡単な有機物、さらに複雑な有機物へと変化していく過程を何というか。
- ◯ 窒素固定
- ◯ 細胞内共生
- ◯ 光合成
- ◯ 化学進化
正解:化学進化
無機物(新しいタブで開きます)から簡単な有機物、さらに複雑な有機物へと変化していく過程を化学進化という。ミラーの実験はこの過程を再現した実験である。1953年にミラーが、原始大気を想定したメタン・アンモニア・水素・水蒸気の混合気体に放電をくり返す実験を行った結果、容器の中にできたものは何か。
- ◯ アミノ酸などの有機物
- ◯ 酸素
- ◯ タンパク質そのもの
- ◯ DNAそのもの
正解:アミノ酸などの有機物
ミラーの実験では、容器の中にグリシンやアラニンなどのアミノ酸をはじめとする有機物ができ、化学進化が実際に起こりうることを示した。深海底で高温の熱水がふき出し、硫化水素などの化学物質が豊富で、化学進化が起こった場の候補として注目されている場所を何というか。
- ◯ 潮だまり
- ◯ 熱水噴出孔
- ◯ 成層圏
- ◯ オゾン層
正解:熱水噴出孔
熱水噴出孔の周辺は、硫化水素などの化学物質が豊富で、熱と化学反応のエネルギーを利用できる環境があるため、有機物が生まれた場の候補とされる。最初の生命でRNAが遺伝情報の保持と触媒としての働きの両方を兼ねていたと考える仮説を何というか。
- ◯ 独立の法則
- ◯ 細胞内共生説
- ◯ RNAワールド仮説
- ◯ ハーディ・ワインベルグの法則
正解:RNAワールド仮説
RNAワールド仮説では、RNAが塩基(新しいタブで開きます)配列に遺伝(新しいタブで開きます)情報を持ちながら、特定の立体構造を取って酵素(新しいタブで開きます)のようにはたらいていたと考える。
単元のポイント
- 化学進化 原始の地球で無機物から簡単な有機物、さらに複雑な有機物へと変化していく過程
- ミラーの実験 原始大気を想定したメタン・アンモニア・水素・水蒸気の混合気体に放電し、アミノ酸などの有機物を作った実験
- 熱水噴出孔 深海底で高温の熱水がふき出す場所。硫化水素などが豊富で、有機物が生まれた場の候補の一つ
- RNAワールド仮説 最初の生命でRNAが遺伝情報の保持と触媒の働きの両方を兼ねていたと考える仮説