普通選挙
30秒でつかむ
- 普通選挙は、財産や納めた税の額などで制限せず、大人に広く選挙権を認める選挙のしくみである。
- 19世紀は男性だけの男子普通選挙が中心で、フランスでは1848年の二月革命(新しいタブで開きます)で男性の直接選挙が始まった。
- 女性の選挙権は多くの国で第一次世界大戦後に認められ、日本では1945年に実現した。
詳しく
背景
19世紀の前半のヨーロッパでは、選挙が行われる国でも、財産や納めた税の額で選挙権を限るしくみが多かった。これを制限選挙(新しいタブで開きます)という。たとえば七月王政(新しいタブで開きます)のフランスでは、1年に200フラン以上の税を納める25歳以上の男性しか投票できなかった。この王政の国王は、ルイ=フィリップ(新しいタブで開きます)である。産業革命(新しいタブで開きます)が進んで労働者が増えると、財産を持たない人々も政治に加わる権利を求めるようになる。こうして広がった要求が、財産や納めた税の額で選挙権を制限しない普通選挙である。
流れ
19世紀のヨーロッパでは、女性の選挙権はほとんど認められていなかった。当時の普通選挙は、多くが男性だけの男子普通選挙であった。
フランスでは1792年、革命中の議会である国民公会(新しいタブで開きます)の議員が、男子普通選挙で選ばれている。ただしこれは、代表を選んでから議員を選ぶ二段階の選挙だった。1848年の二月革命では、21歳以上の男性が直接投票する男子普通選挙が取り入れられた。投票できる人は、25万人ほどから900万人ほどに増えた。1871年にできたドイツ帝国(新しいタブで開きます)でも、議会の下院は男子普通選挙で選ばれる。イギリスでは選挙法の改正を重ねて選挙権が広がり、1918年に男子普通選挙となった。
結果
19世紀には、女性の選挙権を求める女性参政権の運動がイギリスやアメリカで広がった。女性の選挙権は、多くの国で第一次世界大戦の後に認められていく。イギリスでは1918年に、条件を満たす30歳以上の女性が選挙権を得て、1928年に男女が同じ条件になった。日本では1925年に男子普通選挙が決まり、女性の選挙権は1945年に認められている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/history/universal-suffrage/?from=print#quiz
普通選挙の説明として正しいものは?
- ◯ 財産や納めた税の額で選挙権を制限しない
- ◯ 貴族だけが議員に立候補できる
- ◯ 多くの税を納めた人だけが選挙権を持つ
- ◯ 国王が議会の議員を任命する
正解:財産や納めた税の額で選挙権を制限しない
普通選挙は、財産や納めた税の額などで制限せず、大人に広く選挙権を認める選挙のしくみである。多くの税を納める人だけが投票できるしくみは、制限選挙(新しいタブで開きます)という。フランスで、21歳以上の男性が直接投票する男子普通選挙が取り入れられたきっかけは?
- ◯ 1789年のバスティーユ牢獄の襲撃
- ◯ 1815年のウィーン会議
- ◯ 1830年の七月革命
- ◯ 1848年の二月革命
正解:1848年の二月革命
1848年の二月革命(新しいタブで開きます)で、21歳以上の男性が直接投票する男子普通選挙が取り入れられた。投票できる人は、25万人ほどから900万人ほどに増えた。日本で女性の選挙権が認められたのは何年か?
- ◯ 1890年
- ◯ 1918年
- ◯ 1925年
- ◯ 1945年
正解:1945年
日本では1925年に男子普通選挙が決まり、女性の選挙権は第二次世界大戦が終わった1945年に認められた。1918年は、イギリスで条件を満たす30歳以上の女性が選挙権を得た年である。
単元のポイント
- 制限選挙(新しいタブで開きます) 納めた税の額や財産などの条件を満たす人にだけ選挙権を認めるしくみ。普通選挙とは反対のしくみ
- 男子普通選挙 財産や納めた税の額による制限をなくし、一定の年齢以上の男性に選挙権を認めるしくみ。19世紀に「普通選挙」というときは、多くがこれを指した
- 女性参政権 女性が選挙で投票したり、議員に立候補したりする権利。19世紀からイギリスやアメリカで運動が広がった