
LC回路の電気振動
カンガルー先生バネにつけたおもりの単振動と同じしくみだよ。コンデンサーの電気量が位置、コイルの電流が速さに対応すると考えると、エネルギーの移り変わりが見えやすい。
30秒でつかむ
- 電気量(新しいタブで開きます)をもたせたコンデンサー(新しいタブで開きます)にコイルだけをつなぐと、コンデンサーの電気量とコイルの電流が周期(新しいタブで開きます)的に変化する**電気振動**が起こる。
- 振動の間、コンデンサーの静電エネルギー(新しいタブで開きます)とコイルの磁場エネルギーが互いに移り変わりながら、合計のエネルギーは一定に保たれる(抵抗が無い理想的な場合)。
- 振動の周期はT=2π√(LC)(単振動(新しいタブで開きます)の周期の式と同じ形)で、自己インダクタンス(新しいタブで開きます)Lと電気容量Cが大きいほど周期は長くなる。
詳しく
LC回路に起こる電気振動
電気量をもたせたコンデンサーに抵抗を含まないコイルだけをつなぐと、コンデンサーに蓄えられた電気量はコイルを通って放電(新しいタブで開きます)を始める。コイルは電流の変化を妨げるので、電流は一気に流れきらず、コンデンサーが空になったあとも電流は流れ続けて反対側のコンデンサーを充電する。この繰り返しで、電気量と電流が周期的に変化する電気振動が続く。
この振動は、おもりとバネの単振動と同じしくみだ。コンデンサーの電気量が変位(新しいタブで開きます)、コイルの電流が速さに当たり、電気量が最大(コンデンサーだけに電気がある)の瞬間は電流が0、電気量が0になる瞬間は電流が最大になる。
振動の周期はで表せる(単振動の周期の式と同じ形)。これより固有角周波数(新しいタブで開きます)はで、前のページで見たRLC直列回路(新しいタブで開きます)の共振(新しいタブで開きます)角周波数と同じ式になる。
例題:周期と、エネルギー保存から求める最大電流
例題1:自己インダクタンス0.50H・電気容量200μFのLC回路の周期Tはいくらか。0.02π s(約0.063s)。
例題2:コンデンサーの電気量の最大値が1.0×10⁻³Cのとき、コンデンサーに蓄えられる最大の静電エネルギーはいくらか。2.5×10⁻³J。
例題3:例題2のエネルギーがすべてコイルの磁場エネルギーに移ったとき、コイルに流れる電流の最大値I₀はいくらか。より0.10A。
なぜ振動が続くのか(エネルギーの保存)
電気振動の1周期を追うと、エネルギーの移り変わりが見える。電気量が最大のとき(電流0)はエネルギーがすべてコンデンサーの静電エネルギー、電気量が0のとき(電流が最大)はすべてコイルの磁場エネルギーになる。その中間では両方のエネルギーが半分ずつ存在し、合計は常に一定に保たれる。
抵抗がない理想的なLC回路では、この振動はいつまでも続く。実際の回路には抵抗があるので、振動のたびにわずかにジュール熱(新しいタブで開きます)として失われ、振幅がしだいに小さくなる減衰振動になる。
次のページ「電磁波の発生と性質・利用(新しいタブで開きます)」で見るように、この電気振動は空間に電場と磁場の変化を伝え、電磁波を発生(新しいタブで開きます)させるもとになる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/electrical-oscillation-in-lc-circuit/?from=print#quiz
自己インダクタンス0.90H・電気容量1.0×10⁻³F(1000μF)のLC回路の固有周期Tは何sか。
答え:____________
正解:0.06πs
T=2π√(LC)=2π√(0.90×1.0×10⁻³)=2π×0.03=0.06π s。電気容量500μFのコンデンサーに、電気量の最大値2.0×10⁻³Cがたまっている。コンデンサーに蓄えられる最大の静電エネルギーは何Jか。
答え:____________
正解:4.0×10⁻³J
U=Q₀²/(2C)=(2.0×10⁻³)²/(2×500×10⁻⁶)=4.0×10⁻³J。上のエネルギーがすべて自己インダクタンス0.20Hのコイルの磁場エネルギーに移ったとき、コイルに流れる電流の最大値I₀は何Aか。
答え:____________
正解:0.20A
(1/2)LI₀²=U より I₀=√(2U/L)=√(2×4.0×10⁻³/0.20)=0.20A。LC回路で、コイルに流れる電流が最大になる瞬間、コンデンサーの電気量について正しいものはどれか。
- ◯ 最大である
- ◯ 電源の電圧による
- ◯ 0である
- ◯ 半分である
正解:0である
電流が最大のとき、エネルギーはすべて磁場エネルギーになっており、コンデンサー(新しいタブで開きます)の電気量(新しいタブで開きます)は0である。
単元のポイント
- 電気振動 コンデンサーとコイルだけの回路に起こる、電気量と電流の周期的な変化
- 固有周期 T=2π√(LC)。固有角周波数はω₀=1/√(LC)
- エネルギーの保存(新しいタブで開きます) 静電エネルギー(コンデンサー)+磁場エネルギー(コイル)=一定